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2018年09月20日

九州の醤油

九州の醤油は甘く、特に鹿児島や宮崎は非常に甘い(塩分が少ないという甘さではなく、添加された甘味料の甘さ)というのは良く知っていますが、福岡など、九州北部はどれくらい甘いのか、よくわかってなかったので、調べてみました。
結論から言うこと、普通の醤油もあるものの、鹿児島や宮崎と同じような激甘な製品が多く出回っているようで、びっくりしました。

福岡の甘い醤油・人気メーカー11選の中から、薄口醤油などの特殊なのを除いた9種のうち、原材料が判明した8種を見てみました。なお、塩とカラメルは省略しています。

マルヱ丸大豆 (福岡県みやま市)
大豆・小麦・アルコール

吉野杉樽天然醸造フンドーキン (大分県別府市)
大豆・小麦

ジョーキョウ本醸造うまくち (福岡市)
脱脂加工大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・アルコール

ヤマタカこいくち (福岡市)
脱脂加工大豆・大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・甘草・ステビア

ニビシ特級うまくち (福岡県古賀市)
脱脂加工大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・アルコール・みりん・甘草・ステビア

ヤマニ吟上あまくち (北九州市)
脱脂加工大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・甘草・ステビア・サッカリン・パラベン・ビタミンB1・発酵調味料

ゑびす甘口吟上 (福岡県筑紫野市)
脱脂加工大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・甘草・ステビア・サッカリン・パラベン・ビタミンB1・キサンタンガム

ヤマエ久野濃口醤油上級あまくちむらさき (宮崎県都城市)
脱脂加工大豆・小麦・ブドウ糖・アミノ酸・甘草・ステビア・サッカリン・パラベン・ビタミンB1

というわけで、8つのうち、正統なのは2つしかありません。
残り6つは何らかの甘味料とアミノ酸が添加されているし、しかも、そのうち3つはサッカリンとパラベンまで入っているんですよ。

この現状を嘆く九州人はいないのか、不思議に思ってます。

posted by かもめ |10:48 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年02月19日

再び「三たて」の茹でたて

津軽ソバのような例外を除くと、ソバは茹でたてが一番に決まっていると思っていましたが、面白い話を読みました。

21年前に閉店した有楽町更科の四代目、藤村和夫さんの著書「蕎麦屋のしきたり」では、「更科蕎麦の茹でタテは、全く美味しくありません」「水が切れるまで待っていなくてはなりません」「早くメシャガりたければ種物(温かい汁もの)が無難です」「箸でほぐし、ときどきつまんでゆっくり一杯やるのが最高です」と書かれています。

更科蕎麦は、1番粉(中心部分のデンプン質が多い粉)で、しかも小麦粉をつなぎを使うので、伸びにくいソバだそうですから、こういうことが言えるようです。

事実、藪は出前をしないけど、更科は(現在は違うと思いますが)出前が主体のお店ということで、伸びにくいソバだというのは納得です。

もっとも、具体的に何分後が良いのかはっきり書いてないし、著書にも「ご自分の好みまで・・・」と書かれています。
たぶん、5分とか10分とかいうレベルでしょうし、何時間たっても美味しというはずはないし、いずれにしても、伸びてしまったソバは美味しいわけではないですから、その程度の待ち時間でしたら「茹でタテ」の範疇に入ると言えなくもないと思います。

使う粉によって、伸びるのが早い・遅いがあるのを知った点では、この本はとても勉強になりました。

わざわざ待つこともないと思いますし、「白いソバはゆっくり食べても良い」くらいに考えて良いのではないでしょうか。

1番粉+つなぎに小麦粉を2割入れた白いソバです。
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やっぱり私は黒いソバの方が好きですね。


posted by かもめ |10:52 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年02月17日

本当に新ソバは美味しいのか?

