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息子がサッカーを始めたのでサッカーを観るようになり、1997年のフロンターレ戦でコンサにはまりました。自分自身は全くの素人です。観戦はSB席。ホームゲームの半分はCVSやってます。

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『漂流トラック』  安東能明

2010年05月01日

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プロローグ1の冒頭に “左手は鬱蒼としたブナの森が続いている。”  という描写が出てくるが、ブナの北限は黒松内町だから 足寄町にはブナ林は無いはず と 違和感を感じたのが始まり。
大筋のストーリーは面白かったのだけど、全編を通してそういう違和感が続き、最後まで納得できない部分が残ってしまった。






国内の物流システムを人質に 日銀の地下金庫から金塊5トンを奪う というアイデアは面白い と思う。
ただ、作者は このアイデアだけを思い付いて、他は かなり行き当たりばったりで 書き進めたのではないだろうか。
その手口は 少々お粗末で、相当ラッキーが続かないと 成功は覚束ない。

細かく取材したのだろう と思われる部分も多いのだけど、半面、取材不足の部分も多く、詰めの甘さが目立っている。
例えば、ボコボコにされ 防寒着も着ないまま -30℃の冷凍庫に放り込まれた広田が、数時間経っても意識を保ち、更に 脱出した後、そのまま海外に逃亡するという設定は かなり無理がある。普通なら とっくに死んでいるし、生きていたとしても 少なくとも両手の指などは凍傷となって当然の状況。

人物描写も甘く、主要人物も描ききれていない。
六甲の銀狐 こと北村辰夫。10数年のブランクを経てもなお 運転手仲間から畏怖されるという事は 相当のカリスマ性があったのだろうが、その人物像が描かれていない。巨大出力のCB無線を搭載して 全国を休み無く走り回っていたという程度では 伝説になり得ないだろう。

最後に“これが、お前のやり遂げたかったことではないか。”と呼びかけるシーンが出てくるが、本当にそうなのか? こんな結末で良いのか? お前がやり遂げたかった事は こんな事ではないだろう、と呼びかけたくなってしまった。

 


せっかく お借りした本ですが、残念ながら 僕の好みには合いませんでした。
申し訳ない、〇ー〇〇さん。


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10:00

本の話 コメント(0)

『こころ』  夏目漱石

2010年04月29日

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息子が置いていった荷物の中にあった文庫本。
今までに何度か読んでいるけれど、最後に読んだのは 10数年前。
息子が何を考えながら読んだのか 想像しながら、もう一度 読んでみた。






平成の世にあって、先生のこころが理解できない若者は多いだろうと思う。
妻の心を無垢なまま汚さぬように死んで行きたいなんておかしい。夫婦なのだもの、悩みを打ち明け一緒に悩むべき. という意見はその通りだと思う。
Kの遺書に自分に不都合な内容が無かった事に安堵しつつ、Kの自殺の原因が自分にあると思い 悶々と悩み、愛する妻を一人残して自殺する先生を ジコチュー、身勝手と非難する気持ちも判る。
罪悪感から鬱になったんじゃない、とバッサリ切り捨てる人もあるだろう。


しかし、友情よりも恋を選び、卑怯な行動に及んだ自分に対する自己嫌悪に悩み続け、結局は自分の命を絶ってしまう心の弱さを 僕は責められない。
人生はいくらでもやり直せるんだ という意見には賛成するけれど、とりかえしのつかない事があるもの 事実。

誰でも 
もののはずみで つい嘘を吐いてしまったこと。
嘘は吐かないまでも、本当の事が言えなかったこと。
言わなくても良いことを 思わず言ってしまったこと。
すぐに言えば良かったのに、言うタイミングを逸して言えなくなってしまったこと。
そんな事があると思う。

利己的な心の醜さ、人間の愚かさ、心の弱さ、孤独と苦悩、多かれ少なかれ誰にでもあるもので、明治も平成も人のこころは変わらない。




さて、息子は 何を感じ、何を思いながら この本を読んだのだろうか?



post by aozora

21:43

本の話 コメント(4)

