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2008年07月08日

悪魔のボランティア

この世に生を受けて有に20年は越えている若い患者さんのそばを、私たちボランティアがお世話していたつえを突いたお年寄りが通ったとき、ちょっとよろけてしまいました。

「ごめんなさい」と、申し訳なさそうに謝るその女性に、「ばばあ!」
そういって、その男性は向こうへ行ってしまいました。

おそらくそんな聞こえるべきはずのない返事に、耳を疑ってとまどった女性に、そんなちんけな考えは話すにも及ばないと、私たちは、別の話題を始めました。

その後、耳鼻科に別の患者さんのお迎えに行った時、入り口で、その若者とすれ違ったので、じっと目を見ていると、私を見覚えていたらしく、今度はこちらに向かって大きく咳を放って通り過ぎました。

もうガキでもあるまいし、まったくなんちゅう奴だ。
甘えるにも程がある。

3度目に出会ったとき(よくもまあ、こんなに出会ったものだ!)、その若者は帰り際。
私が立っている病院の出口を歩いて出ていこうとしていました。

そこで悪魔の私はささやく。

ひょいと軽く足をさし出すんだ。
そして、あの若者が転んだら、うんと優しく、「大丈夫ですかあ?整形にお連れしましょうか?」と言ってあげよう。

大人な(気の弱いとも言う)私は、想像するだけで憂さを晴らしまたけど。

posted by じゅうよっつ |19:20 | 暮らし |