新ソバが美味しいとされていますが、本当に新ソバは美味しいのでしょうか?
私は新ソバが美味しいと感じたことがありません。
それなのに、新ソバがもてはやされているので、自分は味覚音痴なのだろうかとも悩みました。

ソバに詳しい片山虎之助さんの本には「冷蔵庫のない時代は夏場はソバの風味が落ち、新ソバが出ると大変喜ばれたはずだが、保存性がよくなった現在は夏になっても新ソバに負けないソバを味わうことができる」と書いてあります。

こちらでも同じようなことが書かれています。

また、実は新ソバよりも2~3か月たったソバの方が美味しいと、多くのソバ職人が認めているそうです。
たしかにカボチャやサツマイモなど、2~3か月たった方が甘みが増して美味しくなるものもありますよね。
夏の方が美味いとか、2年たったソバが美味いという意見もあるようです。

しかし、そばもん「新そば」の巻では、新ソバは肯定的に描かれていますね。
ただし、「乾燥機で熱風乾燥させたら香りが飛び、新ソバの意味がなくなる」と書いてあります。

美味しんぼも新ソバは肯定的で「真夏のそば」の題名だったと思いますが、ソバが美味しくない時期の夏なのに美味しいソバがあって、不思議に思ったら、そのソバは日本と季節が反対のタスマニア産のソバ粉なので新ソバだったという話でしたが、30年くらい前の話ですから、その頃はまだ夏場は味が落ちていたかも知れませんね。

そういえば、お米も、昔は新米と新米が出る前のお米の味の差は大きかったけど、最近は昔ほどの差がないように感じます。
保存技術が向上したせいでしょうか。

posted by かもめ |10:07 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年02月11日

ソバは茹でたてが一番か

今日は「三たて」の最後、「茹でたて」です。

ソバは茹でてから時間がたつと伸びて美味しくなくなるのは言うまでもない常識中の常識で、茹でたてが良いに決まってますよね。

茹で置きでも平気な人もいるでしょうけど、茹で置きの方が好きという人がいたとしたら例外中の例外です。
立ち食いソバや学食などは、仕方なく茹で置きで提供するわけで、「茹で置きの方が美味しい」などということはありえないと思っていました。
しかし、例外もあるようです。

ソバに詳しい片山虎之助さんが、ご近所の青森出身の人からソバをいただいたのですが、それは、青森在住の妹さんが作って宅配便で送ってきたとのことですが、当然、生のソバだと思ったら、茹でてあるソバでびっくり。
茹で置きソバなので落胆したものの、捨てるのも失礼だから試にかけそばで食べてみたら、たしかに柔らかくて歯ごたえはないものの、味わい深くて美味しかったとか。

片山さんの本にはそこまでしか書いてなかったのですが、調べてみたら、弘前地方には津軽そばというのがあって、つなぎに大豆を使うとか。
そして、あえて茹で置きで食べるそうで、半日は置いておくそうです。
もりではなくかけで食べるそうです。

茹で置きでも美味しいのは、大豆をつなぎに使うのが関係しているかも知れませんが、いずれにしても、茹で置きで食べるのが一般的というのは不思議です。
茹でたてならもっと美味しいのではないかと思ったりもしたんですが、どうも大豆つなぎの場合は茹でおきの方が美味しいとか。

私は読んだことがありませんが、美味しんぼの青森編にも津軽ソバが登場すると、弘前出身の知人に教えてもらいました。

函館にかね久山田という大豆つなぎの蕎麦屋があります。
お店は津軽ソバであることは秘密にしているそうですけど。
6年前に食べたときは歯ごたえは普通だったと記憶しているので、茹でおきではないように思います。
あまり美味しく感じなかったけど、茹でおいたら美味しいのかも。


ちなみに、乾麺ですけど、茹で置き用のソバがあるのですね。
グルテンが添加されていて、茹で置いても腰があるのでしょうか。
ソバ粉よりも小麦粉の方が多いから、食べてみたいとは思いませんが。

posted by かもめ |13:06 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2015年02月10日

ソバは打ちたてが美味しいのか?

