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息子がサッカーを始めたのでサッカーを観るようになり、1997年のフロンターレ戦でコンサにはまりました。自分自身は全くの素人です。観戦はSB席。ホームゲームの半分はCVSやってます。

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『風が強く吹いている』  三浦しをん、 他2冊

2012年12月16日

『風が強く吹いている』  三浦しをん 
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初めて読んだ三浦しをんは 箱根駅伝を舞台にした青春小説でした。
部員が10人しかおらず、しかも大半は陸上経験のない素人ランナーという無名の弱小チームが、天才ランナー・走と 優れたリーダー・ハイジの導きにより 箱根駅伝を目指すという設定。
現実的に考えるまでもなく ありえないストーリーですが、夢を実現する物語は とても爽快で とても面白い。
10人のキャラクターも良いし、走ることの苦しさ、楽しさ、選手の心情などが とても上手く描かれていると思います。
本を閉じるのがもったいなく、一気に読み終えました。
もうすぐお正月、箱根駅伝が更に楽しみになりました。
映画化もされているそうなので、DVDを借りてこないと・・・ 




『その日のまえに』  重松清
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ガンや難病で死が定められてしまった妻や親、友人と、それを見守る家族や友人たち。
そうした人々の夫婦愛や家族愛、友情を描いた連作短篇集なのですが、こういうのを書かせると 重松清は本当に上手いですね。
重いテーマなのですが、登場する人たちの多くが、哀しみや絶望を心に抱えつつも 前向きに健気に生きており、それで少しは救われます。

いつものように何気なく古本屋で購入して読んだのですが、数ヶ月前に同い年の同僚がガンで亡くなった事を思い出し、読み終えた数日後には別な同僚の奥さんがガンで亡くなり、なにか不思議な縁を感じてしまいました。



『エブリブレス』  瀬名秀明
コンピューターの中の仮装世界BRT。
BRTにアクセスし、自分と分身を共鳴させる事で 分身に自分の姿が反映されて行くのですが、アクセスしていない間にも分身は仮装世界の中で生活し、やがてBLTの中の分身が独自の感情を持つように・・・・自分自身の分身をその世界に存在させる事が可能という設定で、ある種のパラレルワールドストーリーです。
現実世界と仮装世界のクロスという設定は面白いですが、設定も文章も複雑で ちょっと判り辛かったかな。
好きな作家なのですが、今一歩楽しめなかった。
評価は分かれる作品だと思います。




post by aozora

23:42

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『パコと魔法の絵本』  関口尚

2012年11月23日

元々は2004年に上演された『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』という後藤ひろひとさんによる舞台作品で、それを2008年に映画化したものが中島哲也監督の『パコと魔法の絵本』、幻冬舎文庫版『パコと魔法の絵本』は、この映画を関口尚さんが小説化したものだそうです。

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映画の方は 以前 enuさんが絶賛していたのですが、勝手に子供向けだと思っていた事もあって、まだ観ていませんでした。
この本は いつものように古本屋さんで見つけて買ってきたのですが、これがなかなか素敵なお話しで、なるほどenuさんが絶賛する訳だと納得。
もともと舞台の作品だけあって登場人物は過剰なくらいに個性的で、ストーリーはシンプル且つ劇的で判りやすい展開。しかし、なかなか現実的なシーンもあり、スッと心に入って来て、何度か泣かされました。
ハートフルなファンタジーというだけでは括れない、大人の作品だと思います。

これもDVDを借りてきて 早く観ないといけないな。


post by aozora

11:36

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『34丁目の奇蹟』  ヴァレンタイン・ディヴィス

2012年11月23日

早いもので、明日はホーム最終戦、クリスマスまで1ヶ月となりました。

この本は 1947年に出版されており、世に出てから65年になります。
1994年にリメイクされた映画は観たのものの、本は読んだ事がありませんでした。
いつものように古本屋さんで見つけて買ってきたのですが、とても心が温かくなる 素敵なストーリーでした。