『万寿子さんの庭』  黒野伸一

2010年04月27日

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家内が買ってきた本で、自分では 多分買わないだろう本です。
手元に読む本が無くなったため、家内の「面白いよ」という薦めもあって 読んでみました。
たしかに 読みやすく 面白い作品でした。




右目の斜視にコンプレックスを持つ社会人1年生の京子(20歳)と、偏屈な独居老人の万寿子(78歳)が、ご近所として出会う。この二人の奇妙な出会いがなかなか面白い。

京子はそのコンプレックスのためにボーイフレンドが出来ないのだが、好きな男の子、気になる男性はいる。その2人の男性の間で揺れ動く乙女心、同期会の飲み会での微妙な雰囲気もなかなか面白い。
(作者は男性なのだが、現実の女の子もこんな感じなのかな?)

結局、京子と万寿子は友達となり、20歳と78歳の 奇妙だが温かい友情が始まるのだが、万寿子に認知症の症状があらわれたところからが本筋で、そこからの京子の奮闘振りは凄まじい。

いろいろ紆余曲折があって、悲しい出来事もあって、最後は まぁ 落ち着くべきところに落ち着いて行くのだけど、京子あてに残された万寿子さんの手紙など ホロっとさせられる所もあります。



ただ、この作品は万寿子さんの症状が一気に進んだ為に成立しているものであり、症状の進行がゆっくりであったなら 全く別の作品になっていただろう。
先が見えないまま延々と続くのが 現実の介護であり、その苦労は こんなものでは済まないぞ、とひねたオジサンは思ってしまうのでした。




post by aozora

23:34

本の話 コメント(0)

『1Q84 BOOK3』 村上春樹

2010年04月21日

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BOOK2で自殺したと思われていた青豆が生きていた。
となると、BOOK2の最後に現れた空気さなぎの中の青豆は何を象徴していたのだろうか。




注意! ネタバレあります。






BOOK1・2で語られたディープな世界が、BOOK3では天吾と青豆の純粋なラブストーリーに収斂する。
夜空に浮かぶ二つの月、猫の町、空気さなぎ、リトルピープル、姿の見えないエネーチケーの集金人、処女懐妊など、異次元的、観念的なエピソードは出てくるが、基本的には極めて現実的な物語が綴られる。
牛河に独立した章を与えた事で 現実感がより強調され、サスペンス小説のようだ。

という事で BOOK1・2の神秘性は薄れ、帯にある「更に深く、森の奥へ」というコピーは期待はずれ。
青豆が生きていた事から予想される結末に向かい、シンプルなストーリー展開でハッピーエンドに落ち着くのだが、僕としては正直 物足りなかった。


1Q84のBOOK4はない と思う。
残された謎は謎のままで良い。
年が明けたら1Q85だしね。


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23:35

本の話 コメント(4)

改めて エントリーするほどではなかった本

2010年02月01日

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『ゴールデンタイム-続・嫌われ松子の一生』  山田宗樹

単純に「続・嫌われ松子の一生」というサブタイトルに惹かれて 購入しました。
まんまと出版社の罠に かかっています。
“続”とはなっているけれど、死んでしまった松子が生き返る訳もなく、『~松子~』に登場した松子の甥・川尻笙と元恋人・明日香の青春ストーリーが綴られます。

何も始まっていないのに、何もかも終わってしまったような気がする

川尻松子が死んでから 4年。
大学は卒業したものの 就職をすることもなく、将来への不安を抱きながら、東京でその日暮らしの生活を送っていた 笙。自らの夢だった医師への道を着実に歩んでいるはずの明日香も 自分の人生に疑問を抱いていた。

自分の生き方に悩み、目標を見つけて歩き出すまでを描く というありふれたストーリーなのだけど、嫌味なく爽やかに描かれているので 好感を持って読み進められた。
でもそれだけかな。
もっとドロドロした展開を期待したのだけれど、明るく輝く青春小説でした。