美味しんぼの「そばツユの深味」は、こちらでアニメが見れます。是非ご覧ください。
「大木屋」というソバ屋が登場しますが、浅草の並木藪蕎麦がモデルです。

さて、今日は「打ちたて」についてです。
私は片山虎之助さんの本を読んだ最近まで知らなかったのですが、業界では打った直後のソバは「包丁下」と呼ばれ、美味しくないのが常識なんだとか。
打ちたてだと、茹でるときに浮き上がって生煮えになりやすいとか。
たしかに私の経験でも、打ちたては浮き上がりやすいと思います。
打ってからどれくらい時間をおくのが良いのか、本やネットで調べたら、「30分」「1時間」「2~3時間」「6時間」「夏は15分・冬は20~30分」など、さまざまです。

一夜そばという、一晩おいて美味しくなったという意味の業界用語もあります。

熟成ソバという用語もあるようで、二晩おくと美味しいという考えもあるようです。

業界では常識なのになぜ「三たて」を謳う店や地域が少なくないのか?
会津も「三たて」を謳う地方だそうですが、しかし、会津では打ちたてを指す時間の範囲が長く、ある程度時間が経過していても「打ちたて」と言い、包丁下というわけではないとか。

しかし、昨日紹介した、「みたて」(休業中)や十割蕎麦本舗(廃業)は、客が来てから挽くわけですから、当然、もろに打ちたての包丁下ということになります。
業界の常識を知らないのか? あるいは知っているけど客寄せのうたい文句にしたいからなのか? 

以前、あるソバ屋へ行ったところ、昼の遅い時間だったため、「今朝打ったのがなくなり、追加して打ったので、打ちたてですよ。」とお店の人に自慢げに言われました。
その人は包丁下は美味しくないことを知らないのですね。
私も当時は知らず、追い打ちを喜んで食べました(笑

片山虎之助さんの体験を紹介すると、よく地方のソバ店から生のソバを取り寄せて食べていたのですが、あるときお店まで行って食べました。
取り寄せだと打った翌日のものになるけど、お店では打ったその日のだから当然美味しいと思ったら、味が薄く感じ、ためしにお店に頼んでその日に打ったのを翌日まで置いて、翌日茹でて食べさせてもらったところ、いつもと同じ豊かなうまみを感じたとか。

そういえば、ラーメンは製麺してから1週間くらい寝かせて熟成した方が美味しいということで、そうやっているお店が少なくないですよね。
ソバも多少、そういうところがあようですね。

でも、私は一度、打って6時間経過したのと打って直ぐのとを食べ比べたことがありますが、違いはわかりませんでした。
それほど大きな違いではないということでしょうか。
自分で実際に確かめてみないと気がすまないので今後、研究をかさねて行きたいと思います。

posted by かもめ |09:36 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2015年02月09日

ソバは「三たて」が本当に美味しいのか?

ソバは挽きたて・打ちたて・茹でたての「三たて」が美味しいと言われていますよね。
みたてという屋号のソバ屋もあるくらいです。(休業中みたいですが)

でも意外にも、実は必ずしも三たてが美味しいとは限らないようです。

今日は「挽きたて」について書きたいと思います。

ご存じのようにソバ粉はソバの実の殻を取り、挽いて粉にします。
製粉したのなら、なるべく早く打つ必要があります。
製粉してから何か月もたった粉、特に高温多湿状態で保管したソバ粉だと美味しくないし、そもそも打つことが困難(打っても短く切れてしまう)と言われています。
そういう意味ではたしかに「挽きたて」が良いのですが、しかし、挽いた直後のは美味しくなく、一晩おいた方が美味しいと言っているソバ職人が多いそうです。
小麦粉も同様で、製粉してから少し寝かせた方が、パンがよく膨らみ、美味しくなるとか。

上記「みたて」さんとか、以前紹介した、旭川に存在した「十割蕎麦本舗」などは、客が注文してから挽きますが、意味がない、いや、かえって美味しくないソバになるわけですね。

しかも、挽く時間、客の待ち時間が長くなってしまうし、十割蕎麦本舗は店内にミルがあったので、騒音で落ち着かなかったです

三たてを謳うお店や地方は少なからずありますが、「〇〇たて」の範囲が、どれくらいなのか明確ではないでしょうし、必ずしも「直後」ではないでしょうから、一概に三たてがダメというわけではありません。


ところで、和寒に新種のクマがいると話題になっているようです。この写真はいくつかのブログで使用されているものです。
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実物を見に行こうと思って昨日、山に行こうとしたら林道は雪で入れませんでした。
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春になったら探しに行きます。


posted by かもめ |11:06 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年02月08日

ソバをつゆにどっぷり漬けてはいけないのか?

