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2023年04月26日

チケット価格の変動について考察してみた(その2)

ダイナミックプライシングにおけるチケット価格の変動に関する考察の「その2」です。

◆試合10日前と当日のチケット価格(カッコ内が試合当日の価格)
      川崎戦   鳥栖戦    福岡戦   鹿島戦
カテ1   7350(8900) 7500(7950) 7750(9950) 6500 
カテ1(ア) 6450(7500) 6350(6750) 6550(7950) 3500 
カテ2   5700(6600) 5650(5900) 5600(6950) 3750
カテ3   5050(5600) 4800(5250) 4900(5550) 4050
カテ4   4550(4950) 4200(4550) 4400(4800) 3850
カテ5(熱) 3600(3850) 3250(3500) 3350(3900) 3250
カテ5   3250(3450) 3050(2900) 3050(3350) 2800
カテ5(南) 3050(3050) 3800(4000) 3800(※)  2950

※福岡戦のカテ5(南)は招待枠が多かったと思われ、試合8日前に販売が停止された。  

1.観客動員数が多ければ(残席が減少すればするほど)、チケット価格が上昇するというわけではない。

 ルヴァンカップ鳥栖戦は観客動員が低調で、最終的チケット価格は川崎戦・福岡戦よりも安かった(ただしカテ5南はなぜか高かった)。これは売れ行きがにぶければ価格上昇も少ないというダイナミックプライシングの傾向通りといえる(ただ試合10日前の価格が意外と高いのはなぜだろう?)

 しかし、川崎戦と福岡戦を比べると動員数の少なかった福岡戦の方がメインスタンドのチケット価格は高い。売れゆき以外の価格決定要因があることをうかがわせる。また、ゴールデンウイーク中の開催であり、川崎戦、福岡戦よりチケット売り上げがよいと思われる鹿島戦の方が試合10日前のチケット価格が低い(実はFC東京戦のチケット価格はより低く推移しており注目したい)。

2.チケット価格を決定する要素は、やはり売り上げが好調か否だけではないようだ。
(1) 鳥栖戦のカテ5(南)は明らかにチケット売り上げが不調であったのにもかかわらず、川崎戦の時よりもはるかに高額かつ、同じ鳥栖戦のホームゴール裏よりも高額であった。これは、ホームゴール裏への観客の誘導という狙いがあったと推定せざるを得ない。

 (2) これは邪推でしかないのだが、試合毎にチケット売り上げ額の目標が設定されており(観客動員数の目をつぶっても一円でも多く売り上げが欲しいというぐらい財政が厳しく)、そうしたことをチケット価格決定の条件として設定しているのかもしれない。鳥栖戦10日前のカテ1~4の価格の高さや、福岡戦のメインスタンドの席の価格の高さは、そうしたことを推定させるものである。

(3) 今後どのように推移するかわからないが、鹿島戦のチケット売り上げ額は目標に到達する見込みが出てきているのかもしれない。その一つの根拠がカテ1アッパー席の価格が4月13日に4250だったのに4月26日には3350円まで下がっていることと、カテ2の価格が若干の下げることがあったものの、4月26日には4900円まで上昇していることだ。カテ2などが売り上げを伸ばしでいるので(ダイナミックプライシングの一般的傾向通り価格が上がっていっている)、カテ1アッパー席の価格を低く抑えて動員数の底上げということもめざしているのかもしれない。

(4)ゴールデンウイーク中の観客動員戦略を普段とは異なるものにしているかもしれない。FC東京戦のカテ1席の価格が4月13日に5300円まで上昇したのにもかかわらず、4月25日には4000円まで下落していることも、そうしたことを推定させる(全然売れていないという可能性がゼロではないが)。例えば普段からスタジアムに来ている層(ダイナミックプライシングでは発売から時間がたたないうちの方が安い傾向があるということを知っている人たち)に若干高い価格で買ってもらい、普段はスタジアムに来ないが「連休だしちょっとサッカー観戦でも」という層=日程が近づいてから観戦予定を入れる層を引っ張って来るため、上述のように価格を変動させているのかも・・・もしかすると、この後、チケット価格が急激に上昇するかもしれないので、憶測の域を出ない推測であることを付言しておきます。

