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息子がサッカーを始めたのでサッカーを観るようになり、1997年のフロンターレ戦でコンサにはまりました。自分自身は全くの素人です。観戦はSB席。ホームゲームの半分はCVSやってます。
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2017年07月21日
映画 「メッセージ」 を観た後で、映画を理解するために買ったのですが、その時に読んだのは原作である 「あなたの人生の物語」 だけ。 やっと残りの7編も読みました。![]()
収録されているのは次の8編と、作者自身による解説です。 「バビロンの塔」 遂に天にまで届いたバベルの塔から、天蓋に穴を掘り、更に上を目指した結果、たどり着いた場所とは・・・ 「理解」 脳の損傷を修復する為の薬の副作用によって誕生した超知性同士の 静かで激しい戦い。 「ゼロで割る」 数学の大部分が誤謬である事が証明されたなら・・・。疑うべくもないはずの常識を疑う作品。 夫婦間の 埋められない認識の差が 切なく哀しいです。 「あなたの人生の物語」 異星人とのコミュニケーション、時空間の認識、フェルマーの原理、映画の原作。 先日の映画「メッセージ」の記事の中で 異星人 ”ヘプタポッド” が書く文字を残念と記しましたが、そういう文字にした理由が他の短編の中にありました。どの作品だったか失念しましたが、ああ そういう事だったのね と勝手に一人で納得しました。 「七十二文字」 "ゴーレム" を動かすための "名辞” の開発と、"前成説" による不妊問題の解決策。 "名辞" とは、コンピュータソフトウェアのようなものなのか、陰陽師の呪(しゅ)のようなものなのか、はたまたDNAなのか・・・。 「人類科学の進化」 超人類知性体の誕生、イギリスの科学雑誌〈ネイチャー〉に掲載されたショートショート。 「地獄とは神の不在なり」 天使の降臨は福音なのか、災いなのか。 度々の天使降臨により 奇蹟が起こるだけでなく、死者も出る世界の物語。 「顔の美醜について ―― ドキュメンタリー」 容貌による差別が問題となっている世界。容貌差別をなくす為に生みだされた 美醜失認処置 “カリー” の是非を問う。 差別とまでは言えなくとも、顔や頭髪、体型等々、見た目による損得ってありますよね。そんなお話です。 時代も設定も様々ですが、それぞれ現実とは少しズレた所にある異世界が舞台です。 言語学、物理学、数学、工学、哲学、宗教などをスパイスにして、硬質な文章で論理的に展開される作品が主ですが、とにかく発想がユニークで、意表を突く面白さがあります。 学術用語など、少々難解な単語が多く出てくるので読みにくいし、簡単には理解できない部分も多々ありますが、久しぶりに頭をフル回転させて読み終え、なんだか妙な満足感がありました。 先日読んだ 「夏への扉」 に続く ハヤカワSF文庫。高校、大学時代には 創元推理文庫と共に むさぼるように読んだなと、懐かしく思い出しました。久し振りに読んだ本格的なSF小説は新鮮で、とても楽しかったです。
2017年07月20日
これも CVS仲間のNさんからお借りして読みました。 読書仲間から回って来る本には 自分では買わないであろう作品も少なくないので、新鮮です。![]()