ソバはつゆにどっぷり漬けずに、少しだけ漬けるのが良いとされ、落語にもありますが、本当にそれが美味しいのでしょか?
それが粋だからというだけで、実際は美味しくないと、ほとんどの人は考えていると思います。

ではなぜ、どっぷり漬けるのがダメと言う考えがあるのか、それは、ソバの香りがしなくなるからとされています。
東京(というか、関東と言ったらいいか)のソバは、白くて細いソバが主流です。
ソバの実の外側を沢山削って、中心に近い部分の粉を使っているので白いのですが、そういうソバは香りが少ないのです。
外側のソバ粉も含む、黒っぽいソバなら香りが強いので、つゆにどっぷり漬けても良いのです。

もう一つ理由があります。
東京(関東)では、そばつゆが濃い目(しょっぱい)です。
北海道でも、大丸に入っている布屋太兵衛はかなり濃いですね。

だから、どっぷり漬けるとしょっぱいので、どっぷり漬けない方が良いのです。
しかも、東京(関東)のソバは細いから、表面積/体積比が高く、よりしょっぱくなりやすいのです。

先日紹介した浅草の並木藪蕎麦は、東京で一番辛い(しょっぱい)つゆだと言われています。(ということは日本一辛い?)
なので、どっぷり漬けるとしょっぱくて美味しくないと言われています。
たしか、美味しんぼで「そばつゆ」の話のとき、某有名店というのは並木藪蕎麦がモデルだったかと思います。

でも、塩分のバランスが合っているのなら、少しだけ濃いつゆに漬けるスタイルは、本当に美味しいものなのか、私は疑問です。
つゆに浸かっていない部分が多いと、ぱさついて食べにくいと思います。
ソバ全体が均一な味でなく、口のなかでしょっぱい部分と塩分の少ない部分に分かれているのもなんだかあずましくありません。
それに、だし(鰹節、または鰹節+鯖節など)が不足します。
江戸時代のソバつゆは鰹節を使わない「精進つゆ」と鰹節を使った「生臭つゆ」の2種類が存在したそうですが、やはり鰹だしがしっかり効いた方が美味しいと思います。

だから、あまり濃くないつゆにどっぷり漬けるのが一番美味しいと私は思います。

そもそも、ソバの香りって、そんなに重要でしょうか?
昔、冷蔵庫がない時代は夏場、味が落ちたソバは香りもしなかったので、ソバの良い香りは美味しいソバの証拠でもあったと思いますが、現在は季節でそれほどソバの味は変わりませんから、ソバの香りをありがたく思うこともないと思います。
香りよりも味や歯ごたえ、のどごしなど、他の要素の方が重要だと思います。
わずかな香りを重視するあまり、他の要素を犠牲にするのはトータルではマイナスだと思います。

どのくらいソバをつゆに漬けるかの適量は、そばやつゆによって変わってくるので、結局は食べてみて一番美味しいと感じる程度に調整するのが良いのです。

粋がって無理に少量にするなんてナンセンスで、特に田舎ソバでそれをやるのは愚の骨頂です。

posted by かもめ |12:56 | 料理の神髄 | コメント(5) |

2015年02月07日

生粉打ち(十割ソバ)が一番?

すでに江戸時代から生粉打ち(十割ソバ)が人気があり、つなぎに小麦粉を入れたソバは評価が低かったそうです。

たしかにソバ粉100%だと打つのに技術がいります。
上手に打たないと切れて短くなってしまうのです。
(客に出すのでなければ切れてもさほど問題ないのですけど)

でも、本当にソバ粉100%が、つなぎ入りよりも美味しいのか?

