コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2014年05月16日

JFAプレミアカップから見る北海道サッカーの危機(3)

 第一回目はこちら。↓
 http://www.consadole.net/higuma/article/352

 前回はこちら。↓
 http://www.consadole.net/higuma/article/353

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 「声が少ない」論をもうちょっとだけ。  このご夫妻が札幌を去って以来ウチのユースがまるで勝てないでいるヴィッセル神戸のアカデミー事業本部長である村野晋さん(人間のトシで言えばひぐまとタメ年)が…何年前だったかな?すでに札幌を離れた後にどこかでお目にかかった際に口にしていたことを思い出しました。  「声がない?うん、そんなの無理よ。単純に『声出せ!声出せ!』と言っても。オレもさ、世界各国のサッカー見てきたんだけど、やっぱ北の方はね、寒いでしょ?寒いと人間無口になるのよ。口開くと寒気が入ってくるじゃない?仕方ないのよ。南の方は陽気だよ~」  最後のセンテンスは別として(苦笑)、本当だとしたらこの発言は少々問題だなぁ。声を出さないでプレーすることを半ば肯定しちゃってるんだからさ。そのくせ神戸ユースはいつも活発な試合をします。U-18は昨年のJユースカップで広島を下し、日本一の座につきました。監督はらんた・日産→横浜マリノスでザイさんと同期だったあの野田知です。今年も帯広で探検ですか?(笑)  なお、かつてこの方が厚別で発した「J2に落ちたってどうということない」発言は100%まったく全然ちっとも問題じゃないと思いますよ。ええ、マジで(断定)。ってか今回のプレミアカップ神戸も3戦全敗だったんだよな…今回村野さんJ緑に来ていなかったけど。
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 話はちょっと本編を外れます。  その晩、熱を出しました(笑)。よほど覇気に乏しい連敗にショックを受けたのでしょうか(^^;; ま、微熱だったんですけどね。とりあえず連休で沸くミナミに繰り出すのをあきらめておとなしく寝ました。「あべのハルカス」は前日のうちに上って見てきましたし…ただ高いだけでしたが何か?  南海電鉄本線・堺の駅近くの川べりにある臨時穴(人間界では“ホテル”と称する)では偶然にも“画伯”こと元札幌の西澤淳二さんも一緒でした。川崎フロンターレでスカウトを勤めている画伯は「普段なかなか関西の大学を見られませんから」と、JグリーンのJFAプレミアで使用している4面以外のピッチで開催される関西学生サッカーリーグの視察に来られたそうです。こちらがひと足早くホテルを出立するところ、エレベータに乗ろうとのっそり起きてきた画伯の油断しきっている姿を見てしまったのですが…ま、仕事中もあまり変わらないのはご覧の通りです(笑)。
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 もう一人。今春札幌U-18を卒団し、阪南大学に進学した“マッツォ”こと松尾雄斗くん。柏戦と愛媛戦の間のお昼休みにひぐまスポーツを書き上げて、さて昼鮭でも食らおうかとクラブハウスから外に出たとたん、まさにひぐまさんの真正面にいたんだもん。そりゃ見つかる罠(笑)。  十勝出身の彼はコンサドーレU-18入団を機に「しまふく寮」に入寮し、スピードを武器にここ一番で貴重なゴールを決めるなど3年間活躍してくれました。トップチームへの昇格は適わず、卒業を控えて幾つかのプロチームのセレクションを受験したものの契約には至らず、阪南大への進学となりました。彼の他にも関西地区には近畿大学(監督が元札幌コーチの松井清隆さん)に國分将、立命館大学に蒲生幹が進んでいます。  昨年の12月、Jユースカップ以来の再会となり、なぜか関西でばかり会うことになりました。前述通り彼自身はU-18から札幌だったのですが、やはり後輩たちの様子は気になるようです。「元気がないんだよ」と先ほどの試合の感想を告げると心配そうに「頑張ってほしいんですがねー」と遠い目を向けました。写真撮影のあとひぐまさんに噛みつかれて半死半生で自慢の俊足を飛ばして逃げたと書いておきましょう。
