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2010年02月01日

『猫を抱いて象と泳ぐ』  小川洋子

20100131-00.jpg


本屋大賞にノミネートされています。
ずっと 気になっていた作品で、
文庫化が待ちきれず、結局 購入してしまいました。


静謐で詩的な文章で 淡々と綴られる 切なく悲しい物語。
リトル・アリョーヒンが チェス盤に広がる海で奏でる棋譜は美しいが、
海の底には悲劇が漂い、死の予感がつきまとう。

リトル・アリョーヒンは 大きな力に翻弄される弱きもの。
謙虚に慎ましく生きる中で 自分の世界を築いていくが、
自分が大切に思う者を 守る事は叶わない。

盤上の美しさと 盤下の哀しさ。
その対比が あくまで抑制的に静かに語られ、素敵な世界を築いている。


読み進めていく中で タイトルの意味がわかります。
この作品の世界をよく表している とても素敵なタイトルだと思います。





小川洋子が紡ぐ独特な世界に すんなりと入り込める人と 入口で立ち尽くしてしまう人。
好みや 評価は分かれるかもしれませんが、
本屋大賞に充分値する作品だと思います。



ススキノで 2,000円なら 安いなぁ と思うのに、本の 1,780円は 高いなぁ と思ってしまう。
何度も書いているけれど、酒飲みのこの感覚は やはり どこか 間違っていますよね。



posted by aozora |21:05 | 本の話 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:『猫を抱いて象と泳ぐ』  小川洋子

ふふふ。
本は「高いなぁ~」って思うけど、出会って欲しいと思ったときに買わないと
次に巡り合えないかもしれないので、どっちかっていうと買う。
CDは「高いなぁ~」って思って、レンタルしたり「今じゃなくても…」となかなか新譜を買いません。

きっと、これと逆の人もいるんだろうなぁ~。

CDは焼けるけど、本は焼けない(コピー)しなぁ~。
常々、だぁーくんと「文庫も高くなったよね~」と言っています。うん、確かに文庫も高い。
理想は、文庫350円くらい。一般書籍1200円くらい。
…それだと作家さんや出版社はやっていけないのかな?

posted by ブラコン2号| 2010-02-02 10:32

Re:『猫を抱いて象と泳ぐ』  小川洋子

>ブラコンさん
文庫も高くなりましたよね。700円、800円、当たり前の時代だもん。

CDは殆ど買わないな。
僕の頭の中のレコードラックはLP500枚分くらいの容量しかなくて、もう満杯状態。新譜を欲しなくなりました。
息子の部屋にあるCDが 我が家にとっての新譜ですね。

posted by 青空| 2010-02-03 00:29

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