もちろん、スーパーで売っているような、ソバ粉よりも小麦粉の方が多い代物は論外ですよ。
ここで言う「つなぎ入りソバ」は、ソバ粉8割程度(最低でも7割)のものを指します。

片山虎之介さんが書いた「蕎麦屋の常識・非常識」という本には静岡の宮本さんという有名店のご主人の話が紹介されています。
「目標としているのは、のどごし、香り、味のすべてが揃ったソバ。生粉打ちではできない。」と、つなぎを入れた方がむしろ美味しいと考えています。

名人とまで言われている達磨の高橋さんは二八(8割ソバ)で打つそうです。

ちなみに、札幌の喜香庵さんや正直庵さんは達磨で修業されています。

私はこの2か月ほど、ほとんど毎日ソバを打っていますが、ニ八に落ち着いてきました。
味は生粉打ちも二八もほとんどかわらず、二八の方が切れにくいからです。

結論です。ソバ粉の割合が一定以上あれば、8割とか10割とかはそれほど問題ではないと思います。
それよりも、上手に打って上手に茹で、美味いつゆであることが重要だと思います。

もちろん、十割ソバも美味しいとは思いますけど、つなぎ入りよりも十割ソバがランクが高いなどと十割ソバをもてはやすのはナンセンスではないかと思います。

じゃあ、江戸時代の生粉打ち人気は何だったのかと言えば、江戸時代はソバ粉よりも小麦粉のほうがはるかに多い、とんでもないソバが多く、本当の(八二でなく)二八、つまり、ソバ粉2割・小麦粉8割が当たり前だったからだと思います。
10割まで行かずとも、8割で十分なのです。

posted by かもめ |16:34 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2015年02月06日

ソバの歴史

ソバは海外でも食べられ、ロシアや東欧などで粥やピラフにしますし、フランスのガレットなども有名ですよね。
ソバや中国南部原産らしいですけど、日本では縄文時代、すでに栽培されていたようです。
古来、そばがきやソバ餅、粥(雑炊)などとして食べられていたそうです。私もソバ粥(雑炊)は大好きです。

麺の形状のソバ切りは室町末期の頃、長野が発祥と言われているようです。
江戸中期には全国に広まり、江戸っ子もソバの食べ歩きを楽しんだようで、1751年には「蕎麦全書」という本まで出たほどです。
蕎麦全書によると、当時すでに江戸では蕎麦屋間の競争が激しく、味以外にも特色を出すため、器に凝ったり、庭に凝ったりする店も少なくなかったとか。

幕末には江戸に4000軒もソバ屋があったそうです。屋台も含めると、もっと多くなります。
江戸の人口は200万人ほどでしたから、人口500人に1軒ですね。
本当に4000軒もあったのか信じられない気持ちです。札幌に4000軒もありません。
食べログランキングにある札幌のソバ屋は449軒です。
まあ、江戸時代はソバ屋以外の飲食店が少なかったからソバ屋が多いのでしょうけど、それにしても多いですね。

しかし、どうして関西などではソバ文化が発達しなかったのか、不思議ですね。


浅草にある並木藪蕎麦
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以前、たまたまお店の前を通りかかったのですが、時間がなくて寄れませんでした。 藪蕎麦御三家の一つの超有名店で、ここで食べないでソバを語ることはできません。(語ってるじゃないかって) 雷門の近くですから、浅草観光のついでに寄ると良いと思います。 「この店を知らずにソバの歴史は語れない」としては、横浜にある角平という鴨せいろ発祥の店も外せません。 4年前、平塚で試合を見た後に食べたのを以前紹介しています


posted by かもめ |15:18 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年02月05日

ソバ屋の屋号に「庵」が多いわけ

ソバ屋の屋号は「庵」が付くのが多いですよね。
私が好きなソバ屋も庵が付くお店が多いです。
札幌の喜香庵、旭川の正月庵きっぽう庵、士別の吉祥庵、栗山の北の錦の錦水庵など。
うどん屋で庵が付く店(ほくほく庵)もありますが。

