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2008年01月29日

北極圏での生活(4・飲食)

【食事】
基本的に、欧米人と似たようなパンや肉やイモを食べます。
チーズの種類が多いのは嬉しいことで、ヨーロッパでは「チーズ屋さん」という独立した業種が成り立つんですね。はるか遠くから「あっ、チーズ屋さんがある」って匂いで分かるんです。
ヤギのチーズを食べてみたところ、味が濃かったです。ノルウェイで「グンメルオスト」(意味:古いチーズ)を食べてみたら、熟成されたコクがあって、色も味もミルクチョコレートのようでした。病み付きになるかも。

スーパーに行けば、日本製のインスタントラーメンもあるし、瓶入りの醤油や、アルファ米のようなライスも売っています。これらアジアの食材は、中国系の人たちの需要に応えるためのようです。日本の米とは違うので、おにぎりは作れないけどチャーハンを作るのには適しています。

日本ではお目にかかれない肉もあります。カリブーとか、ヘラジカとか・・。ヨーロッパでは、トナカイの肉や雷鳥もスーパーで売ってました。雷鳥は食べてみたかったんですけど、その頃にチェルノブイリの事故があって、鳥はどこに飛んで行ってるか分からないので、やめときました。

トナカイ料理の一番のおもてなしは、骨の髄です。トナカイ肉のステーキの皿の脇に、5cmくらいの長さの骨が乗っかってて、単なる飾りかと思ったら、その骨の中に入ってる髄がご馳走なんです。
食感は「肉の脂身」のようで、確かに栄養が豊富なのは納得しますが、美味しいとは感じませんでした。

トナカイの下顎の骨を利用した犬ぞりのディスプレイ
トナカイ(製)の橇
乗ってるのは鞭と銛と弓で、顎には歯が付いてます。

グリーンランドで、「日本人なら鯨肉を食べるんじゃないか?」と譲ってくれたことがあったので、確か、生姜で煮て食べました。現地人は、自分達の生活のために決められた量の鯨を捕獲することができます。

珍しかったのは、「マックタック」と呼ばれる鯨の皮下脂肪です。ひと口で食べれるくらいの大きさに切ってあり、見かけは「モンゴウイカ」を煮たような、白いハンペンを硬くしたような感じです。
それが直径・高さ30cmくらいのプラスチック製の缶に入って売られており、缶ごと買ってきて時々食べるらしいです。(試みなかった)

生野菜はほとんどありません。南の方の土地から飛行機で運んで来る途中で、飛行場で荷物を地面に降ろしている間に凍ってしまいます。それをスーパーに並べて売るので、レタスなんて表面が融けてベロベロになってきます。
でも外側を2・3枚捨てれば済む話で、キャベツの外側が青虫に食われてるようなもんです。リンゴなども結構キズがついていますが、見た目よりも中身なので、売れ残ることはありません。

酒やタバコには、かなりの税がかけられています。しかも酒は販売する曜日が決まっているので、その日に買えなければパニックになるのかも知れません。
イメージは「酒屋さん」ではなくて「専売公社の出張所」という感じで、カウンターに並んで注文すると愛想の無い店員(公務員?)が後ろの棚から出してくるんです。大抵はケースで何箱も買っていました。
その酒店の玄関は、頑丈な鉄格子の付いた扉で守られているし、数少ない窓も全て鉄格子がはめられています。人間の性として、酒を入手するためなら何でも試みる人達がいる、ということを教えられます。(笑)


【トイレ】
冬の間、トイレから水を流すことはできないので、便器の中にバケツのような形の頑丈な金属缶を入れてありました。最初はそんな物が入ってるとは気付かないほど、すっぽり入るサイズの専用のバケツがあるんです・・というか、その標準仕様のバケツに合わせて便器を設計してあるようです。

ある程度溜まるとそのバケツを便器から取り出して、弁当箱のように密閉できる蓋をして、(恐らく決まった日に)玄関前に置いておきます。
専用のトラックが来てバケツを回収して行くらしく、町外れの空き地に集めておくようです。
中身は完全に凍っているので全然臭くないんですけど、それらをどう処理するのか分かりませんでした・・多分、夏になったら何とかするんでしょう。

つづく


posted by 雁来 萌 |23:23 | 雑念 | コメント(1) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:北極圏での生活(4・飲食)

鯨を含む海洋資源は、今後の地球環境問題を考える上で重要だと思います。しかし、これらがあまり強調されないには、それなりの理由があると考えられます。私のブログでは、反捕鯨の背景を通じて海洋資源の開発の重要性を提示してみました。是非ご覧になって下さい。

posted by yutakarlson | 2008-01-30 14:54

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