2012年08月31日
地震や強風も測る雨量計
この時間は予定を変更して(笑)、地震に関連して起こった超常現象を紹介します。 2012年8月25日の23時16分頃、十勝地方南部を震源とするマグニチュード5.9の地震がありました。 大きな地震が起こると、雨が降っていないのに雨量計で信号をカウントしてしまうことがあります。 雨量計の構造は観測機器の説明に書いてあるように、「転倒ます」というカップに一定量の降水が溜まると、「ししおどし」というかシーソーみたいに倒れるようなっていて、倒れる時に電気信号を出します。
アメダスの降水量分布図は日にちが経つと見れなくなるので、北海道南西部の画像を保存しておきました。 8月25日23時:占冠で1.5mm 8月25日24時:あちこちで0.5mm 8月26日01時:笹山で1.5mm つまり24時の雨量(23:00~24:00に降った雨)だけ、渡島から十勝にかけての多くの地点で信号をカウントしています。 雨量計が土台の地面ごと揺すられて、転倒ますが余分に倒れたものと推測されます。 降水量分布図を下の震度分布図と比較してみると、偽の雨量信号をカウントした地点は揺れが大きかった地域に対応しています。 この日は実際に弱い雨も降っていたらしく、降雨によるカウントと地震によるカウントとの識別は難しいので、「レーダー・ナウキャスト」の画像も調べてみました。 8月25日23時15分 8月25日23時20分 23時15分と23時20分の画像を比べても特に違いは認められないので、降水現象には変化が無かったと考えられます。 雨量信号をカウントした時間帯を詳しく調べるため、過去の気象データ検索ページで、例えば支笏湖畔における8月25日の10分ごとの値を見ると、ちょうど23時20分に0.5mmの信号をカウントしています。 他にも、登別や上富良野、鹿追、糠内、留真、大沼、川汲で、見事に同じ時刻に0.5mmの信号をカウントしており、これは自然に起こる降水現象だとは考えられません。 一方、鵡川や三石、中杵臼、帯広泉では、複数の信号が入ったのかデータ通信の障害なのか、23時10分以降は欠測とされています。 国土交通省の「川の防災情報」ページに「観測データについてのお知らせ一覧」(北海道分)というページがあるんですが、北海道などが設置している雨量計でも、帯広・札幌・室蘭・函館方面では信号をカウントしました。 もう削除されちゃったけど、「8月25日23時16分に発生した十勝地方南部の地震の影響により、次の○○管内の各雨量観測所において観測された23時20分の値は異常値と思われます。」という情報文が発表されていました。 このような地震の振動のみならず、強風が吹いた場合にも雨量計が揺すられて、偽の雨量信号をカウントする場合があります。
posted by 雁来 萌 |20:25 | 気象細事記 | コメント(0) |
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