2007年12月03日
敵に廻したくない男,三浦俊也
長いシーズンが終わりました。
(何が長いかって,そりゃあ昇格マジック発生から昇格確定までが長かったんだよ~っ!)
【2007確定順位表】
順 勝点 勝 分 負 得 失 差
1 札 91 27 10 11 66 45 +21 優勝!&自動昇格
2 東 89 26 11 11 88 57 +33 自動昇格
3 京 86 24 14 10 80 59 +21 入替戦進出
4 仙 83 24 11 13 72 54 +18
5 大 80 24 8 16 72 55 +17
6 湘 77 23 8 17 72 55 +17
7 福 73 22 7 19 77 61 +16
8 鳥 72 21 9 18 63 66 -3
9 山 58 15 13 20 46 56 -10
10 愛 45 12 9 27 39 66 -27
11 草 42 7 21 20 42 71 -29
12 水 34 8 10 30 32 70 -38
13 徳 33 6 15 27 31 67 -36
順位表を見ると,あらためて「最小失点」の凄さを感じます。また,シーズン当初からの勝点目標90を達成しての昇格,という事実に三浦監督の戦略眼の確かさが伺えます。
その三浦監督ですが,J's Goal の(水戸戦後の)監督インタビューを読んで,2点ほど感心したことがありました。
ひとつ目はチームの規律作りという点,ふたつ目はJ1昇格後の戦い方が既に決まっている,という点です。 【規律】 三浦監督は「昇格というミッションを1年目で成功させた要因は? 」という質問に対してこう答えています。 運ももちろんあったと思います。やはり戦い方とチームの規律を決めて、基本的にやったことは目に見えてないような細かいことから始めました。新聞にも取り上げてもらいましたが、座席を変えたりとか。それが勝つかどうかは分かりませんけど。色んな人に『プロなのにそこまでやるんですか?』と聞かれますけど、でも、例えばクラブハウスが汚いだとか選手がだらしないとかは、そういうチーム状態を表しますし、強いチームにはなれないと私は思っているので、そういうことから一つ一つやりました。例えば変えたところは、言える範囲で言うと、クラブハウス内への雑誌や漫画の持ち込みを禁止したり、勝つか負けるかは別ですけど、そういうちょっとしたことから始めました 「言える範囲」が漫画だったら言えない範囲って何だ?とかはおいとくとしても,やはり札幌には,プロとしての自覚が足りない選手が多かったのですね(今も?)。ファンサービスとちやほやしてくれるファンに甘えることは違うんだぞ,おい,誰かさんよ。(←どうせ見ていないって(^^;) そういう生活指導の先生みたいな監督は今まで札幌にいたかと言うと,岡ちゃん,ヤンツーさんの2人だと思うのですが,この2人は長期政権というか,少なくとも複数年札幌にいて結果を出すという覚悟で招かれた人たちです。三浦監督は最初から,こんなことからでも始めないとダメだと分かっていてすぐに手を打っていたのですね。 【J1での戦い方】 「来年J1で戦うために必要なもの(は何か)?」という質問にはこう答えています。 ちょっと話はそれますが、我々、よく守備的なサッカーという言われ方をしていて、それがJ1で通用しないという言われ方をされますけど、私がJ1をやってる経験上、具体的な事例でそれを否定できるかなと思います。 と,J1大宮で実績のある監督ならではの発言です。 とにかく,「まず守備から」という点は昇格後も変えない,攻撃力はあくまでもプラスアルファの部分だ,ということなのでしょう。 このあと,世界のサッカー界の傾向としてワールドカップや欧州CLの話,日本のJ1の強豪チームは守備がしっかりしているが降格するチームは守備に難がある,という点に触れ,最後は資本力・人件費の話をしています。そういえばJ1から降格したときの札幌の守備は完全に崩壊していました。 就任直後「勝点90以上取れれば昇格は狙える」ということを説明し,札幌が昇格するための戦い方はこうだ,ということをスタッフや選手に納得させた男,三浦俊也。 その男が今度は,J1で戦うためにはこうする,という明確なビジョンを持ってチームをJ1仕様に作り変えようとしている。出来すぎの男,三浦俊也。敵に廻したくない監督,それが三浦俊也。
posted by ○た |17:39 | 赤黒戦士 | コメント(4) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
:敵に廻したくない男,オオドサなら安心★
こちらはまだ勝利の美酒のおかげでボーッとした週明けで、職場のスタッフから「風邪?」なんて
言われましたが「優勝です♪」と返事しときました、それに比べて○たさんの回復力と分析力には
敬服いたします。
>とにかく,「まず守備から」という点は昇格後も変えない,攻撃力はあくまでもプラスアルファの
部分だ,ということなのでしょう。
サッカーってスポーツは不思議で0点の抑えれば、少なくとも勝ち点1が付き相手に勝ち点3を
与えません・・・時々「攻撃は最大の防御」などと言いますがサッカーに関しては、この考えは
当てはまらない?・・・元々点の入りにくいスポーツですので、みうみうのしたたかさに来期も
期待しましょう☆
ようやくカツから解放?されて今夜は天然の平目と鮑のお刺身で、またまたコンサに祝杯です♪
コンサのおかげでチョッピリ贅沢してます!それにしても優勝って最高!!!
posted by 大阪の道産子| 2007-12-03 20:57
心配したくない男,○た
オオドサさん,どうも。(^^)
私もまだ回復してないですよ~。(^^;
昇格マジックの期間が長かったせいか,「安心論」が生活習慣になってしまったようで,すでに来季の安心要因を探し始めているのです。これって安心論病?(^^;
三浦監督はゼロから始めたのではない,ということも言えると思いますが,じゃあ札幌はどのようにゼロではなかったか,何ができていて何がだめなのか,ということがよく見えている監督なのだと思います。冷静な分析に基づいた明確なビジョンを持っていること。さらに,ここが一番凄いと思うのですが,それをチームに浸透させる能力。組織のリーダーとして大事な資質だと思います。
それにしても,一週間広島風お好み焼きを食べ続ける羽目にならなくて良かったですね。:-)
posted by ○た| 2007-12-04 00:17
Re:敵に廻したくない男,三浦俊也
確固たる理論を持つのは監督なら当たり前の話(チリチリとかは別にして)。
でも、それを具体的にチームに伝える能力はまた別のモノで、そういう意味では選手やサポーターにとって最も安心感のある監督ではなかったかと思います。
来年J1に残留するためには少なくとも勝ち点36が必要と踏んでいます。
が、今のうちくらいは幸せな気分でいたいですよね(笑)。
ところで、リンクさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?
posted by フラッ太| 2007-12-04 11:01
Re:敵に廻したくない男,三浦俊也
フラッ太さん,こんにちは。(^^)
>来年J1に残留するためには少なくとも勝ち点36が
>必要と踏んでいます。
私もそう思います。「最低36を意識して目標は40」といったところでしょうか。
財政状況を考えると,これからの数年間は,なんとか落ちないように踏ん張りつつ戦力・財政力をつけていくしかないんだと思います。だからあまり派手な補強はできないけれども現有戦力ではJ1残留は無理。その辺のバランスをどうやっていくかですね。
リンク,光栄です。私も張らせて下さい。もうしちゃいましたけど。(^^;
posted by ○た| 2007-12-04 12:06