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『証し』  矢口敦子

以前に読んだ『償い』が割と良かったので、その後で買ってきた作品。
ところが、読む前に家内が『償い』と一緒に友人に貸してしまい、先日、数年ぶりに手元に戻ってきた。
この時は『僕たちの戦争』(荻原 浩)も一緒に貸されてしまい、こっちはどうしても読みたくて同じ本を買ってきて読んだのだけど、『証し』の方はそのままにして読んでいなかったのだ。

結論から言えば、改めて買わなくて大正解。
なんだこれは、と思わず文句を言いたくなるような作品。
ストーリーも、設定も、動機も、犯行方法も、犯行現場に残された謎の言葉も、登場人物も、全てが納得できないし 理解できなかった。
よくこれで編集者がOKを出して出版したものだ。

『償い』の評判が 思いのほか良かったので、『VS』というタイトルの作品を『証し』と改題、同じような装丁で文庫化して、柳の下のどじょうを狙ったのだろうけど、結果は大失敗。
この作品で この作家を見限った読者は少なくないのではないかと、余計な心配をしてしまった。


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『百器徒然袋―風』  京極夏彦

京極堂シリーズの番外編、サイドストーリーという位置付けのようだ。
主人公はいつもの下僕達なのだけど、探偵・榎木津礼二郎が 乱暴狼藉 大活躍する。

いつもの京極堂シリーズよりは短編だし、軽く読める作品集。
それにしても探偵・榎木津、ちょっとばかり 軽すぎやしないか。






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23:04

本の話 コメント(0)

『猫を抱いて象と泳ぐ』  小川洋子

2010年02月01日

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本屋大賞にノミネートされています。
ずっと 気になっていた作品で、
文庫化が待ちきれず、結局 購入してしまいました。


静謐で詩的な文章で 淡々と綴られる 切なく悲しい物語。
リトル・アリョーヒンが チェス盤に広がる海で奏でる棋譜は美しいが、
海の底には悲劇が漂い、死の予感がつきまとう。

リトル・アリョーヒンは 大きな力に翻弄される弱きもの。
謙虚に慎ましく生きる中で 自分の世界を築いていくが、
自分が大切に思う者を 守る事は叶わない。

盤上の美しさと 盤下の哀しさ。
その対比が あくまで抑制的に静かに語られ、素敵な世界を築いている。


読み進めていく中で タイトルの意味がわかります。
この作品の世界をよく表している とても素敵なタイトルだと思います。






小川洋子が紡ぐ独特な世界に すんなりと入り込める人と 入口で立ち尽くしてしまう人。
好みや 評価は分かれるかもしれませんが、
本屋大賞に充分値する作品だと思います。



ススキノで 2,000円なら 安いなぁ と思うのに、本の 1,780円は 高いなぁ と思ってしまう。
何度も書いているけれど、酒飲みのこの感覚は やはり どこか 間違っていますよね。




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21:05

本の話 コメント(2)

『サッカーを100倍楽しむための審判入門』 松崎康弘

2010年01月28日

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著者の松崎氏は (財)日本サッカー協会の審判委員会委員長。

目次は
第1章 審判をめぐる問題 ~Jリーグの試合から~
第2章 審判を知る ~サッカーを楽しむための近道~
第3章 日本の審判 ~環境と待遇はどうなっている?~
第4章 審判の一日 ~準備から試合当日まで~
第5章 ゲームコントロール ~試合中の判断~
第6章 審判入門 ~審判になるために~
と なっています。



第1章では ここ1~2年のJリーグのゲームから 話題になった審判の判定について取りあげ、ひとつひとつ具体的にコメントしています。
例えば、2008年3月1日のゼロックススーパーカップ、鹿島対広島戦、イエロー11枚、レッド3枚を乱発した 家本主審。
2008年4月29日のFC東京対大分戦、上本選手に「死ね」と言ったという 西村主審。
2009年9月12日の鹿島対川崎戦、大雨のために後半途中で中止にした 岡田正義主審。
2009年10月17日の横浜FM対名古屋戦、華麗なシュートを決めたストイコビッチ監督を退席処分とした 廣瀬格主審、など。
札幌のゲームでは、2009年10月7日、J2第44節セレッソ大阪戦の後半42分、ペナルティエリア内で西嶋選手とC大阪の乾選手が交錯した際に、乾選手のシュミレーションを取った 柏原丈二主審が取り上げられています。