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 話を戻そう。  OBといえばこの人も札幌U-18出身。  GKコーチの相川雄介くん。U-18の3期生で、1999年のJユースカップで1年生ながら正GKが重傷を負ったため急きょ試合途中からデビューし、佐藤兄弟(勇人、寿人)らを擁したジェフ千葉ユース(当時市原:その試合での相手のGKが元札幌の高木貴弘)をロスタイム突入まで苦しめ、2001年の日本クラブユース選手権で準優勝した彼ももう30になりました(!)。九州方面にいて今期S級を受講しているあんにゃろと同期のナイスガイです。ついでに言うとあんにゃろもだいぶナイスガイになりました。この話はまた今度(^^;;  ちょっと聞きにくいんだけど今年からU-15を見ている彼ともこのチームのことを、それもたった今終わったばかりの試合から見えたことを話さないわけにはいかない。案の定わずかに口が重い。  「すいません」と、まずは敗戦を詫びるゆーすけ。君が謝ることなんかないんだけどさ。いや、試合をやっている選手だってプロじゃないんだから別に謝ったりする必要なんかないと思うよ。  「上手い下手で言うと今の子供たちの方が僕たちより数段うまい。でも僕らの方がもっとチーム全体に団結力があったんですよね」  そう。第三者的な見方をすればあの年の札幌U-18はあんにゃろのチームだった。時にニヤニヤ笑いながら、時にオフサイドの旗を上げた副審にガンを飛ばしながらサポーターを爆笑の渦に巻き込んで、さっさと前半だけでハットトリックを決めると後半からはベンチで味方の試合…ではなく、隣りのピッチの試合を眺めていたあんにゃろはとにかく別格だったとは思う。ただ、後に気づいてきた。彼が「別格」だったのは周囲の頑健なサポートがあったからじゃないかと。準優勝の前年までチームを率いていた保坂不二夫監督(現・ヴァンフォーレ甲府コーチ)はあんにゃろについて「とにかく2点は取ってくれる。それをみんなで守りきる」と全幅の信頼を置いていた。あんにゃろ本人もそれを自覚していたのだと思う。中村拓朗(クラブフィールズ監督を経て今期から札幌U-15の下級生担当コーチ)や竹下や伝庄といった中盤も惜しみなく汗をかき、もう一人のFWだった浜本も相手チームのあんにゃろ対策の上を行き貴重なゴールを奪って見せた。「あいつ一人じゃない。みんなで勝とう!」という強い意志がチーム全体から感じられた。結束があってそれが声となり互いを動かし、励ましあってきた。個々のテクニック的にはクラセンの決勝で対戦したFC東京の方が上だったと思う。ズバリ書くとゆーすけの言うとおりむしろ全国平均からは下だったように思う(ごめんよみんな^^;;)。それでも夏の決勝まで進めたんだ。  「オレたちさ、当時から皆のことをユースだ高校生だとは見ていなかったからね。ピッチに入ったら一人の選手として見ていたから」と言うと彼はニッコリ笑い「明日、勝てるように頑張ります!」と、握前足を交わしチームの輪に戻っていった。  それが5月3日のこと。前述通り熱出して寝込み、夜が明けると翌4日。熱はとりあえず下がった。  準決勝に進めずグループラウンド敗退はもう決まったこと。それでももう1試合公式戦が待っている。おそらくそのあとウチ同様にグループを突破できなかったチーム同士で練習試合を行うに違いない。あと2試合分彼らのプレーを見ることができます。「ひと晩たって、少しは変わっていてくれないかな…」と、期待を込めた大分戦。大分は1勝1敗。昨日の柏戦では前半だけでさっくり4点を取られた後は後半は柏のシュートを0に抑えた(内定)。…ま、一気に主力選手を引っ込めた柏の計算通りの試合だったかもしれないんですがね(苦笑)。「やっちまえ!大分ぶっつぶせ!」
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●5/4(日)10:00~ 大分トリニータU-15戦(Pitch S5天然芝)  立ち上がりから札幌が攻めた。積極的に攻めたもののラストパスがつながらない。つながるはずもない。やはりこの試合でも声が少ない。程なく札幌のリズムに慣れると大分が主導権を握り、左サイドから上げられたクロスにゴール前でどんぴしゃのタイミングで合わされ先制を許す。前半終了間際にもゴール前でのハイボールを山本くんが後ろにいた相手選手にプレゼントパスしてしまい難なく決められ0-2。澱んだ空気を一掃させようと後半は早め早めの選手交代を試み、最後になってようやくクリアを拾って連続攻撃を見せ「これが札幌だ!」の片りんを感じさせるものの最後の一線を割ることができず敗戦。  大分戦の動画はこちらに。↓  https://www.youtube.com/watch?v=8dGm_9hdVdA  1点は欲しかった。けど、うまく大分に守られた。シュートは4-12。最後の10分くらい、確かに彼らは戦った。ようやく目が覚めたのか。遅かったけどね。いかにも。  試合終了後、こんなダメ大人たちの元へも挨拶に来てくれる選手たち。冗談抜きに生気が感じられない。  そこでオレ、我慢できずに言っちゃったんだよね。主将である山本修平くんに。  「山本くん、選手たちだけでちょっとミーティングとか開いた方がいいんじゃないかな。そこでみんなで思っていることをさらけ出してみようよ」
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 つづきは今度こそ明後日あたり(推定)。


posted by higuma |20:38 | コメント(2) | トラックバック(0)

