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2015年03月16日

然別湖の期限付きコタン

穏やかな晴天になった先月のある週末に、然別湖へ行ってきました。

毎年冬になったら(人工的に)出現し、春になったら湖に沈んで消えるしかりべつ湖コタンという幻の村があります。
今年で34回目になるイベントだそうで・・確か過去に3回は訪れたことがあるけれど、直近でも20年ほど前の話だから記憶も薄れて来つつあります。

鹿追町から西ヌプカウシ山と東ヌプカウシ山を望む
ツインピーク:標高は1mしか違わない
然別湖へ通じる道路は、西ヌプカウシ山の山麓を登って両山の間を抜けて行きます。
2009年まで、西ヌプカウシ山にアメダスがありました。

上士幌町にピリベツ岳という山と西クマネシリ岳という山があり、両方を合わせて「オッパイ山」と呼んでいるどころか、「オッパイ山祭り」まで行われるそうです。←興味津々

こっちの東・西ヌプカウシ山もなかなかの姿をしていますが、元祖よりも標高が低い他に決定的な違いがあるため、地元の鹿追町では同様の祭りを行おうとはしていません。具体的に何がどう違うのかは・・自由研究の課題とします。

しかりべつ湖コタンの入口から湖面(に積もった雪)を眺める
湖上の楼閣
イグルーというかパビリオンの建築資材は、圧雪した雪塊や然別湖の湖水が凍って出来た分厚い氷板を切り出して利用しています。製氷機で作った人造の氷塊と違って、中心部まで濁らず透明なままなのが秀逸。

春になったら、そのままの姿で然別湖の澄んだ水の中へ戻るんですから、冬の間限定の厳しい自然環境からの借り物と表現することも出来ます。大雪山国立公園の中だから、余計な物を湖に沈めてはいけないし。
春になって沈む時ってどんなんでしょう・・ダム湖に沈んでしまう廃屋を見送るような感じでしょうか。

急に深くなっているそうで、長年の住民で湖を知り尽くしているオショロコマが言うんだから間違い無いんでしょう。
説得力は絶大

夏場には湖面に姿を映す唇山(天望山)を背景にして、アイスチャペルとなるイグルーが一番奥にあります。
唇に砂糖飴

夜になると内部にキャンドルが灯されるらしい。
ろうそく出せ、出せよ

 
湖畔の温泉街を振り返った景色・・街と言えるほどの軒数は無いけれど、
冬だからこその構図
左奥がホテル福原で、右手前がホテル風水です。

アイスロッジに宿泊する体験も出来ます。(要予約)
ベッド上はもちろん、湖上は禁煙です
でも氷のベッドは固くて冷たそうだし、湖の上にはトイレが無いんですよ。夜中に目が覚めてトイレに・・という場合は、湖岸にある観光トイレまで歩かなければならないんですね、寒い夜中に。

 
ここはアイスバー(昼間はアイスカフェ)
バーテンはBARにいる
夜中に侵入されないよう、ドアの横にあるチェーンで封鎖するんでしょう。

結構賑わっているカウンター
正しくオン・ザ・ロック

温かい抹茶オレを買って、丸窓のある中二階で飲みます。
氷の宮殿
ドリンクは500円ポッキリ、氷のグラスで飲みたければ500円追加です。

お一人様~お二人様用のテーブル席
すぐ冷めるから猫舌には嬉しい
コースターを使わないとテーブルが融けてしまいます。

グループ用のボックス席もあります・・カラオケは無いのかな?
素手で調度品に触ってはいけません

丸窓からカウンターを見下ろす景色・・深窓の令嬢になった気分←誰がっ!?
氷の穴に釣り糸を垂れてみたい

 
他の部屋にはステージがあって、コンサートも行われるとか。
透明人間が踊ってます
サンタ姿のドールズが登場(願望)・・シロクマも座って眺めています。

半地下になった薄暗い部屋にはシアターがあり、ナキウサギなど然別湖の四季の風景や、イグルーを製作する過程のドキュメンタリーが上映されていました。
天井が崩れないのか心配
大きな氷の板の裏側に白い布を貼って、その背後から映像を投影してるようです。

これは型枠に氷材を載せている段階
氷塊をシャーベットで凍着

外形が出来たら内装工事に取りかかります。
字幕は「氷と雪が活きてくる」

 
ここは氷のグラスや彫刻を作る体験工房で、左後方がアイスバーの外壁です。
アイス工房←アイスクリーム工房ではない

内部には作業テーブルがあり、作品が並べられていました。
農家の倉庫みたい

 
あっちに氷上露天風呂があるようで、
熱かったら雪で埋める
朝から夜まで無料で入浴できますが、男性専用と女性専用の時間帯も設定されています。

湖の方から眺めた露天風呂(男湯に入浴中)
男←|→女
湖岸の温泉からお湯を引いて浴槽に満たしており、お湯をあふれさせ過ぎると、氷が融けて湯船ごと湖に沈んでしまうことになります。

後で発見された時には、氷の祭典などで見るような氷に閉じ込められた人間の標本が出来てるはず。(しかも全裸で)

パンフレットには色々な注意書きがあって、約束を守れなかった人は強制退去・・かと思ったら「強制労働」してもらう、と書いてありました。どんな労働なんでしょう。

然別湖という地名も、内地の人には読み難いんだろうなぁ。
読めなくても全然オッケー・・の「ぜん」には違いないけれど・・さりとて、初めて見る人なら当惑するのもしかり。

 
十分に心の底まで美しく透明になったし、夜になるまで待ってるのも手持ち無沙汰だからほどなく引き上げましたが、帰りに高速のトンネル内で事故があってトンネルは進入禁止、トンネルの手前で1時間も待たされました。


posted by 雁来 萌 |22:22 | 蝦夷の細道 | コメント(0) |

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