審判も選手も実名を出して細かく検討しており、後から苦情が出るのではないかと心配になるくらいに具体的です。審判のミスはミスとして認め、ミスジャッジをしてしまった原因などの分析がなされており、なかなか興味深い内容となっています。この部分だけでも 十分に読む価値はあります。


第2章以降も 具体的な例を上げながら審判に関するアレコレが紹介されますが、面白く読み進めていく中で、審判に関して 僕(たち)は何も知らなかったんだな と気付かされます。

90分間フルに走り続けながら、瞬間的な判断を積み重ねていく審判。
一試合に走る距離は 12~13㎞にもなるのだとか。かといって、選手のように試合中に水分を補給する訳でもなく、息が切れてホイッスルが吹けなくなる事もなく、最後まで きちんとした姿勢を取り続けなくてはいけない。それでも 批判される事は多いが、褒められる事は殆ど無い。
冷静に考えれば、これは相当きつくて大変な仕事です。

審判も 試合毎にきちんと評価され査定され、J1昇格やJ2降格、時にはJFL降格があるのだという事実。
審判にも研修があり、フィジカルトレーニングも積んでいるという、考えれば当たり前の事実。
なんだ 結構ちゃんとやっているじゃない と再認識させられ、今まで 審判は なにかベールに包まれたような 遠い存在だったのが 随分とクリアにされ、身近に感じられるようになりました。


審判団は ゲームにおける3つ目のチーム という見方は新鮮です。
今季は 各審判に対する先入観を捨てて、一から見ていこうという気にさせられました。



post by aozora

18:39

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『龍時』  野沢 尚

2010年01月26日

『龍時』 は 野沢尚によるサッカー小説で、シリーズ第一作は 2002年4月に刊行されており、漫画化もされているらしいが、今まで 読んだ事はなかった。
野沢尚は 「破線のマリス」や「深紅」「呼人」など 何冊か読んでいるのだけれど、それらを読んだ後でも脚本家というイメージが強く、野沢のコーナーには あまり手が伸びなかったのだ。
先日、古本屋をブラブラしている時に たまたま表紙が目に付き、サッカー小説なら試しに読んでみようか と思って 「01-02」 を購入。
読み始めたら結構面白くて、1~2日で 一気に読み終え、続けて 「02-03」 「03-04」 も 購入してきた。

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パートⅠとなる「01-02」 は、日本のサッカー界に閉塞感を感じた 16歳のリュウジが、単身スペインに渡って リーガ・エスパニョーラに挑戦するストーリー。
パートⅡ「02-03」 は、レンタル移籍となったリュウジの新チームでの活躍を、初々しい恋と絡めて展開。
パートⅢ「03-04」 は、日本のU-23代表に呼ばれたリュウジの、アテネ五輪での活躍を描いている。






野沢尚は 2004年6月28日、アテネ五輪の前に自殺した。理由はわからない。
シリーズ最終話となってしまったパートⅢ『龍時03-04』が刊行されたのは 2004年7月7日。
アテネ五輪の開幕は 2004年8月13日。
作者はアテネ五輪を見ないまま逝ってしまった。

『龍時03-04』 は アテネ五輪を舞台にしているのだが、この作品が書かれたのは前年の秋、出場国もまだ決まっていない段階だったので、当然ながら 出場国も 結果も まるで違っている。
実際のアテネ五輪が この小説のような結果になっていれば嬉しかったのだけれど、残念ながら現実は 1勝2敗、勝ち点3で 予選リーグ敗退。

W杯日韓大会の盛り上がりの中で始まり、野沢尚の自殺によって未完のまま終わってしまった 龍時シリーズ。
2004年のアテネ五輪(1勝2敗)以降、日本代表はW杯ドイツ大会(1分2敗)、北京五輪(3敗)と惨敗続き。
作者がもし生きていたとしたら、その後の龍時や日本代表を取り巻く状況を どのように設定し、展開させたのだろうか。

