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2010年01月28日

『サッカーを100倍楽しむための審判入門』 松崎康弘

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著者の松崎氏は (財)日本サッカー協会の審判委員会委員長。

目次は
第1章 審判をめぐる問題 ~Jリーグの試合から~
第2章 審判を知る ~サッカーを楽しむための近道~
第3章 日本の審判 ~環境と待遇はどうなっている?~
第4章 審判の一日 ~準備から試合当日まで~
第5章 ゲームコントロール ~試合中の判断~
第6章 審判入門 ~審判になるために~
と なっています。


第1章では ここ1~2年のJリーグのゲームから 話題になった審判の判定について取りあげ、ひとつひとつ具体的にコメントしています。
例えば、2008年3月1日のゼロックススーパーカップ、鹿島対広島戦、イエロー11枚、レッド3枚を乱発した 家本主審。
2008年4月29日のFC東京対大分戦、上本選手に「死ね」と言ったという 西村主審。
2009年9月12日の鹿島対川崎戦、大雨のために後半途中で中止にした 岡田正義主審。
2009年10月17日の横浜FM対名古屋戦、華麗なシュートを決めたストイコビッチ監督を退席処分とした 廣瀬格主審、など。
札幌のゲームでは、2009年10月7日、J2第44節セレッソ大阪戦の後半42分、ペナルティエリア内で西嶋選手とC大阪の乾選手が交錯した際に、乾選手のシュミレーションを取った 柏原丈二主審が取り上げられています。

審判も選手も実名を出して細かく検討しており、後から苦情が出るのではないかと心配になるくらいに具体的です。審判のミスはミスとして認め、ミスジャッジをしてしまった原因などの分析がなされており、なかなか興味深い内容となっています。この部分だけでも 十分に読む価値はあります。


第2章以降も 具体的な例を上げながら審判に関するアレコレが紹介されますが、面白く読み進めていく中で、審判に関して 僕(たち)は何も知らなかったんだな と気付かされます。

90分間フルに走り続けながら、瞬間的な判断を積み重ねていく審判。
一試合に走る距離は 12~13㎞にもなるのだとか。かといって、選手のように試合中に水分を補給する訳でもなく、息が切れてホイッスルが吹けなくなる事もなく、最後まで きちんとした姿勢を取り続けなくてはいけない。それでも 批判される事は多いが、褒められる事は殆ど無い。
冷静に考えれば、これは相当きつくて大変な仕事です。

審判も 試合毎にきちんと評価され査定され、J1昇格やJ2降格、時にはJFL降格があるのだという事実。
審判にも研修があり、フィジカルトレーニングも積んでいるという、考えれば当たり前の事実。
なんだ 結構ちゃんとやっているじゃない と再認識させられ、今まで 審判は なにかベールに包まれたような 遠い存在だったのが 随分とクリアにされ、身近に感じられるようになりました。


審判団は ゲームにおける3つ目のチーム という見方は新鮮です。
今季は 各審判に対する先入観を捨てて、一から見ていこうという気にさせられました。


posted by aozora |18:39 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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