「視覚探偵 日暮旅人」 というドラマがありましたが、こちらは 宅地建物取引主任者という資格を活かした いわば 「資格探偵」 です。 不動産取引を題材としたライトミステリーというアイデアは良いと思います。現実世界でも不動産取引に関してはいろいろなトラブルや詐欺事件、不思議な事が起きていますし、家を買う・建てる・借りるというのは一般人にとっては大事(おおごと)ですから、身近に感じられます。 この作品は短編集で、6つの章の最初にその章で扱われる物件の間取り図が掲載されているのですが、それを見ながら推理するという趣向も良いですね。特に目新しいトリックなどは無いのですが、不動産に関する知識や不動産業界の裏話が出てくるのも面白い。それぞれの最後もきれいにまとめられているので、サラサラと気持ちよく読めます。 ただ、不動産の声が聞こえ、その部屋の気持ちが判る探偵というのはどうでしょう? そんな特殊能力を持った探偵が、それを活かしてサラッと解決するというのはちょっとズルいんじゃない? と思ってしまいました。 ところで、乾くるみは男性なのですね。 「イニシエーション・ラブ」くらいしか読んだ事がなく、女性だとばかり思っていたので、53歳のおじさんだと知ってビックリしました。
2017年07月19日
家内は 観ないというので、今日のメンズデイに 札幌駅の上で 一人で観て来ました。 18時30分からの回だったのですが、大きな12番スクリーンに 客は 10数名と ガラガラでした。![]()
米林監督、西村プロデューサーをはじめ、元スタジオジブリのメンバーが集結した スタジオポノックの長編アニメ第一作という事で ちょっと期待して観に行ったのですが、残念ながら 僕には合わなかったかな。 ストーリーは悪くないと思うのですが、シナリオや演出は今ひとつで、深みは無し。僕の感性が鈍いだけ、理解が浅いだけかもしれませんが・・・。 登場人物に あまり魅力を感じませんでしたし、エンドア魔法大学のデザインには違和感を覚えました。全編を通して どこかで観たような画が続くのも気になりました。 メアリの表情や 魔女の花 (夜間飛行) が輝くシーンなど、良い所もあったのですが・・・・・。 帰宅した時に 家内から 「面白かった?」 と尋ねられたのですが、「良かったよ! 一緒に観ればよかったのに!」 とは答えられませんでした。
2017年07月11日
家内は 人が大勢亡くなる映画は観たくない というので、先日のメンズデーに 札幌駅の上で 一人で観て来ました。17:30という微妙な上映開始時間もあり、4番スクリーンは 20人弱という寂しさでした。 第二次世界大戦末期の沖縄、アメリカ軍が首里へ侵攻する際に最大の難関となった前田高地での激戦が舞台です。 沖縄本島南部の高台が激戦地となった事は知っていましたが、ハクソー・リッジという地名は知らず、映画を観るまで沖縄戦が舞台だとは気が付きませんでした。 当時、浦添城址一帯の丘陵地は、日本軍は 「前田高地」 と呼び、米軍の攻撃正面となる北側の険しい断崖は 米軍から 「Hacksaw Ridge (弓鋸のような尾根)」 と呼ばれていたそうです。日本軍は その頂上まで登ってきた米軍兵を待ち構えて猛烈な攻撃を浴びせる戦術をとった為、米軍はなかなか攻め落とせず、退却する際には 多くの負傷兵が取り残されました。 その負傷兵を、自らの命を顧みずに救出したのが デズモント・T・ドスで、この映画は彼の活躍を描いています。 以下、長文、ネタバレあります。
彼は セブンスデー・アドベンチスト教会の熱心な信者で、信仰上の理由から 一切の武器を持たず、戦うことを拒否するのですが、周囲や友人が国の為に戦っているのに 自分は何もしないという事に我慢できず、家族や周囲の反対を押し切って、人を助けるために 衛生兵として志願します。 衛生兵であっても 武器の取り扱いを含めて一通りの訓練を受けないといけないのですが、彼はその訓練さえも拒否する為、周囲からは いじめの様な扱いを受け、上官からは 強く退役を勧められます。 戦場ではお互いに命を預け合う為、一人のミスが全員の死に繋がりかねない訳で、彼が配属された小隊の同僚が、足手まといになりそうな彼と一緒に戦場へ行きたくないという気持ちはよく理解できます。 その後、紆余曲折があって彼は衛生兵として従軍する事が出来るようになるのですが、当時の日本軍ではありえない判断でしょう。 ここに米軍と日本軍の大きな差があるように感じました。 