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1947年に制作された映画と同時進行で書かれたそうです。
リメイク版とは設定や登場人物、ストーリーが若干異なりますが、クリスマスとサンタクロースを全面的に肯定するという基本は同じで、僕としてはこちらのストーリー展開の方がしっくり来ました。
クリスマスやサンタクロースをテーマにした本はたくさんありますが、これはその中でもトップクラスに入る作品だと思います。
短い作品で一気に読めますので、機会があったら是非手に取ってみてください。
1947年のオリジナルの映画のDVDも出ているようですから、これも探してきて観てみたいと思います


post by aozora

10:42

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『豊乳肥臀(ホウニュウヒデン)』 莫言(モオイエン)著、吉田富夫訳

2012年11月11日

ノーベル文学賞を受賞した中国人作家、莫言氏の作品です。
過激な性描写で発禁処分になったから興味があったという事ではなく(全く無かったと言えば嘘になりますが)、たまたま立ち寄った古本屋にあったのがこの作品だけだったので、この作品を読みました。

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目次は、
  第1章 日本鬼子がやってきた
  第2章 抗日のアラベスク
  第3章 内戦
  第4章 最後の好漢 
  第5章 毛沢東の時代
  第6章 惑溺のとき
  第7章 発端あるいは神話
  断章




舞台は高密県東北郷で最大の集落、大欄鎮。
主人公は上官家の1男8女の9人姉弟の末っ子、上官金童。
清朝末期をプロローグに、1937年に始まった支那事変、国民党と共産党の内戦、文化大革命、改革・開放政策へと続く時代の中で、その流れに振り回されるのは常に一般庶民。
金童の人生を中心に母親や8人の姉、その周辺の人物たちの波乱万丈で数奇な人生が 金童や一般庶民の視点で描かれますが、物語としても かなり面白い小説です。

後継ぎである男子を産まないことには いつまでも姑からイジメられる嫁。その嫁が種無しの夫との間に男子を産むために取った行動は、、、、
中国古来の習慣であった纏足に対する庶民の見方なども興味深い。
日本鬼子という言葉の他に、ドイツ鬼子という言葉も出てきて、庶民からすると敵は全て鬼子と読んでいたらしく、日本でいうところの鬼畜米英と変わらないよう。
貧困や飢えにあがく庶民は 生きるために娘を売らざるを得なかったというのは 昔の日本もそう。
どこの国でも生きるために必死な庶民の姿には通じるところがあり、共感できる部分も多い。


過激な性描写で発禁処分になったと聞いていましたが、実際はそうではないでしょう。
金童は女性の乳房に異常な執着を持つ男なので、女性の身体や性行為に関する描写はありますが、それほど多い訳ではありませんし、決して過激ではありません。
それよりも共産党が言ってきた歴史観と相容れない記述の方が問題視されたのではないかと思います。
日本軍の残虐さは描かれていますが、それと同じように共産党の残虐さや過ちも描かれており、共産党としては隠したい恥部を描かれたという思いでしょう。
共産党を直接に批判している訳ではありませんが、共産党が隠したい歴史も書いており、いろいろと拙い事があるのでしょうね。
ノーベル賞を受賞した時に、体制側の作家が受賞したという批判がありましたが、この作品を読んだ限りでは決して体制側という印象は持ちませんでした。


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21:02

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『空飛ぶ広報室』  有川浩

2012年10月22日

作者の有川浩(アリカワ ヒロ)は女性作家なのですが、「塩の街」、「空の中」、「海の底」、「クジラの彼」など、自衛隊を舞台にした小説、ライトノベルが多くあります。
この作品も舞台は航空自衛隊航空幕僚監部総務部広報室、つまり航空自衛隊の本社広報部で、主人公は交通事故に巻き込まれて大怪我をし、戦闘機パイロットを辞めざるを得なかった若者(29歳)です。
個性的な上司、同僚、テレビディレクターなどが登場して、話が展開していきます。