2014年05月16日

JFAプレミアカップから見る北海道サッカーの危機(2)

 前回はこちら。↓
 http://www.consadole.net/higuma/article/352

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 柏に0-3で完敗。  負けたこと自体はこの際仕方がない。何度も書くけど力の差があり過ぎた。  サッカーだけを見ればそう悪い内容ではなかったのですよ。初戦の緊張も多少はあったかもしれません。でも、相手が3ナンバー車でこっちが軽。そのくらいの余裕が柏にはあった。札幌が一杯に吹かしてもゴールは遠かった。シュート数は7対10(注・訂正しました)。決定機だってあった。「完敗」ではあっても決して「惨敗」ではなかったと思うんです。  とは言え、自分たちの持っている力を存分に発揮できない…いや、そりゃ向こうが強いんだからしょーがねぇんだけど、発揮させる術すらつかめないでいるような、あるいはそもそも発揮させる術をつかもうとする気持ちすら感じないような、要するに「ちょっとそりゃどうなんだよお前さん」的な札幌U-15の戦いぶりに、ピッチサイドの大人たちもどうにも言いようのないもやもや感に包まれてしまいました。
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 もやもやの理由はいくつかある。代表的なものが「声がない」。  プレーしている選手たちの声が柏のイレブンたちからのものだけで、札幌の選手たちの声がまったく…と言うと過ぎるかもしれないんだけど、とにかくそう言っていいほど聞こえてこない。道産子サッカーの輝かしい(?)伝統なのか否なのか、堂々たる「サイレント・サッカー」なのです。札幌に限らず過去幾多の道内チームのサッカーを「全国」の舞台で眺めつつ「声がねぇなぁ」と感じていたもので、その度に「能力開発サッカーだ!」「テレパシーで会話しているのだ!」と冗談めかして言っておりましたが、ここまで「沈黙のイレブン」を見ているとうすら寒さすら感じてしまいました。いい天気で陽に焼けたんだけど。  しかしこのサッカーで道予選をさっくり勝ち抜いてきているのもまた事実。道内予選では「声を出してはいかん!Quiet please!」というローカルルールでやっているに違いない。今度出口さん(道協会会長)に会ったら聞いてみよう。  「おいおい!そんなことないよぉ!」というでーさんの声が聞こえてきそうな中で第2戦。試合は待ってはくれない。初日は午後から第2試合の愛媛FC戦が行われます。向こうも大分に初戦敗退し、生き残るには絶対に負けられない試合となってしまいました。面倒だな。
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●5/3(土)14:10~ 愛媛FCジュニアユース戦(Pitch S3天然芝)  試合前にはイレブンから笑顔も覗いた。堅さはすっかり消え、初戦敗退のショックも薄れたらしい印象を受けた。  柏に比べれば互いの力量は拮抗している。相手アタッキングサードまでは容易にボールを運べる。逆に中盤を破られピンチもある。あくまでサッカーの試合としては見ごたえのある試合でした。  先制された失点シーンは放り込まれたボールが不規則なバウンドをしたもの。そこだけを見ればハードラックだったとは思う。2失点めは自陣内で味方のスローインのボールを相手にかっさらわれ蹴りこまれた。3点目は前がかりになったところをカウンターで突かれた。いずれも公式記録には「相手FP(GK)」の文字が並ぶ。3点中2点は加えて「こぼれ球」という記載もある。つまり、防ごうと思えば防げる失点だったのではないかと思う。  対して攻撃は前半は好機は作るもののシュートの意識に乏しかった。後半こそ6本を放ち合計札幌8対愛媛14(注・訂正しました)となり、うち前半23分に佐藤大樹が相手ゴール前のフリーキックを左足で直接決め、試合終了間際になって相手左サイド(札幌から見て右)を破り最後は飯野敬太が押し込んだ。仮にあと10分試合時間が長かったら追いつけたかもしれない。が、30分ハーフの試合は終わり、あと1点が遠かった。2-3。2連敗。この時点でグループラウンド敗退が確定(確定)。  試合の模様はこちらの動画で↓  https://www.youtube.com/watch?v=GKQyvfy4Ats  ちなみにこの2チームは昨年も対戦しています。ゴールシーンダイジェスト↓  https://www.youtube.com/watch?v=4UDwsDjHNmk