因みに、パートⅣとなる『龍時04-05』は 怪我とリハビリをテーマにする予定だったらしい。怪我人の多い札幌サポとしては 是非読んでみたかったな。

実際のオリンピックやワールドカップの試合や選手、内幕や裏側を描いたドキュメンタリーやノンフィクションも面白いけれど、それとは全く異なる展開を描く小説も アリだと思う。
ただ、現実と あまりかけ離れてしまったなら興醒めな訳で、現実を踏まえた上での創作でなくては 共感できないし、そのためには 相当程度のリアリティは必要。

この作品で描かれる試合の場面は 中西哲生ら 元Jリーガーに かなりのアドバイスをもらい、かつ チェックを入れてもらっているようなので、かなりリアルな臨場感があり 楽しめる。
いつも観ている試合に近いだけに 感情移入がしやすい。“きっと うちの選手たちも これと似た想いを抱きながらプレーしているのだろうな” などと考えながら 読んでいた。

試合以外の場面は 家族の問題や 恋愛、人種差別、サッカービジネスなど、野沢尚らしいサイドストーリーが展開され、それはそれで面白いアクセントとなっている。

サッカーのルールやポジション、用語を知らない人には 戸惑う所もあるかもしれないけれど、サッカー好きなら 充分に楽しめる作品。
パートⅢで 未完のまま終わってしまったことが とても残念だ。


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20:40

本の話 コメント(2)

『廃墟に乞う』  佐々木 譲

2010年01月15日

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昨年 野風さんから借りて読んだ作品。
感想を書いた記憶はあるのだけれど、結局エントリーしなかったようだ。
途中まで書いてまとまらなくなったのだったかな。


休職中の刑事を主人公にした連作短編集。決して悪くはないのだけれど、ひとつひとつの作品に今一歩深みやひねりが無く、物足りなさを強く感じた記憶がある。
『笑う警官』や『警官の血』など、長編の警察小説には傑作が多いので、余計にそう感じたのかもしれない。





佐々木 譲。
『鉄騎兵、跳んだ』で 作家デビューしたのが 1979年。
作家歴30年以上になる佐々木譲が 何故今更直木賞なのか。
受賞作は この作品で良いのか。

前回の北村薫の時にも感じたけれど、新人・中堅作家の大衆小説を対象にしてきたはずの直木賞。
良いのか悪いのか、近年はその選考基準、性格が相当変わってきたように思う。


post by aozora

12:31

本の話 コメント(0)

『石を積む人』  エドワード・ムーニー・Jr.

2010年01月08日

タイトルと帯に引かれて買ってきました。


「石を積む人、教会を造る人」 というのは 結構あちこちで聞く教訓話ですが、全く関係ないです。


「石を積む人」 というアーティストがいて、とても素晴らしいのですが、これも全く関係ありません。


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タイトルから 勝手に 『木を植えた男』 をイメージしていたのだけれど、実際は 永年連れ添った老夫婦の話で、プロローグとエピローグを除いた本筋の部分に関しては 結構面白かったし、結末を含めて そう悪くないと思う。


ただ、主人公が石を本気で積み始めたのは 妻の余命があと僅かと判明して以降であり、ストーンマンと呼ばれるほどのものではないだろう。

ストーンマンと呼ばれた主人公の死後、11年かかっても解けなかった「あの石を忘れないでくれ」という言葉の謎にしても 結論が少々お粗末ではないかな。
これなら亡くなった後すぐにでも解決しそうなものだ。

石を積むのは 愛する妻の希望を叶えるため という個人的な理由。
その中に 石を安定して積むためのこつだとか、人間関係や 礎となる者の大切さ などの教訓を織り込んであるのだけれど、表現が直截すぎて ちょっと鼻白んでしまう。

最後に出てくるピーチカラーのページ。
ここまで凝るなら、手書きの文字で、少々色褪せたインクをにじませて欲しかった。



という事で、
もう少し深いストーリーや結末を期待したせいもあり、読後感は少々残念でした。




post by aozora

23:06

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