蕎麦屋ではないのに「○○庵」という施設があると、蕎麦屋かと誤解してしまうほどですね。

なぜ庵が多いのかは、以前書いたかも知れませんが、昔、お寺で精進料理としてソバを出すことがよくあったのが関係しているとか。と、札幌の西町にあった古一というソバ屋さんから聞いたのですが、そういえば深大寺そばが有名だし・・などと思ったものの、それ以上詳しいことはわからなかったのですが、調べたらわかりました。

「蕎麦屋の常識・非常識」という本に書いてありました。

江戸時代、浅草の道光寺で参拝に来た檀家にソバを振る舞ったところ評判になり、やがてソバ目当ての人で大賑わいになり、お寺なのかソバ屋なのかわからない状態になったとか。

それにあやかってソバ屋の屋号に「庵」が使われるようになったみたいですね。

その後、道光寺は深大寺に移転したようですが、本業がおろそかになるということでソバ打ち禁止になり、その碑があるそうです。こちらで紹介されています。

その本には他にも面白いこと、ためになることが沢山載っているので、徐々に紹介したいと思います。

posted by かもめ |15:24 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2015年01月21日

調味料の比重

古い記事に写真を追加したら新着のに載ってしまいました。(新潟交通電車線)
以前はそんなことなかったと思うのですが。

さて、料理の世界では、「小さじ」「大さじ」「カップ」「合」「升」「斗」「石」「匁」「貫」など、メートル法とは違う単位が使われています。(オンスやポンドなどもありますが、それはおいといて)
それがダメとは言いませんが、しかし、大さじ1が15mlで、醤油とみりんは大さじ1を重量に換算すると18gというのは疑問に思っていました。
醤油はまだしも、みりんの比重1.2というのは本当かと思っていました。
みりんと似たようなものの酒が15g(比重1.0)というのは信じられませんでした。

科学的検証が好きな私ですから(いや、疑い深い性格だからか)、実際に試してみないと気が済まなくなり、実測してみました。

まずは計量カップで醤油15mlの重量を測ります。
その前に、その計量カップの目盛が正しいか、水で確かめます。
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たしかに15gです。 みりんを同じ目盛りまで入れると、本当に18gでした。
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誤差を少なくするためにワインの小瓶で追試しました。 水が210gだと、
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醤油は248gで、比重が1.18で、大さじ1なら17.7gになります。 同様に みりん 17.4g 酢 15.4g 酒 15.0g ということになりました。 醤油とみりんが大さじ1で18gというのは、醤油はほぼ正しい数字だし、みりんはちょっと誤差がありますが、だいたい正しい数字のようです。 酒とみりんは基本、同じものなのに、本当にこんなに比重が違うのは驚きです。 それだけみりんはうまみ成分などがたっぷり入っているということなのでしょう。 みりんの偉大さを再認識しました。実験してよかったです。 ついでに焼酎も測ったら、やはりアルコールが多いせいか、14.5gでした。
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鹿児島の芋焼酎、25度です。 40度のウイスキーは14.3gでした。
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竹鶴さんが晩年、毎日飲んだのはこのハイニッカだったとか。 それにしても、ウイスキーが軽い(比重0.95)ということは、ペットボトルに入れて携帯しておけば、船が難破しても浮になるし、低体温症の防止にも役立つかも。 タイタニックの事故で、2時間も冷たい海水に浸かっていたのにもかかわらず助かった人は酒を飲んでいたからだと言われていますね。 逆に比重の重い調味料は、かえしだと思って測定しました。 醤油とみりんに砂糖を入れ、さらに加熱して、多少煮詰まるので重くなり、大さじ1が18.3gでした。
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しかし、もっと重い調味料がありました。 ナンプラーは18.5g、オイスターソースは18.7gもありました。 (計測に使った量はナンプラー15ml、オイスターソース60mlなので、特にナンプラーは誤差があるかも) とんかつソースは17.7gでした。


