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2014年08月22日

五里霧中な芸術の森美術館

札幌国際芸術祭2014に関連した展示をあちこちに見に行ってて、近代美術館で開催されている「都市と自然」の一部は既に紹介しました。

今回は、7月27日に札幌芸術の森で見た作品と、500m美術館、およびチ・カ・ホにおける展示の中から、個人的に面白かった作品を紹介します。

芸術の森美術館では、中谷芙二子さんによる「霧の彫刻」というシリーズの一つが展示?され、20分間隔でデモンストレーションが行なわれていました。

タイトルは「FOGSCAPE #47412」となっています。
霧景色札幌←霧消し機ではない

LANDSCAPE ではなく「FOGSCAPE」とは霧景色?で、「47412」という数字は、世界中の気象観測所に割り振られた番号のうちの、札幌(管区気象台)を意味します。日本の観測所は頭に47が付き、稚内が47401、旭川が47407・・などとなります。

作者は中谷宇吉郎の二女なんですが、父親は飛行場にかかる霧を消す研究をしていたというのに、彼女は霧を立ち込めさせるパフォーマンスを得意としているようです。→参考:中谷宇吉郎 雪の科学館


定刻になって、中庭の噴き出し口から霧が噴射され始めました。
ドライアイスではない

霧は次第に拡散し、壁で仕切られた中庭全体に広がりながら溜まってきます。
拡散←サントリー角ではない

親子連れが入ってきましたが、ぼんやりとしか見えません。
ブロッケンとか出来そう
視界は数メートルしか無く、子供がぶつかってきたくらいです。
中庭だから良いようなものの、仕切られていない空間だったら行方不明になりそうです。

館内の通路(手前)から見た、中庭を歩く子供
内と外とは別世界
この日は丁度というか生憎というか、小雨が降っていました。
霧で濡れてるのか雨で濡れてるのか区別がつかない状態でしたが、暑い日にこういう涼み方もあるもんだなぁと。

霧の噴射も終わり、反対側のテラスの方は晴れてきました。
天気は回復
このパイプから霧を噴き出すのかと思っていたら、視界不良の中で段差を踏み外さないためのガードだったようです。

赤い傘を差してビニールカッパを着てる人も・・ずいぶんと用意の良い人だなぁと思ったら、実はイベントの案内スタッフでした。

 
展示室で見た、松江泰治さんの写真(北海道の風景)も良かったです。


工芸館では「クラフトで乾杯!」という公募展が催されており、こういう作品を眺めるのは楽しいんだけど、どれかの作品を買わなければならない衝動(強迫観念)に駆られるので危険です。


8月6日に500m美術館で見た、伊藤隆介さんの作品
ロボットカメラ
瓦礫の下に閉じ込められた人を捜索するとか、水道管の内部を検査するとかいう目的に使えそうなカメラをパイプの先に取り付け、首を振りながら前進・後退する探査器です。

つぶれた車や住宅の模型とか、瓦礫を寄せ集めた中を進んで行き、このカメラで撮影したリアルタイムの画像をスクリーンに映していました。

時間があったら、いつまででも眺めていたい作品でした・・が、広島原爆の日だし、津波被害もあったしで、こんなツールが活躍するような災害は起こらないに越したことはないです。


8月10日にチ・カ・ホで見た、菅野創さんとyang02さんのコラボ作品「セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ」
勝手にボールペン

レールの上を左右に動くモジュールが、壁に対して直角を保つボールペンを巻き上げたり下ろしたりします。
隣のモジュールにぶつかると反対側に移動します。

作品の説明にある「行き交う人々の数をリアルタイムで計測したデータに応じ、上下左右に動いて・・」というカラクリは分かりませんでしたが、壁に貼った紙の表面に(ミミズが這ったような)無数のトレースが描かれていて、面白かったです。

 
終戦記念日が近いせいか、芸術祭とは別に戦争関係のパネル展示があって、その中に木製戦闘機キ106の写真がありました。
ホントに飛んだなんて

この飛行機が実際に空を飛んだというのだから、驚き、桃木三太夫です。


posted by 雁来 萌 |20:35 | 雑念 | コメント(0) |

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