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2013年08月03日

天文台と火葬場の初山別

もう2ヶ月前になる6月8日~9日に、留萌中部・北部と上川北部のアメダス地点を探索してきました。

2泊3日になるかも知れないと思ってたのに、ミッションが順調に捗ったもんだから1泊2日で済んでしまい、さらに宗谷南部の2ヶ所もついでに見てきましたけど。

今回は、全4回に分けたうちの第1回で、留萌から初山別までを紹介します。

留萌地方の海岸を走る「オロロンライン」って、留萌市あたりから始まるのかと思ってましたが、始点は石狩市なんですね。ロードマップを見ると小樽駅前から始まっているし、広義には天塩町を越えて稚内まで含める場合もあるとか。


アメダス探訪「留萌」の巻(2013/6/8)

ここは以前にも簡単に紹介したし、一応は留萌南部なので簡単に。
岩見沢や倶知安と同様に、測候所が廃止された後はハローワークが同居した合同庁舎にありました。
その他の官署一同

露場のフェンスと測器など
草丈は高くないけど密集
右奥に測候所の庁舎があったような雰囲気でした。

測候所だったので観測要素が多く、視程(アパートの手前)も測っています。
積雪深計

風向風速と日照は庁舎の屋上で観測しています。
高いところが好き

留萌には、上空の風を測る「ウインドプロファイラ」もあります。(道内では他に室蘭と帯広)
バレーボールか恐竜の卵か

 
黄金岬に立つ「海のふるさと館」の横に、烽火台があって気象観測もしていたそうです。
烽火台があったとは

ベタ凪ぎの日本海と暑寒別岳
暑いんだか寒いんだか
 
留萌観光連盟では、「オロロンマップ」という手書きのガイドマップを発行しています。
去年は留萌市の地図を見てその芸の細かさに感心したし、さらに北方の市町村の地図も事前には見ていたんですが、現地の道の駅や観光案内所などに無料で置いてありました。
↓ダウンロードサイト
http://rumoifan.net/map/

A3サイズの両面印刷なのでファイルサイズが大きいpdfだけあって、この緻密さがすごい・・留萌管内の地図を全部つなげることが出来て、全長が約3mになるそうです。
この地図の製作を請け負った、「町谷パース工房」の仕事もすごいですね。(清田区北野にあるらしい)


鬼鹿で一休みしがてら、食料を買い込みました。
夜明けが早い時期だけに、空が明るくなった頃に家を出てからずいぶんと遠くまで進み、ちょうど開店する時刻になりました。

左側の道の駅を番屋だった建物だと勘違いした人もいるようですが、右側の巨大な屋敷が旧花田家番屋です。
街道をゆく

「にしん街道」というのは、渡島半島の松前町から稚内市まで続いており、奥尻島や利尻島・礼文島の海岸線も含まれています。(と定義されている)
その総延長は約700kmで、当然ながら国内最長の街道になります・・まぁ、名付けるのは勝手ですから。

その街道に沿って「にしん街道」という標柱を設置してもらうよう、沿線の市町村に要請しているそうで、そういう「にしんルネッサンス」のネットワークを作ろうとしているんだとか。

そのうち、にしん街道を巡る遍路旅が盛んになって、標柱には「第○○番札所」と併記され、道の駅で集印帳に印判を押してもらうようになるかも知れません。
その場合、「同行ニ人」というのは弘法大師のことではなくて、松浦武四郎でしょう、当然。

今回の旅を象徴するような松浦武四郎、人呼んで「タケちゃんマン」(嘘)が何やらメモを取っている像が立っています。
メモ魔だと思う
番屋をスケッチしているように見えるのは気のせいでしょう。


アメダス探訪「古丹別」の巻(2013/6/8)

古丹別は、「羆嵐」で有名な三毛別へ向かう道路の途中にあります。

小学校の敷地にあるだろうと思ってたら、向かいの駐車場の脇に立っていました。
なぜここに

ここは「古丹別川 水辺の楽校(がっこう)」というらしく、一種の親水公園なんでしょう。
がっこうと読むらしい

積雪深も測っていますが、駐車場の脇だと排気で気温が上がるよなぁ。
危険 レーザー光

公園の小山から小学校を眺めた図
ホントのがっこう


苫前でも一休みして軽食を取り、羽幌へ向かいます。

アメダス探訪「羽幌」の巻(2013/6/8)