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 選手はさすがにガックリ。  「そんなに恥ずかしいから声を出さないのかなぁ」自らも道産子であり、仕事の関係で関西に在住している通称かつ兄ぃがつぶやきます。  ンなこたぁないでしょうと前足を振り「コンサドーレの赤黒のユニフォームを着てサッカーやっていて、それが恥ずかしいのならいっそ辞めちまえばいいでショ」と、生まれも育ちも横浜のひぐまさんわ「恥ずかしい論」は完全否定させていただいたのですけれど、タイコを叩いていたO森さん含め再起不能の連中の結論としては「このままぢゃいかん」でした。「いかん」と言ったところでやっているのは選手たちだ。ピッチの外にいるオレたちに画期的な打開策を披露できるはずもなく、視線は選手たちと血がつながっている皆さんの方へ向きます。  今大会、我々のような救いようのない、かわいそぉ~なサポーターの応援のマネごとやってます的な連中は別にして、遠方の札幌からも選手のお母さんたち4人が駆け付けておりました。昨年デビューという横断幕を手に皆さん大変に優しそうな方々でして、そんなお母様方に失礼を承知で聞いてみたのです。  「子供たちは…みんな自分から『サッカーやりたい』『コンサドーレに入りたい』と言って、サッカーやってンですよね? 『やれ!』とけしかけてやらされている子なんかいませんよね?」と。  お母さんたちは全員大きくかぶりを振って「いえいえ」「本人が『やりたい』と言いました」と、あくまで子供たちの意思で赤黒のユニフォームに袖を通しているのだと強調しました。それは本当でしょう。選手の彼らが生まれた時点ではサッカーは日本を代表するぐらいの人気スポーツとなっており、かつコンサドーレは…J1には定着できませんけれど(泣)…道内サッカー界をリードする存在となっていたわけです。トップはともかく(←ここ重要。試験に出ます)、ユースはU-18、U-15合わせて準優勝と優勝の合計数が両手を使わないと計算できなくなるほど全国屈指の強豪という評判を取るに至っています。入れるモンなら入りたい。入って自分の実力を伸ばしたい。大きな舞台で輝きたい…と、子供ならではの夢を抱いて札幌ユースの門をくぐったに違いありません。門なんかねぇんだけど。札幌ユース誇らしい!  そんな誇り高いチームに自らの意志でもってセレクションを受けて入ってきている子たちは、運動選手としての素質はもちろん、単純に人間としても秀でた資質を有しているはずです。過去そんな子どもたちが集まってチームを形成し、これまで幾多の強豪との真剣勝負を繰り返して成長を遂げていったのです。多少…ホントに「多少」ね(^^;;…声が少ないことぐらい、僕らも懸念はしていてもここまで危機感を持って捕らえたことなどなかったのでしょう。
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 S級はもちろんキッズリーダーのライセンスすら持ち合わせていないオレが言うのもおかしいんだけど、思いっきり単純な話、たとえばキーパーならまず2つの単語だけ的確に素早く発することができれば格好がつくのよ(推定)。「キーパー!」か「クリアー!」か(断定)。DFラインのウラに抜けてきたボールやサイドからのクロスに対し、自分が出て責任を持ってプレーをする場合は「キーパー!」(注・「オーケー」ではない。「オーケー」では何が「オーケー」なのか味方選手には瞬時に判断できない)で、フィールドプレーヤーに処理を任せるときは「クリアー!」。この2つを基本として「飛び込むな!」「○番見ろ!」「右だ!」「左だ!」などの派生形があるのであって、これらを「的確」に「素早く」発するために普段からの練習が存在しているのだと思う。  フィールドプレーヤーも似たり寄ったりだ。のべつ試合時間中ずーーーっとしゃべくりまくっていろなどとは言わない。Sんまちゃんみたいに「いやーもうホンマ参りましたワー、ハーッ(引き笑い)」なんて試合中しゃべっていたら退場食らうかもしれない(推定)。基本的には自分より後ろ=視野を確保できる位置からの声を大切に「ターン!」もしくは「マノン!」で味方を動かしていけると思う。無論実戦となるともっと応用が必要になるが、それを練習で身につけるのは前述のとおり。
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 「声が少ない」。  これだけでも長年鬱積している北海道サッカーの大きな課題と言えるのですが、特に今年の札幌U-15からは、それ以外の問題点も顕在化してきておりました。  つづきは次回。たぶんあさってあたり(笑)。
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 筆がノッてきたのであと3回くらいは続ける(推定)。


posted by higuma |09:31 | コメント(2) | トラックバック(0)