posted by かもめ |08:42 | 料理の神髄 | コメント(2) |

2013年12月26日

料理のセンス

以前私が住んで某町に、3セクの温泉宿があります。

そこのレストランが、ようやく禁煙になったので6月にタケノコ採りに行った際、利用してみました。
1,050円で豪華な季節限定御膳がありました。
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一見、豪華でお得かと思ったのですが、ひどい代物でした。 おかずが何種類もあるのですが、どれもしょっぱいのです。 それなのに白いご飯がありません。 ご飯ものは、これまた味付けの濃い鮭飯だけです。 どうやって佃煮を食べればいいのでしょうか? よっぽど別にライスを注文しようかと思いました。 (そうすべきでした) 相当がっかりしました。 これは料理の上手下手以前の問題で、基本的料理のセンスがないのでしょう。 なお、鮭飯はご飯が柔らかくてべちゃべちゃでしたし、酢がきつすぎでした。 ホタテを炒めたものはニンニクが効きすぎ。 美味しいのは味噌汁だけでした。 アンケート用紙に問題点を書いておきました。 で、今週月曜に懲りずにまた行きました。 いや、懲りてはいるのだけど、私ががっかりする分には我慢できるけど、遠くから来た観光客に嫌な思いをさせたくないので、改善しているかどうか確かめに、また行きました。 今度はホタテチャーハンにしました。
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またもしょっぱすぎ。 某町議さんと一緒に行ったのですが、彼は中華丼でしたが、これもしょっぱいとのこと。 しょっぱいのはまだ序の口です。 ホタテチャーハンなのに、ひき肉がたっぷり入っているのです。 もちろんホタテもたっぷり入っています。 ホタテと豚肉が喧嘩して、何チャーハンだかわからなくなります。 というか、豚肉が勝って、ホタテの味がスポイルされてしまってます。 ホタテだけでは十分ダシがでないなら、肉エキスとかチキンブイヨンとか洋風だしとか貝柱だしとか使うのは良いのですが、肉そのものを入れるとは信じられません。 本当に料理の上手下手以前の、基本的なことがわかってないシェフです。 料理のセンスがこれほどないのなら、料理人失格です。 値段だけは1流(950円)で、味は3流以下だと、観光客が怒りますよ。 支配人に手紙を出しましたので、改善することを期待しています。


posted by かもめ |18:59 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2013年08月01日

ごまだれと浅漬けの素

無添加(化学調味料フリー)のごまだれは、多少は市販されていますが、どこのスーパーにもあるものではなく、切らしてしまったとき「前回はどこで買ったのか?」と、わからなくなって困ってしまうことがしばしばだったし、無添加のものも、酸味がきつかったり、なかなか気に入ったものがないのが実情で、最近は自作しています。
冷やし中華の素と同様、みりんを入れて砂糖を少なくしています。

すりごま 大さじ3(27g)
醤油 大さじ2(36g)
酒 大さじ1(15g)
みりん 大さじ1(18g)
砂糖 大さじ1(9g)
みそ 小さじ1(6g)
マヨネーズ 大さじ2(36g)
生姜 小さじ1(6g)
レモン汁 大さじ1(15g)
ごま油 小さじ1(4g)
だし(粉末かつおだし等) 適量

みそは、あれば白みそを使いましょう。
ごま油の代わりに練りごまを大さじ2くらい入れると、さらに高級感が増します。
酒+みりんの割合は冷やし中華のタレよりは少ないし、保存性を考えるとアルコールを飛ばさなくて良いです。

ルッコラと蒸し鶏を少量のマヨネーズと醤油で和え、ごまだれをかけました。
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豆腐のたれにする場合は、わさびを添えると美味しいです。(わさび忘れました)
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冷やしラーメンを食べるとき、私は冷やし中華のタレとごまだれのハーフ&ハーフにするのが好きです。 以下は浅漬けの素です。 塩 大さじ1(18g) 醤油 大さじ1(18g) 酢 大さじ2(30g) みりん 大さじ2(36g) 砂糖 大さじ3(27g) 水 150g だし 適量 お好みで唐辛子 軽く加熱してアルコールを飛ばします。 それにしても、どうして市販の浅漬けの素に、ことごとく化学調味料が入っているのでしょうね。


posted by かもめ |18:33 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2013年07月31日