羽幌は測候所だった観測所なので、旧庁舎の横に露場があります。
よく目立つ
大昔の測候所は、海岸の断崖の縁に立っていたらしい。

測定要素が多くて視程計や気圧計などもあり、
芝が枯れてるのか刈ったのか

観測データは衛星通信で送信しています。
白い円筒がアンテナ


今は街外れとなった突当りに、かつては羽幌駅がありました。
駅の跡地に壁
右の建物は沿岸バスの羽幌バスターミナルです。

裁判所だった建物を利用しているという、郷土資料館にも寄ってみました。
役場にしては小さいと思った

展示物には羽幌炭鉱や炭鉱鉄道の資料もあり、ニシン漁関係の資料もあり、地元の資産家の資料もありと多種多様ですが、中でも白眉なのがアンモナイトのコレクションです。
三笠にも貸し出してるらしい
田舎の資料館にしては(と言っては失礼ながら)きちんと分類して整然と展示してあり、これはもっと人目に触れなければもったいないと思いました。

道の駅の近くに「北海道海鳥センター」があります。
怪鳥ではない
環境省の施設として整備される前に、有志が「オロロン基金」を創設してオロロン鳥(ウミガラス)の保護活動を行っていたんですが、その頃から会員になってました。入館料が無料だから大したメリットは無いんですけど。


アメダス探訪「初山別」の巻(2013/6/8)

この地名を「はつやまべつ」と読んだ知人がいたなぁ・・地図で見ても付近には建物らしい建物が無くて石碑のマークしか記されてないし、空中写真で見ても線路跡と草原しか見当たらないので、ちょっと疑心暗鬼でした。

国道の脇に少し入って双眼鏡で見ると、間違いなくアメダスの観測所です。
見当は合っていたが
でも、横にあるのは何の建物なのかな?・・太い煙突が立ってるようだけど・・

細い道を進むと疑惑が次第に膨らんで、ありゃりゃ、ひょっとして・・
この煙突は・・

もう、脱力して笑っちゃいましたよ。
こんな施設にあるのは初めてだ

積雪深も測っています。
これは超音波式

周囲は開けているから良いけれど、
開空度は十分

こんな近くで火を焚いたら気温が上がりそう・・
雨量計に灰が降ってきそう・・まさに死の灰が
まぁ、そう頻繁に焚くほどの稼動率じゃないでしょうけど。

石碑かと思ったのは墓石でした。(石の碑には違いない)
敷地には十分な余裕があります

どうせだから、窓から内部を調査すると、玄関から入った中央の部屋に祭壇があり、右側に遺族の控室、左端の作業室にはバーナー室に通じる送風ファンが見え、骨(灰)を掬うシャベルや篩などの専用道具、消火器、ママさんダンプもあります。
専用の道具が色々と
私の頭の中ではもう、「初山別=火葬場」という強固なリンクが出来てしまいました。

昔々田舎に住んでいた頃、日中に使った火の後始末が悪かったのか、夜になって火葬場が炎上してしまいました。
夜が明けてから現場を見に行ったら、建物はすっかり焼け落ちていて、レンガの窯と煙突だけが残っていました・・そりゃぁ、窯や煙突が燃えるようなら火葬は出来ませんよね。

 
少し先の岬は公園になっててロウソクの形をした金比羅岬灯台が立ち、「しょさんべつ天文台」があります。
天文台・・どんなもんだい
アポロ計画で使われた月着陸船をモデルにしたデザインだそうですが、私の目には、足を広げて浜辺に干されている蛸に見えるんですけど。

現代は灯台の光源も高輝度LEDなんだそうで・・航海の安全のためには、電球切れしない方が良いに決まってますから。
それにしても、灯台から22km先まで届くという8500カンデラの眩しい光線を天文台の横で発したら、肉眼の8600倍もの集光力を持つ65cm反射望遠鏡による天体観測の邪魔にならないのか心配です・・灯台下は暗いから平気なの?

ここの地名は「豊岬」・・といえば、沿岸バスの萌えっ子キャラ「豊岬あゆみ」でショ・サンベツ
もったいなくて使えない

展望台からの眺めは確かに絶景領域です。
こっちはみさき台

白い海食崖がドーバー海峡の如し
隆起を続けているということ

遠くまで来たけどまだ午後2時・・今日はどこまで行けるやら。


posted by 雁来 萌 |22:57 | 気象細事記 | コメント(0) |

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