2014年02月02日
新旧の滑走路とメロディー
根室・網走方面のアメダス調査旅行の3日目は、前夜のうちに暗いながらも下見しておいた中標津から探査を始めます。 夜だから暗くて観測サイトは識別できなかったんだけど、この施設以外に考えられないという状況ですから簡単に見つかりました。
アメダス探訪「中標津」の巻(2013/10/13) 広くて平らな草地の中にポツンと立っています。 ここは、「地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場」(ちほうどくりつぎょうせいほうじんほっかいどうりつそうごうけんきゅうきこうのうぎょうけんきゅうほんぶこんせんのうぎょうしけんじょう)の農産試験圃場のようです。短歌と同じく、ミソヒトモジある長~い名称です。 農業試験場の農地だから、周辺一帯にな~んにも無いし・・ジャックと豆の木のような作物でも育つのならともかく。 農地に立ち入る訳にもいかないので、遠くからズーム写真を撮って終わります。 こんな恵まれた立地条件なんて、そうそう無い話だから問題ないし。 敷地の片隅に面白い雰囲気の建物がありました。 奥に見える庁舎の建物も良い感じなのですが、現在は使われていない様子。 こっち側から見ると、左に北海道立根釧農業試験場(旧北海道農事試験場根室支場)の農具庫、右に同じく種苗倉庫が並んでいます。 現在の試験場の本庁舎は、国道を挟んだ向かいの広大な土地に立っています。 空港へ向かう途中の少し高台になった土地に役場があり、その前に地震計が据えてありました。 向かいの丸山公園には、SLのC11209号が保存されていました。 遠くに見えるのは雪印(メグミルク)のタンクのようです。これらのタンクを満杯に出来るほど牛が多くいるということだものなぁ・・。 公園の一角に中標津町郷土館がありますが、まだ朝6時半で開店前。 街外れに運動公園があり、ここで「チビリンピック(U-12)」の全道大会が開催されている最中です。 うちのU-12チームも参加してるんだけど、入口に鍵がかかってるし、まだ誰も集まっていません。 試合を見てたら先に進めないから後ろ髪を抜かれる思いで立ち去りましたが、結果は見事に優勝しました。
アメダス探訪「根室中標津」の巻(2013/10/13) 根室中標津とは、その名の通り中標津空港のことです。 役場の横を登って台地を進むと、公園の奥に長閑な空港施設が見えてきました。 あまりインパクトを感じないターミナルビルですが、これが凄い。 分離帯に立ってた歓迎標識によると、「秘境・海峡・酪農郷」なんだそうです・・確かに。 ここの空港のシンボルは、当然ながら牛です。 駐車場は8時半に開いたんだけどターミナルビルは閉まったままなので、仕方なくフェンスの外から観測サイトを撮影しました。 航空会社の職員が出勤してきたので「何時に開くんでしょうか?」と尋ねたら、「もうすぐ開きますよ。」と(職務上の?)笑顔で教えてくれた上に、カウンターの職員にも通報連絡したらしく、外のベンチに座ってたら呼ばれて入れてくれました。 さすがに自動ドアは時計仕掛けでロックされてるから、脇にある通用口のドアを開けてくれて恐縮しました。 ほとんど手ぶらだから、とても始発便に搭乗するような客には見えなかったはずなのに・・でも正直言って助かった。 外で待ってるとホントに「酪農郷の臭い」がキツくて閉口しましたよ・・閉じるのは口だけじゃなく、鼻も閉じたかったくらいで。 晴れて送迎デッキの上から測器を撮影できました。 遠くに吹流しも立っています。空港の必須施設ですから。 飛行機は風上に向かって離着陸するので風向が重要なのは当然ですが、気温が高いと空気が薄くて揚力が減るから滑走距離が長くなるので、気温も運行に重要な要素です。 航空標識の手前に風速計がダブルで働いています。 フェンスの向こう側に管理用の周回路があって、向こう側からも観察しました。 正面には武佐岳が聳えています。 その左寄りを探すと、昨夜の宿営地である開陽台が見えました。 ここの特徴は国内初となる木造の空港ターミナルビルで、フレームさえ木で出来ています。 