無添加冷やし中華のタレ

夏場は冷やしラーメンを食べる機会が多いと思います。
しかし、市販のタレは酢がきつかったり、化学調味料が添加されているなど、気に入ったものがありません。

そこで今シーズンからは自作しています。
ネットで検索すると、簡単にレシピが見れるので、楽になりました。

一般的にはだいたい以下のレシピです。

醤油 大さじ8(144g)
酢  大さじ6~9(90~135g)
砂糖 大さじ4(36g)
酒 大さじ4 (60g)
ゴマ油 大さじ2~4(24~48g)
生姜 小さじ2(12g)
だし 適量

しかし、このレシピでは酢が多くて酸味がきつくて私は嫌です。
また、市販品ほどではないけど、砂糖が少し多いです。本来はみりんを使うべきなのにコストを下げるために代わりに砂糖を多く入れているのです。
市販のですと、やたら砂糖・ブドウ糖・水あめなどが入っています。
まあ、市販品は保存性も考えて酢や糖類が多いという事情もあるのでしょうけど。

そこで私が試行錯誤して考案したのが以下です。

醤油 大さじ8(144g)
酢  大さじ2(30g)
レモン汁(またはカボスやシークワーサー等) 大さじ3(45g)
砂糖 大さじ3(27g)
酒 大さじ2(30g)
みりん 大さじ2(36g)
ゴマ油 大さじ3(36g)
生姜 小さじ2(12g)
だし 適量

だしは粉末のかつおだしなど、お好みですが、私は中華だしや洋風だし(ホタテだし)なども入れています。

なお、アルコール分を飛ばすため、軽く加熱が必要で、教科書的には湯煎ですけど、鍋で普通に加熱しても、加熱しすぎないようにすれば問題ないです。

お酒は純米酒か米だけの酒を使うべきですが、合成酒しかない場合はみりんを多めに入れれば良いと思います。

これで、とてもまろやかなタレができあがります。
冷やしラーメンだけでなく、餃子のタレや中華風サラダのドレッシングなどにも利用できます。

ゴマだれや一夜漬けの素も、同じようにみりんを入れて砂糖を減らして自作しています。次回紹介したいと思います。

posted by かもめ |18:30 | 料理の神髄 | コメント(0) |

2012年05月05日

マーガリンは調理に使うものではありません

昨日、母とオオドサがが士別に来たのですが、母は某温泉ホテルに泊まりました。
夕食はそのホテルで3人で食べました。2940円でした。
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このホテルは安いです。ビール(ジョッキ)が300円しかしません。 でも、いくら安いとはいえ、かに鍋にマーガリンが入っているのには閉口しました。 さらに翌朝は、スクランブルエッグがマーガリンの味がしました。 これはあんまりです。 コストを下げて安く提供するためバターが使えないならサラダオイルでも使えば良いのです。 マーガリンを使うのは、味を悪くしてしまうだけです。 マーガリンをパンに塗るのならまだしも(有害性とかおいといて)、間違っても加熱調理にマーガリンを使ってはいけないのです。 味が悪いし、身体にも悪いのです。金取ってこんなもの喰わすのは犯罪に値するのではと私は思っているけど、雪印がこんなとんでもないものを出しているから安易に使うシェフがいるのでしょうね。 こういうことを言うと、「贅沢を言っている」と誤解されがちですが、そうではありません。 上手に料理をしないと、せっかくの食材を損ねてしまって不経済ということです。 士別を代表するホテルがこれとは恥ずかしいです。 食事だけでなく、あらゆる面でずさんでした。 士別よりもずっと田舎の浜頓別の温泉ホテルはこんなことないのですけどね。


posted by かもめ |20:07 | 料理の神髄 | コメント(0) |