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2005年12月17日

郷土の誇り

毎年、正月の高校サッカー選手権の時期になると思い出すことがある。20年も経ってしまったが。

父は室蘭出身だが、親の転勤や自身の転勤であちこちに引っ越したらしい。退職して落ち着いたので故郷の室蘭に家を建てたけれど、現役中から病気がちで、退職後も自宅よりは病院に入院していた時間の方が長かった。

ある日、見舞いに行ったら父はテレビを見ていた。テレビを見ることや眠ることは病人の仕事だから気にもしなかったのだが、やおらテレビに向かって何か言っている。
「よしっ、行け、ザイゼン!」

病室の小さなテレビを覗き込むと高校サッカーの試合を放送しており、室蘭大谷高校の財前恵一選手がボールを運んでサイドを突破しようとしていた。
父は若い頃から野球ばっかりやってて、サッカーの「サ」の字も知らないくせに、なんで急に高校サッカーよ。しかも財前の名前を知ってるとは、どーゆー知り合いなんだよ?

父が在学していた、旧制・室蘭中学(=現在の室蘭栄高)の卒業アルバムを見たことがある(父の年令が知られることは、私の年令も知られてしまう心配がある)が、部活動紹介のページに蹴球部のセピア色の写真も載っていた。足にはストッキングじゃなくてゲートルを巻いてる!ことは、大日本帝国のローカルルールだったとして容認するしかない。
そんな時代から、室蘭はサッカーの街だったのかぃ?・・サッカー以前に、軍港を抱えた軍事工場の街であり、「鉄の街」であるのだが。

その室蘭で育った父は、当然大谷高校を応援するから、地元のヒーローである財前選手を知っていても不思議ではないのだな。後で知ったのだが、室蘭市民であれば、サッカーは知らなくても財前兄弟の名前は知っていた。

その財前(兄)さんが、うちのチームでペレイラやアルシンドと一緒にプレイし、引退してユースチームの監督になろうとは、お釈迦様 はちまんさま(室蘭八幡宮のこと)でもご存知なかっただろうに。


posted by 雁来 萌 |00:09 | 思い出話 | コメント(0) |

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