なお、FC東京サポは絶対大勢来場すると思われるが、アウェイ席の価格は鹿島戦よりも700~800円安い価格で推移しており、ここからもFC東京戦のチケット価格決定の条件設定を変えている可能性がうかがわれる。

ちなみに、4月26日にカテ1とカテ1アッパー席の価格が逆転しており(カテ1アッパーの方が高くなった)、これはおそらくダイナミックプライシングの特徴通りの変動で、カテ1アッパー席が安かったので、そちらの売れ行きがよかったためであろう。

何かとりとめもない考察となってしまいました。
当面の自分の興味・関心は満たすことができたので、中途半端ではありますが、とりあえず、この考察はこれでおしまいにしたいと思います。

posted by オフ |20:49 | コンサ | コメント(0) |

2023年04月03日

チケット価格の変動について考察してみた(その1の予定)

ダイナミックプライシングにおけるチケット価格(川崎戦)の変動について考察してみた。ただし、思いついたのが遅かったのでチェックしはじめたのは3月19日からで、21日はチェック忘れ、31日、4月1日は価格に変動がなかったのでグラフから割愛した(なおアウェイ席は考察の対象からはずした)。

1680527935-graph-s.jpg

ダイナミックプライシングの目的は売上の最大値を目指すことだといわれている。価格を抑えて多くの観客を入れれば売り上げは上がるのだが、過去の販売実績などを学習しているAIが、基準価格程度だと多くの集客は望めないと判断しているのだろう。ある程度売れるギリギリのラインをAIが判断した結果が、今回というかいつもの、かなり高い価格ということなのだろう。(ちなみに現状、クラブにはチケット収入を減少させてもいいから新規のサポ・ファンの開拓しようという余裕はないのではないか?)

ただし、チケット価格の変動を見ていると、単に売り上げの最大化のみをめざしているとは思えない。以下にそのことについて考えてみたい。

大雑把には、メインスタンド、バックスタンド、ゴール裏(北・南)の3つのブロックに分けて考えることができると思う。

まずメインスタンドは24日(試合8日前=おおむね1週間前)から価格上昇が急になる(グラフの傾きが急になる)のに対して、バックスタンドのグラフの傾きはなだらか。

ここから推定できるのは、バックスタンドへ観客を誘導しようという意図(テレビを映りを考えてのことか?)があるのではということである。

次にゴール裏(北・南)のブロックの価格変動についてみていきたい。

ここはけっこう面白い動きを見せている。

ダイナミックプライシングの特徴の一つは価格が下落する局面があることだと思うが、カテ5南の価格が22日~24日にかけて下落して、カテ5北(熱烈以外)の価格と逆転しているのである。最初はカテ5南の方が売れ行きがよかったが、途中からカテ5北の売れ行きが伸び、カテ5南の売れ行きが落ちたため、価格の逆転が生じたようにも思うが、どうもこれは、ホームゴール裏を一杯にするという意図を価格に反映させていたが(ホームゴール裏を安価に設定)、かなり埋まってきたので、メイン、バックの価格だと来場しないが、3000円程度ならば試合を見たいという観客をカテ5南に誘導しているのではと思えて仕方がない。実際、4月3日現在、19日のルヴァンカップ鳥栖戦、23日の福岡戦のチケット価格を見ると、カテ5南の価格がカテ5(熱)、カテ5(北、熱れる以外)を上回っているのである。もしかするとこの2試合についてはカテ5北よりカテ5南の方がずっと売れ行きがよくて高い価格をつけているのかもしれないが。鳥栖戦、福岡戦については今後もチェックしていきたい。

最後に全席種で試合2日前(3月30日)に価格上昇がみられた(高い席種の方が上昇が急)。これはどうしてなのだろうか? 過去のチケット販売傾向として、直前に販売の勢いが出るというものがあるのだろうか。

以上、小中学生の夏休みの自由研究レベルではあるが、ダイナミックプライシングにおけるチケット価格の変動について考えてみた。

チケット販売開始からはフォローできていないが、鳥栖戦、福岡戦も価格の推移をチェックしているので、時間がとれたら、また、アップしたいと思う。


posted by オフ |22:18 | コンサ | コメント(5) |