コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2020年11月22日

スカイアース、遠き明日への戦いへ

 昨日の話です。すいません。
 地決。2日目。
 第一試合は一昨日に北海道十勝スカイアースを撲殺したFC TIAMO枚方と、堅実すぎる試合で栃木シティFCと引き分けたFC刈谷との対戦。

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お久しぶりのJR五井駅

 読者の皆さんはお分かり頂いていると思うが、この大会は参加4チーム中の上位2チームがJFLへの勝ち抜け切符を手にできる。この時点で勝ち点が0の十勝の立場で考えれば、勝ち点をぐんぐん伸ばすチームが2つ出るのは困るわけで、低レベルでの混戦になるのが理想。だからどちらかと言えば刈谷寄り。欲を言えばドロー。結果はその通り。後半の45分に刈谷がゴール前の混戦から押し込んで先制したかと思えば、直後のアディショナルタイムに枚方は13道上のアクロバティックなシュートを沈めて追いつく。なかなかにスリリングな試合の末、1-1。勝ち点は枚方が4に伸ばし、刈谷は2。

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栃木はアカデミーの子たちも動員して応援に来ていた

 そして大仁試合(誤字に非ず)。他の試合の結果がどうであろうと、きょうの十勝は勝たなければいけない。勝って勝ち点3を手にすればその時点で4チーム中の2位となる。引き分けた場合も勝ち点1を手にし、最終日まで望みはつながるが、そんなことを考えている奴はいないだろう。負けた場合はどうなるのかは、無論みんな知っている。

 栃木シティFCはもともと日立製作所の事業所のチームだった。つまり東芝が母体の札幌や、富士通だった川崎と同じだな。県庁所在地の宇都宮市より東京に近い栃木市に本拠を置き、かつては「栃木ウーヴァFC」と呼称していた。昨年の初頭は元札幌にいた鄭容臺が監督を務めていた。かつて取材させていただいていたよしみで挨拶に出向こうとしたらとっとと退任していたwww。元Jの選手はシュナイダー潤之介(43歳!)、高地系治(40)、藤田祥史(37)らがいる。

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十勝スカイアースのイレブンショット

 スタンドは第一試合はバックスタンド。午後に行われる大仁試合(誤字に非ず)はメインスタンドに指定されていた。逆ならいいのに。午後のメインは日陰になるんだよ。きょうは多数の赤黒のサポーターも応援に来ていた。根っからの応援屋である太鼓のながさわくんもいた。その誰もが「寒い寒い」と口にしていた。いや、日差しはあったから風さえ吹いていなければ寒くは感じなかったと思う。元々海の近くにあるゼットエーオリプリスタジアムは風が強い場所だ。2日前よりも強風となり、しかも南風から変わって北西の季節風が容赦なく吹き付けてきた。季節は一気に冬の訪れを告げている。

 初日は試合前にひっきーにだけ声をかけた。きょうは靴ひもを結んでピッチにウォームアップに出ようとしているながくんに。笑顔はなく引き締まった表情で会釈をしてくれた。きょうも左手には癒えない怪我を隠す包帯が巻かれている。

 13時30分。試合開始。やはり個人能力では差がある。なんとか、戦えてはいる。でも、スコアは動かない。スコアを動かそうとする最後の力が十勝には足りない。マイボールを前に運んでも形式上ワントップの11高瀬にボールが収まらないため、10まっつおも24縄も相手にとって危険なエリアに顔を出すことすらできない。逆に栃木はアタッキングサードに次々と侵入しシュートを放つ。かろうじて前半は0-0で折り返す。しかしここまでは十勝のプラン通りでもあっただろう。
 そして十勝が風上に立った後半の23分。ゲームを決めたのは風下の栃木だった。左CKからするっとゴール前に抜けてきたボールに反応したのは走りこんできたピンクと白の縞模様。5大島がひっきーの牙城を破る。0-1。事実上これで決まってしまった。試合を通じて十勝が放ったシュートは前半にCKからの26成田の力のないシュート1本のみ。これでは勝てない。

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十勝敗戦の瞬間。青いユニフォームが崩れ落ちる

 「負けたらどうなるか?」は本当に考えていなかった。みんな知っていたから。JFLを目指す戦いからは撤退しなければならなくなる。勝ち点0で残り試合1の十勝。上位には枚方と、いま十勝に勝った栃木の2つの勝ち点4がいる。これでは、届かない。地決2020の2日めは2位以内の昇格確定チームを生まなかったかわりに、敗退チームをひとつだけ選んだ。北海道十勝スカイアース。これが現実。
 とはいえ、他のサポーターたちのように「また来年だ!来年また来るぞ!」と言う気にはなれなかった。サッカー選手たちにとって1年は長い。他に仕事を持ちながらサッカーを続ける彼らの1年はことさらに長い。チーム事情もあるだろう、個人の都合もあるだろう。このメンバーで来年も試合ができるかはわからないし、そもそも道リーグを制覇して地決の舞台に駒を進めることがどれだけ大変なことか。1次リーグを勝ち上がって決勝ラウンドにやってくるまでに、どれほど多くの犠牲を払ったことか。
 敗戦に終わって選手は全員ガックリきただろう。「だろう」と言うのは僕も正確に記憶していなかったから。記憶もできないくらい脳みそが働きを止めてしまっていた。ただの敗戦ではない。0-1というデジタル数字では計り知れないくらいの、あまりにも大きな力の差が横たわっていた。背番号10を背負い、攻撃の中心選手だった松尾も同じだっただろう。「まっつぉ!明後日だ!あさって意地を見せろ!」と言う僕の声にうつろに頷くのが精いっぱいだった。芽室町役場に勤務する彼もまた、多くの犠牲を払ってここにいた。

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明日から来年のこの舞台を目指す戦いが始まる十勝

 さてさて。残り3チームに昇格の権利が残った今年の地決。整理すると…

     勝点 得 失  差 最終戦の相手
1.枚方  4 6 1 +5  栃木
2.栃木  4 1 0 +1  枚方
3.刈谷  2 1 1  0  十勝
4.十勝  0 0 6 -6  刈谷

 昨年は2試合目でいわきが昇格を決めてしまっていたため、地決特有のシビレるような展開は味わえなかった。今年は暫定1位と2位が最終戦で直接対決をするため、はっきり言って「負けた方が落ちる」とまで考えられる。なぜなら刈谷は手堅い試合運びで2分けに留まってはいるが、十勝守備陣を相手に90分無得点ということは考えにくい。勝ち点を5に伸ばすことはほとんど確実だろう。すると、第1試合で負けた方の勝ち点4を上回る。問題は第一試合が引き分けだった場合だ。3チームが勝ち点5で並ぶ。刈谷の得失点差が+1で終わってしまうと栃木と並ぶため、規定により総得点数→反則ポイントの順で優劣を決し、それでも決まらない=同点の場合は「抽選」となる。
 無論、十勝がプライドを賭けて戦い、刈谷のJFL復帰の夢を砕くのならそれでも構わない。最後まで見届けに行こうと思う。行けない方は止むを得ない。ようつべでご覧いただきたい。

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おまけ。小湊鉄道。あ~乗りたい…


posted by higuma |12:10 | コメント(0) | トラックバック(0)

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