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この小説では、自衛隊に対する批判や無理解、誹謗中傷に対してやんわりと穏やかに反論するような展開が度々登場し、自衛隊の実像を書きたいというメッセージ性を強く感じました。
自衛隊を肯定的に捉えた作品は 往々にして批判される事が多く、この作品にも“自衛隊のプロパガンダだ”などと 批判が寄せられているようですが、作者は その辺も充分覚悟の上で書いているようです。

込められたテーマは重いですが、有川浩らしく 読みやすい文章で、軽やかに展開し、サラッと読めます。
小説としての深みは今一歩という気はしますが、充分に面白いですし、自衛隊の一面を知る入門編として悪くないと思います。

本来は1年前に発売予定だったのが、3.11の大震災の影響もあって延期され、本編の後に「あの日の松島」という短篇が挿入されて、今夏発売されました。
この淡々とした短篇が思いのほか良いです。

本物の航空自衛隊航空幕僚監部総務部広報室のHPが“空飛ぶ広報室”というタイトルに変わっていて、驚かされつつ 苦笑いしたのは 余談である。



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21:27

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『ブレイブ・ストーリー』  宮部みゆき 

2012年02月19日

宮部みゆきが好きなのに まだ読んでいなかったんですか? と言われそうですが、まだ 読んでませんでした。ゲーム好きの著者が RPGの原作用に書いた小説のような思い込みがあり、RPGが苦手な僕は それだけで なんとなく敬遠していました。2006年に公開されたアニメ映画は観たのだけれど、原作は未読で、今回 古本屋で安かったので買って来て、初めて読みました。
どの作品でもそうだけれど、映画化される場合は 部分的にカットされたり 設定が変更されるケースが多く、この作品にしても同様。アニメ映画の記憶が既に曖昧で、どこがどう違うと言われても定かではありませんが、自分の運命を変えるために幻界を旅するという大きなストーリーは同じでも、そこに到る経緯や旅の内容はかなり違っているような気がします。

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宮部みゆきが描く長編冒険ファンタジー小説で、設定やストーリーは王道です。
力不足で弱い少年が、多くの仲間に助けられながら 様々な苦難や戦いを乗り越え 旅を続ける中で成長し、目的を果たす。
幻界に旅立って以降の冒険譚に 特に意表を衝くものではありません。
数あるエピソードの中には 宮部みゆきらしさが窺えるものもありましたが、概ね意外性は乏しく、違和感が残るものも少なくありません。
両親の離婚の原因が 単純な父親の浮気ではなく、結婚前の母親の嘘にまで遡るというのが 一番宮部みゆきらしい気がしました。

面白い事は面白く、一気に読み進めさせる力もあります。
けど、ラストを含めて全体に中途半端で、物足りなさが残る読後感。
やはり RPGの原作という印象。
原作なら原作で良いから、これだけの長編なのだし、宮部みゆきなのだから、もう少し書き込んで欲しかったと思います。


post by aozora

21:24

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最近の読書傾向は なんだか気恥ずかしい。

2012年02月06日

ロンドンオリンピック予選。
1-2で負けてしまいました。
しばらく前に チーム内の慢心と それを憂慮する選手に関する新聞記事がありましたが、やはり その影響はあったのでしょうか?
残り2試合、ガツガツと点を取りに行くしかない状況。
気合を入れなおして 頑張って欲しいものです。


先日のアメトーークは 読書芸人でした。
その中でも言われていましたが、映画やドラマの原作本や 売れている本、話題本などを読んでいるのは、なんとなく気恥ずかしいものです。
ところが 最近読んでいるのは そんな本ばかりで、ここで感想を書くのも気が引けるのですが、まあ、それが今の僕の読書傾向なのですから、仕方ないですね。