ここまでが前段。後段ではハクソー・リッジでの厳しい戦いが描かれます。 ハクソー・リッジ (前田高地) における日米両軍の戦闘は実に激しく悲惨なものだったようです。 当然ながら戦死者は多く、この映画でも、爆弾に吹き飛ばされてバラバラになった身体、蛆が湧いたり鼠に齧られる死体、飛び出した臓物など、リアルを追求するためなのでしょうけれど かなりハードでグロテスクな映像が続き、ちょっとキツイです。家内は観なくて正解だったと思います。 この作品では直接描かれていませんが、浦添村では 住民の 44.6%、4112名が戦死、その中でも前田地区は戦死率 58.8%という高さで、多くの民間人が犠牲となりました。沖縄でも有数の激戦地だったという事が容易に想像できます。このような戦闘が沖縄の各地で行われていたという事実は 決して忘れてはいけません。 そうした中で彼は、まだ意識の有る兵士を捜しては 一人、また一人と 後方へ運び、断崖の下へと降ろします。 暗闇の中、敵である日本軍兵士の姿や攻撃に怯えながら、「神様、あと一人助けさせてください」 と祈りながら孤軍奮闘する彼の姿は感動的であり、圧倒され、手に汗を握りながら応援したくなります。 第二次世界大戦では 日本とアメリカは敵同士であり、この映画では 当然ながら日本軍が敵として描かれているのですが、このような姿の前には敵も味方も関係ない。 実際、彼は 75名の兵士を救出したそうなのですが、その中には 2名の日本人兵士もいたそうです。人を助けるために衛生兵を志願したという 彼の信念の証ですね。 「世界一の臆病者が、英雄になった理由とは――」 というのがキャッチコピーです。 「戦闘に勝利するためには スキルだけでは足りない。そこには ラッキーが必要だ」 と言われます。 彼の強い信念と無私の行動が ラッキーを呼び寄せ、同僚からの信頼を得ました。 「信念を曲げたら生きていけない、信念を曲げたら僕が僕でなくなる。」 まさしく己の信仰を、信念を貫いた人でした。 彼は、沖縄戦の前にはグアム島やレイテ島でも活躍したそうで、戦後、良心的兵役拒否者として初めて米軍最高位の名誉勲章(メダル・オブ・オナー)を受賞しています。 しかし、戦争中の怪我や病気が原因で身体に重い障害が残り、残された人生は決して恵まれたものではなかったようです。 戦う国の間に勝ち負けはあっても、戦闘に参加させられた国民に勝者はいない。 やはり戦争は、決して繰り返してはいけない狂気だと思います。
2017年07月07日
CVS仲間のNさんからお借りして読みました。 「陸王」 と言えば 昔の日本製ハーレーダビッドソン (昭和34年生産終了) や、札幌にあったオートバイ販売店 (平成20年12月倒産) を思い出しますが、この小説では ランニング用の足袋の名前です。 池井戸潤らしいストーリー展開で、楽しく、面白く、一気に読みました。 地方都市の創業 100年の老舗足袋メーカーが舞台。ジリ貧の業績を打開しようと ランニングシューズへの参入にチャレンジするというストーリーで、局面毎に生じる様々な問題を解決しながら 成功に向かって突き進むという いつものパターンです。 ただ、今回はひとつひとつの問題が小ぶりで、ここで更に大きな難題が降りかかるのだろうと思って読み進めると そんな事もなく、問題が比較的スムーズに解決されてしまうので、少々盛り上がりに欠けます。本当はそんなに簡単に解決できた訳ではないのでしょうが、それぞれの描写があっさりしているので、そんな風に読めてしまうのかもしれません。問題が小さくまとまってしまうと、それを解決した時の喜びや達成感も小さくなってしまう訳で、物足りなさが残りました。 大いなるマンネリとも言えるような安定した面白さではありますが、先の展開が予想できてしまい、それが殆ど外れないというのはちょっと残念です。こちらの予想を裏切るような大胆な展開があっても良かったのではないか、と思ってしまいました。 