小学校の頃の体育館もこんな造りだったなぁ。 2階の搭乗待合室に置いてある椅子や天井、床も木製です。 出発ロビーには入れないのでガラス越しに覗くと、やっぱり木の椅子。 乗り込む飛行機も木製・・なはず無いだろ! 戦時中の木製戦闘機じゃあるまいし・・キ-106の一部は江別にあるけど。 これ、実は「翼とふれあいのゾーン」という公園のベンチで、翼(notキャプテン)の上に座れます。 右翼の下に説明が書いてあって、旧中標津空港(元々は旧海軍標津第一飛行場)の旧滑走路だった跡地を公園にしたそうです。 これがその旧滑走路で、現在の滑走路と斜めに交差しているため、途中で分断されています。→参考 公園の駐車場の横にあるトイレは管制塔を模してあり、 公園の方から見ると管制塔が2つ重なって見えます・・内部を撮影してこなかった。
アメダス探訪「糸櫛別」の巻(2013/10/13) 猛吹雪で死者が出た道道を走って国道に抜け、ちょうど朝9時に発見しました。 根北峠への登り口にあたる位置なので、悪天候時には通行止めになることもあります。 こんな藪を漕いで行きたくはないので、少し先から回ります。 ここは何の土地なんでしょう? 糸櫛別では雨量のみを測っています。 枝の無い材木が立ち並んでいる不思議な光景 木登り競走? 耐候試験? 宗教施設? などと考えてみても納得には到らず。 原材料とは何の材料?・・まさかこれで中標津空港のターミナルビルを建設したとか・・
近くの川北には「標津第二飛行場」(川北海軍航空基地)の跡があって、掩体壕も残ってるらしいけど探すのに手間取るから寄る予定じゃなかったんですが、ここだという案内が出てるのなら寄ってみるか・・でもメロディーロード(試験施工箇所)って何ですか? これが航空基地の滑走路だったんじゃないよね? 小型機なら十分に滑走路として使えると思うけど。 ト音記号の交通標識が出現! 教則本に載ってなかったから意味不明です・・カラオケ注意? ここには八分音符が・・腹八分目? いくら北海道でも、オタマジャクシは道路を横断しないだろうし。 走ってみて分かりました:「音が出ます」・・しかも音楽が。 空港の滑走路や交差点前の下り坂などでは、制動を効かせるため横方向に細い溝を切ってありますが、同様の加工(グルービング)を施してありました。しかもその間隔(ピッチ)を場所によって変えているので、ロードノイズの音程が変わってメロディーとして聞こえます。 ここの曲は「知床旅情」でした。法定速度で一定に走らないと、酔っ払いが歌うカラオケのようになってしまいますが。 →施工者の篠田興業と施工の紹介 根室地方には不思議な構築物が多いですな・・ひるまず先へ進み、標津・羅臼に寄って知床半島を横断します。
posted by 雁来 萌 |18:56 | 気象細事記 | コメント(2) |
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この記事に対するコメント一覧
Re:新旧の滑走路とメロディー
こんばんは。
新旧滑走路というので、紋別空港か西春別(計根別)のことかと思ったら、中標津でしたか。
昨年7月に中標津空港の前(10枚目の写真のところ)を通りかかったのですが、時間がなくて見学できませんでした。
ジェット化のとき、単純に滑走路を延長したのかと思っていたら、違う角度で作ったのですね。勉強になりました。
今年の夏に西春別に行こうと思っているので(自衛隊基地の解放デーなので)、中標津も行きたくなりました。
予備知識が増えてためになりました。
posted by かもめ| 2014-02-02 19:41
舗装が立派過ぎたもの
ここの空港は経緯が複雑のようですね。
旧滑走路を最初に見た時は、車を乗り入れられる訳じゃないのに立派な舗装が施されているので、ラジコンカーの競走に使うとか、ゴーカートの走路(冬はスケートリンク)として使われるのかと思いました。本物の滑走路だったと知って納得です。
posted by 萌| 2014-02-02 20:18