その中から 何冊か。


『マボロシの鳥』  太田 光

ご存知、爆笑問題太田光の初めての小説。
新刊書店で購入し、読んだのはもう半年以上前です。
太田光の批評が好きなので、読んでみました。

良くも悪くも太田光。
言いたい事はよく判りますが、小説としてはまだまだという印象。
新作『文明の子』が出ましたが、古本屋に出回るまで待ちます。


『鹿男あをによし』  万城目 学

最近人気がある作家だという事は知っていたけど、読んだ事は無く、
古本屋で購入したものの、数ヶ月間本棚に並べたまま放置、
先日のブラコンさんから頂いたコメントを読んで、やっと読みました。

面白いじゃない! 
奈良という土地とその歴史をベースに 神話で味付けをした青春ファンタジー小説。
味付けが薄すぎず 濃すぎず ちょうど良いバランスだと思います。
馬鹿馬鹿しいと言えば その通りなのですが、こういうゆるい雰囲気は好きです。


『鴨川ホルモー』  万城目 学

鹿男が面白かったので、すぐに買って来て読みました。
作者のデビュー作ですね。

面白かったけれど、まだまだ荒削り。
アイディアと勢いだけで書いたという雰囲気でしょうか。
式神、鬼、陰陽師などで味付けはしていますが、まるっきりの青春小説です。
鹿男に軍配!

今日から 『プリンセス・トヨトミ』を読み始めましたが、これはどうでしょう?


『おまえさん』  宮部みゆき 

宮部みゆきの時代物。
ぼんくら、日暮らし に続くシリーズ第3弾です。

さすが 宮部みゆき。
登場人物は多いけど、それぞれが魅力的で、それぞれにドラマを抱え、面白いです。
安心して読み進められ、堪能し 楽しめました。
もっと このシリーズを読みたいですね。


『八日目の蝉』  角田光代

家内が買って来た本です。
昨年放送されたTVドラマの原作です。

正直、共感も 理解もできませんでした。
僕には全然合わなかったな。


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00:02

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『しあわせのパン』  三島有紀子

2012年02月04日

今日の北海道新聞夕刊、1面トップにコンサドーレの記事がありました。
過去に一度でもありましたっけ? 何でもない時の1面トップ。
朝刊にも記事が多いように思うし、これがJ1効果なのでしょうか。
なんにしても 嬉しい事です。


さて、
小説版 『しあわせのパン』。
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  プロローグ
  さよならのクグロフ
  ふたりぼっちのポタージュ
  壊れた番台とカンパニオ
  カラマツのように君を愛す
  エピローグ

  巻末付録 絵本 『月とマーニ』




原作ではなく、映画『しあわせのパン』の 監督自身が書いたノベライズ版です。
ただ、さよならのクグロフは 香織さん(夏の客)、ふたりぼっちのポタージュは 未久ちゃん(秋の客)というように、各章毎に登場人物の一人称で書かれているので、映画の印象とは 全く異なる構成となっています。

正直、小説として これだけを読んでも あまり面白くないと思います。
映画の登場人物、それぞれの背景にあるものを知る事で 映画をより理解し 楽しく観るための小説(解説ではない)とでも言うのでしょうか。相乗効果を期待ですね。