ところでこの 「陸王」、モデルが実在するそうです。 それは、「ランニング足袋 KINEYA MUTEKI(きねや無敵)」。 埼玉県行田市にある きねや足袋㈱ というメーカーの製品です。 会社のホームページは こちら 。 きねや無敵のコーナーは こちら です。 最後まで読んでもイマイチ 「陸王」 のイメージがよく掴めなかったのですが、モデルとなったのは こんな足袋なのですね。 50年と少し前、小学校低学年の頃の運動会では足袋を履いて走っていました。 底は厚手の布で、ちょっと高いのは皮が貼ってありましたが、普通の足袋でした。 高学年になると運動靴になりましたから、覚えている人は少ないでしょうね。
2017年07月04日
彼は、死後三十年を経ていない作家の本は原則として手に取ろうとはしなかった。 「現代文学を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けていないものを読んで貴重な時間を無駄に費やしたくないんだ。人生は短かい。」 (村上春樹、「ノルウェイの森」 より抜粋。) 本屋さんを舞台にした小説を何冊か読んだのですが、その中に登場した小説から、とりあえず3冊をピックアップ。 ちなみに、ハインラインは 1988年に 80歳で、梶井基次郎は 1932年に 31歳で、山本周五郎は 1967年に 63歳で 亡くなっています。![]()
『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン 1956年
猫が登場する小説の傑作として紹介されますが、SF小説の傑作でもあります。
ただ、SFとは 一般的にはサイエンス・フィクションですが、この小説の場合は サイエンス・ファンタジーでしょう。
この作品は 冷凍睡眠や タイムマシンによる時間旅行を扱っており、こうした作品では しばしば未来からのタイムトラベルによる過去の変更の是非がテーマとされるのですが、主人公は語ります。
「ぼくは、時間の〝パラドックス” とか、〝時代錯誤” をひきおこすことを、心配などはしない。」
その潔さがこの作品を ロマンティックで 魅力的なものにしていると思います。
『檸檬』 梶井基次郎 1924年10月
40年ぶりに読みました。
20の短編が収録されているのですが、やはり代表作は 「檸檬」 でしょう。
僅か 10ページほどの掌編ですが、清冽で とても印象的な作品です。
本屋の棚に本を積み重ね、その上に檸檬をひとつ置いて立ち去る最後のシーンが有名ですが、そのインパクトの強さは、今 改めて読み返しても 最初に読んだ時と 何ら変わりませんでした。
『赤ひげ診療譚』 山本周五郎 1958年
この作品は 「樅ノ木は残った」「さぶ」 と並ぶ山本周五郎の代表作で、1965年に 黒澤明監督、三船敏郎主演で映画化されたのをはじめに、何度もTVドラマ化されており、赤ひげ先生は結構馴染みのある存在なのですが、多分 初めて読みました。 (現在、サントリー胡麻麦茶のCMに 「赤ひげ」 が登場しますが、あれは三船敏郎のそっくりさんが演じるパロディです。)
1958年3月から12月まで 「オール讀物」 に連載された8編の短編から構成されています。
小石川養生所の “赤ひげ" と呼ばれる医師と、長崎帰りの見習い医師の魂のふれ合いを中心に、貧しさの中でもたくましく生きる庶民の姿を描いているのですが、主人公は むしろ見習い医師の方なのですね。
勝手に 赤ひげ先生は 「貧乏人に優しい人情家の名医」 というイメージで捉えていたのですが、原作の中では 結構短気な熱情家として描かれています。自分の理想とする医療を追い求め、時に独断専行、時に暴力も辞さず、打算的で戦略的なところもあり、醜く愚かな世の中に怒り、自分の無力さに悩み、苦悩する一人の人間として描かれているのが ちょっと意外でしたが、そこがこの作品の良さなのでしょう。