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2008年06月12日

守備再建は、選手が良いイメージをもてるかどうか -三浦サッカー考。その8-

守備崩壊の原因は、DFラインだけのせいではないですが、
柏戦の吉弘のプレイを見ると消極的なプレイをしているようにも見えてしまいます。

開幕から、DFラインがここまでもたついている一因は、それが全てとは思いませんが、
恐らく相手を0で抑えたという成功体験がないからではないかと私は思っています。
ゾーンディフェンスをするときに相手にどこまで付いていくか、どこでマークを放すかなど、
具体的に相手を抑えるイメージが出来ず、それが自信の喪失に繋がっているのではないでしょうか。

日本では軽視されがちなイメージトレーニングですが、
良いイメージを持つことは、プレイをする上で非常に重要なことです。
そして、具体的にイメージできることは、実際にすることができますし、
自分の中にイメージさえあれば、次の動きに対応することも出来ます。
(※逆に、イメージがないと想定外なので次の動きが遅れます。
世の中には、それに本能的に反射してくる人もいますけれど(笑))


空手でいうなら、まず相手に勝つイメージを持つこと。ネガティブな気持ちが
少しでもあると相手に気圧されてしまう。
試合などで、必要以上に大声を出したりして相手を威嚇する人がいるのはこのためです。
ただ、威嚇するのは実は自分がびびっていることの裏返しでもあるので、
本当に強い人は、平常心で動じませんけれど(笑)
どちらにしても相手に雰囲気で飲み込まれたら、勝てるものも勝てません。

頭の中で具体的に細かく動きが想定できることは、大体実際にやってもできます。
私がよくやったのは、頭の中でコンビネーションを考えたり、
相手がこうきたら自分はこう動くというのを予め複数考えておきます。
そして、試合中は常に相手の次の動きを想定しながら動きます。
走り高飛びの選手も、自分のフォームをイメージしてから飛びます。
逆に、空を飛ぶところをイメージしろといわれても、具体的にどうやったら
空を飛べるかイメージできませんから、飛べません(笑)。
(※具体性を伴わずに、空想するだけなら容易ですが(笑)。)
空を飛べないまでも、ボールをきちんと投げられない人は、
恐らく自分がボールを投げる具体的なイメージがもてないと思います。

ですから、良い手本を見て自らのイメージが修正できれば、
考えるだけで練習せずに良い状態になることもできます。
ただ、具体的にどこの筋肉をどう動かすかくらいまで想定できないと実際は動けないので、
例えば、素人がダルビッシュの投球フォームを頭でイメージできたとしても、
ダルビッシュになれるわけではありません。
しかし、ある程度、自分に経験と成功体験がある場合は、良い状態に
もっていくことはより容易になります。
従って、プロの選手はスランプになると上手くいっている時の試合のビデオを見たりして、
よい時の自分のイメージを取り戻そうとするわけです。


最近のDFラインは、坪内、吉弘、柴田、平岡と昨季のレギュラーDFは一人もいなかった。
つまり、昨年のJ2時代の堅守の成功体験を全く持っていないわけです。
彼ら自身に、この三浦監督の戦術で今まで0で抑えた良いイメージがないので、
そこに戻ることすらできません。
そこがなかなかうまく守備が機能しない一つの原因ではないかと思うのです。

上手く機能させるためには、早く成功体験をして精神的な拠り所を作るのが一番ですが、
それが今は出来ない以上、
成功体験をもつ昨季のメンバーが復帰するのが建て直しには一番効果的で、
次点は、自信を深められるくらいに反復練習をして自分の頭に
良いイメージを植えつけるしかないのではないでしょうか。


どちらにしても、@2週間の中断期間がありますから、怪我人の復帰と練習によって
良いイメージを選手たちが持てるようになれば、守備の再建も見えてくるのではないでしょうか。

posted by whiteowl |12:00 | Consadole Sapporo | コメント(4) | トラックバック(1)