水縞くん、りえさん と他人行儀に呼び合う夫婦の秘密も判ります。
映画からでも それなりに想像はできましたが、まさか こんなだったとは・・・

当然ながら 映画のイメージを損なうようなものではありませんから、映画を観た後で読んでも、観る前に読んでも、違和感は無いと思います。

映画も 小説も 癒し系。
ほのぼのとした気持ちで読み終えました。



post by aozora

19:50

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『楡家の人びと』  北杜夫

2012年01月07日

昨年10月、北杜夫が亡くなりました。
僕が中学、高校生の頃に一番好きだった作家で、多くの作品を読んだ記憶があります。今でも10数冊を手元に残していますが、久しく手に取る機会も無く、本棚の一番上に追いやられています。
今回、追悼という訳でもないのですが、何か読み返してみようと思い、30年ぶりに『楡家の人びと』を読みました。
手元にあるのは 4丁目プラザの地下にあった一誠堂書店(古本屋)で購入した単行本(昭和49年3月45刷、定価1200円)で、表紙はすっかり黄ばんでいますが、オフホワイトの布張りで、箱入りです。
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「楡家の人びと」は 北杜夫の自伝的小説で、第一次世界大戦に勝利して好景気に沸く大正から第2次世界大戦後にかけての激動の時代を背景に、楡家3代の繁栄と没落を描いた大河小説です。
楡脳病院の創設者 楡基一郎や、娘 楡龍子など、強烈な個性を持った一族が登場しますが、案外と皆 俗物なので、親近感が持てます。基一郎をはじめとして 多くの登場人物に実在のモデルがいるそうで、そのせいもあってか どの人物もキャラクターがはっきりしていて、とても生き生きと描かれています。

しかし、個性的ではあっても それぞれは一人の市民以上の存在ではなく、関東大震災や 第二次世界大戦に巻き込まれ、大きな時代の流れに翻弄されます。その中で精一杯生きて行く姿は 逞しくもあり、悲しくもあり、それがこの作品の一番の面白さなのでしょう。


第3部を中心とした後半では 第二次世界大戦前夜から戦中、戦後の楡家の人々の様子が描かれます。
最前線でも、銃後でも、人々は生き抜くのに必死であり、戦記物のような大きなドラマはありませんが、壮絶で悲惨な戦争の有り様が 淡々と描かれているだけに 余計に心を打ちます。

余談になりますが、第三部に「主に朝鮮や沖縄出の女たちのたむろするごく殺風景な慰安所の前で、便所を待つ人々のように行列を作ることもできた。」という一文があります。
この作品が発行された昭和39年はまだ多くの証人がいた時代、これが一般的な認識だったのでしょうか?これも様々な問題を意識させる文章だと思います。


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この頃は外箱の裏に書評が印刷されていて、この作品では 三島由紀夫が「これこそが小説なのだ」と絶賛しています。
正直、そこまでの作品なのかどうか、僕には判断できません。
細部まで丁寧に書き込まれ 読み応えがありますが、かなりの長編であるにもかかわらず 大きなドラマが無いだけに 冗長に感じられる部分もあります。序盤のうちに この作品の世界に入り込めるかどうかが 最後まで読み通せるかどうかの分かれ道かもしれません。

しかし、僕にとっては 村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と並んで大切な作品で、これからもずっと本棚に並び続けると思います。



post by aozora

21:24

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『ルー=ガルー 忌避すべき狼』  京極夏彦

2011年11月05日

10月に 10年ぶりに続編・ルーガルー2 相容れぬ夢魔 が出たからなのか、9月に文庫版が発売。
僕が読んだのは古本屋で買った単行本で、数ヶ月前に買ってきたのだけれど、表紙に描かれている少女の絵を見ると読む気が失せ、そのまま放置してあったもの。
読み始めれば さすが京極作品、753ページの長編ですが 2~3日で読み終えました。

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21世紀半ばの近未来社会を舞台にしたSF小説。
ただ、数十年後がここまでバーチャルな世界になっているというのは想像出来ず、違和感あり。
読者から設定のアイデアを公募したせいなのか、いつもの緻密な京極ワールドとは少々異なる。
京極らしさはあるのだけれど、ストーリーやクライマックスも京極作品にしては薄っぺらい印象。
文章も展開もライトノベルのようで、物足りなかった。

しかし、未来の妖怪の正体も、やはり人間。
もっとオドロオドロしい妖怪が現れるのかと思いましたが、人間以上に怪しく怖いものはいないという事でしょう。
この辺はいつもと変わらない京極ワールドでした。

目の前に表れて戦った敵よりも、このような無機的な世界に導いていった人間達が、実は本当の妖怪なのかもしれない。


ところで、続編は単行本、ノベルス、文庫、電子書籍が同時に発売。
この4種のうち、どれがメインの媒体なのでしょう。
この世界に現実は着々と近付いているのかもしれません。


post by aozora

22:53

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