2012年12月02日
ライアンと蝶とフラミンゴ
かなり昔、テレビで「プライベート・ライアン」という映画を放映してました。 音響のサラウンド効果を効かせ過ぎで、ちょっと喧しかったことが印象に残っています。 ストーリーは: 第二次大戦中に、ライアン家では4人兄弟のうちの3人が既に戦死してしまっており、4人目も含めて息子が全員戦死したなんてことを母親に報告するような事態はマズいとの配慮もあって、「ライアンを本国に帰還させよ」との命令が下されました。 たった1人の兵士(ライアン上等兵)を救うために、8人からなる救出チームが編成されて前線へ向かい、結局は本人を救出できたんだけど、そのために犠牲になった兵士もいる、というストーリーでした、確か。
所と時代が変わって、檻から脱走脱出したフラミンゴを救出(と言いながら実際は捕獲)するために様々な方策が講じられ、しまいには囮(おとり)のフラミンゴをケージに入れておびき寄せるという、鮎の友釣り紛いの卑劣な手段も試みられました。 1羽のフラミンゴを捕獲するために数羽のフラミンゴが連れてこられ、仲間を誘引するためにケージに入れられているとは露知らず・・と思ったら大間違い、囮にさせられたフラミンゴは必死になって叫んでいたに違いありません。 (フラミンゴの言葉で) 「これは罠だ、近寄っちゃいかん!」 「二度と人間なんかに騙されるな!」 「犠牲をこれ以上増やしたくない!」 「俺達には構わずに遠くへ逃げろ!」 ニュース記事などでは、「囮のフラミンゴと鳴き交わしていた」とか「囮への関心も薄れてきた」などと表現されていましたが、その解釈は人間側の勝手な思い込みに過ぎません。 自分達が狐?に襲われて命を落とすことをも省みずに説得を続けた結果、仲間は説得に応じて後ろ羽根を引かれる思いで立ち去った一方、ケージの中で叫び続けた囮は犠牲となったのです。 脱出に成功したフラミンゴは自ら勝ち取った自由を謳歌し、誰にも拘束されない気ままな諸国漫遊の旅を楽しんでいます。 野生の世界だから天敵もいるし、冬になったら寒いし、餌を採れなければ空腹にもなるし、餓死する恐れさえあります。 しかしながら、一生食うに困らないとはいえ檻の中に監禁されての生活と、腹は減るけれど行きたい所に飛んで行けて見識を広げられる生活と、当のフラミンゴにとってどっちが幸せなのか、人間が勝手に決めつけて強制する事ではないはずです。 鳥の専門家によると、紋別コムケ湖と小樽とを結ぶラインは渡り鳥の通り道なんだそうです。 コムケ湖を飛び立った渡り鳥が旭川を経由し、石狩川の流域沿いに南下して小樽市の海岸で観察されるんだそうで、旭川→小樽→紋別というルートは不思議でも何でもないらしいです・・ただしヨーロッパフラミンゴが北海道の渡りのルートを知っていたかどうかは謎ですが。 三岸好太郎が描いた絵に「飛ぶ蝶」という作品があって、標本箱の中に虫ピンで止められた蝶が6匹・・と思ったらそのうちの1匹は虫ピンをはねのけて飛んで行く、という構図になっています。 人間に捕まった蝶は殺されて標本(=晒し者)にされてしまいますが、その死体は美しいまま保存されます。 一方、飛んで行った蝶はやがて鳥に食べられるか死んで腐敗するかして、醜い屍どころか形も残りません。 蝶自身はどっちを選びたいのか想像し・・たって、蝶は人間に捕まったら展肢台の上で磔にされることさえ知らないんですから、正しい推測は出来ません。 都会に住んでる人は人工物に囲まれて暮らしているから、人間は何でも出来るものだと錯覚してしまいます。 色々と工夫して新しい技術を使えば、自然を征服できるような勘違いをしてしまいがちです。 万物の霊長などと思い上がって、自分達が決めたように思うがままに変えられる、という観念を無意識のうちに自家培養してるように見えるんですけど。 知人のお父さんが嘆いていたそうです。流氷観光だというのに、 ハイヒールにミニスカートで来る人 防寒服と長靴を用意しておけと言う人 運転経験のない冬道をレンタカーに夏服でくる人 流氷が見られるようにしてくれと頼む人 ↑ウエットスーツを着せて沖まで泳がせれば?
あおい輝彦、スペイン、ビゼー、カルメン・・ ・・それはフラメンコだろっ! フラメンゴに所属してたコンサドーレ戦士はたくさんいるけどな。
posted by 雁来 萌 |21:03 | 雑念 | コメント(0) |
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