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2007年09月14日

ビールによる地球温暖化

今回少しマジメに環境問題に取り組もうかと思いますが、構えたまま読んでいると騙されてしまうので、少し頭をほぐしてから読んだ方がいいかも知れません。
 

保温効果によって地球温暖化を促進する気体(つまり「温暖化ガス」と呼ばれる気体)としては色々な化合物があるんですけど、今回は二酸化炭素(CO2)についてのみ考えてみます。
「温室効果ガス」という呼び方もありますが、「温室効果」という言葉は適切ではないので使わないことにします。(理由は省略)

短波放射と長波放射に対する吸収の違い・・とかいう理屈から始まる勉強は省略して、ここではビールの話だけにします。(親しみやすいでしょう?)


まず、ビールを飲むという行為の実体を考察してみると・・

【1】 ビールの中に溶け込んでいた気体が泡になって出てきますが、あれはCO2ですから、モロに温暖化ガスが出ていることになります。
泡になる前に飲み込んだとしても、げっぷになってCO2が出てきます。

【2】 ビールを飲むと、アルコールを飲むことになります。好きで飲んでる人もいるだろうし、嫌々ながら飲んでると主張する人もいるでしょうけどね。
アルコールを飲むと、体が発熱して新陳代謝が活発になって、脈拍や呼吸が激しくなります。そうなると、吸入する酸素も排出するCO2も多くなるので、温暖化ガスを多く出すことになります。

【3】 アルコール自体は体内の主に肝臓で分解(酸化)されて、最終的にはCO2と水(H2O)に変わり、ここでも温暖化ガスを出すことになります。
(実は、水蒸気は温暖化に貢献する最も強力なガスであるし)

【4】 そもそもアルコール(C2H5OH)を作るという作業は、糖分(C6H12O6)をアルコール発酵させる化学反応であり、この反応の副産物としてCO2も発生します。

つまりビールを飲むという行為は、四重に温暖化ガスを放出していることになり、好むと好まざるとに係わらず、地球温暖化を一生懸命に促進していることになります。ドームで酸欠になるのも然り。
(注:ビール会社の営業活動を非難する、という意図はありません。)


次に、ビールは本当に地球温暖化を促進することになるのかどうか、を考察してみます。

・ビールに含まれるCO2はどこから来るか?というと、空気中に0.04%含まれるCO2を回収して集めるので(化学的に合成する方法もあるけれど)、元々空気中にあったCO2の量を一旦は減少させることになります。
回収したものを元に戻すだけならば差し引きゼロだから、空気中のCO2の量を増やすことにはなりません。

・アルコール発酵はどうかというと、糖分(つまり炭素と酸素と水素の化合物)を原料としてアルコールとCO2を生産するのだから、化合物の形だった炭素を最終的にはCO2という気体に変えることになり、これは純粋に空気中のCO2の量を増やすことになります。

・生物の新陳代謝や呼吸というプロセスも、食物に含まれていた炭素の化合物を消化してエネルギーを得て、その過程でCO2を放出することになり、これも純粋に空気中のCO2の量を増やすことになります。

ただしいずれも、糖分や食物は空気中のCO2を吸収して作られた産物なのだから、生産過程で消費されたCO2の量を差し引かなければなりません。


などと考えると、地球温暖化を抑制するためには、

  • アルコールを作らない
  • アルコールを飲まない
  • 飲むなら、ビールやシャンペンは避ける

という結論が導かれます。今すぐ実行できる簡単な方法ですね。(笑)

Moet et chandon
私のお気に入りシャンペン「・エ・シャンドン」

単純化して表現すると、炭化水素という固体や液体の化合物として保存されていた炭素、あるいは生物の体を形作る成分としてして存在していた炭素を、酸化させてCO2という気体に変えることが良くないのだから、炭素を固体あるいは化合物のままにしておけば、空気中のCO2の量は増えないことになります。
具体的な方法としては、

  • 石炭や石油などの化石燃料を燃やさない
  • 炭素を岩石中や海洋中に固定する
  • 発生したCO2を大気圏外に飛ばす(画期的だ!?)

などの方法が思い付きます。

  • 植林して炭素の吸収量を増やす

という発想もありますが、樹木に取り込まれた炭素は、いずれ分解されてCO2に変わります。積み重ねておいて石炭や石油に変わるまで待つ、という方法もありますが、それまで待てるかどうか。
取りあえず木を植えれば、目先の空気中のCO2が増えない方向に作用する効果はあるかも知れませんけど。

でも、(火山噴火などを除けば)地球を温暖化させる作用は全て人間活動に起因するのだから、地球温暖化を防ぐ最も有効な究極の手段は、人類が絶滅する、という方法ですね。
放っておいてもそうなる可能性もありますが・・その後で、地球は(人間以外の生物にとって)バラ色の楽園になるのです。
 

※今回の記事は、「脳減る賞」を受賞した際の記念講演の内容を抜粋したものです・・かね?


posted by 雁来 萌 |07:53 | 気象細事記 | コメント(0) |

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