2007年06月18日
債務超過と減資と
今シーズンの成績と裏腹に,苦戦どころの騒ぎではないのがコンサドーレの運営会社「北海道フットボールクラブ」です。 応援ファンドで少し話題になっていましたが,昇格するためには債務超過の現状を解消しなければなりません。 下の図が2006年末の財務状況(貸借対照表)ですが,なんていうか苦戦どころの騒ぎではないですね。。 貸借対照表 (2006年12月31日現在) 見慣れないところでは欠損金ですが,今までの赤字の累積額です。ここで赤字を出したことを宣言しておくと,あとで黒字が出てもこの分を差し引いてもらえたり(税金を安くしたり)できます。 誤解のあるところですが,実際に借金があって返していないというわけではありません。借金はその時々に,ちゃんと返しています(たぶん)。儲けてないのに返しているので資産が減って欠損金が増えていっているのです。 なお流動負債は札幌市,固定負債は北海道からの補助金がほとんどです。合わせて約10億円。
しばしば出てくる減資というのは,欠損金と資本金を相殺することで,
「資本金を使っていろいろやってきたけど赤字続きで欠損金が積み上がってしまいました。今後もこれを回収する見込みがないので,使ってしまった資本金は株主が責任を取ってあきらめます。」
ということです。実際に現金がわいてきて借金を消してくれるわけではなく,単に繰り越してきた赤字を整理するだけです。
例えば札幌市とか北海道が補助金を返さなくて良い,と言ってくれると,負債が10億円消えて,その分欠損金も消えます。こうなるのが,いわゆる債権放棄です。
ついでに,欠損金が資本金を上回っている状態が債務超過で,こうなるといつ倒産してもおかしくない状態ですが,HFCはこうなってから長いです。。
とはいえ,債務超過については,意外と楽観しています。 今シーズンの成績好調もあり,現時点で平均入場者数は10,900人とほぼ想定に近いところで推移しており,しかも上向きです。 このあと昇格が現実的なものとなってくれば,ブッチ切りになってもまさかの接戦となっても,おそらく目標は達成できるでしょう。 当然客単価も上がってきますし,その他収入もそれに伴って相応に得られるでしょうから,債務超過そのものは,おそらく解消するか小手先でどうにかすることが可能な額に納まると思います。 ただ,そのあとでも当然欠損金は残り続けるわけで,これが経営の足を重く引っ張ってくれることでしょう。 税金である補助金を踏み倒すわけにはいかないので,当然減資ということになるのですが・・・ 昇格失敗するなら迷わず減資すべきです。 が,昇格直前直後のチームで減資をして良いのか,というのが難しいところ。当然,経営陣は責任を取らざるを得ませんので,総入れ替えに近い状態になるでしょう。そんな中でJ1残留をするなんて,借金を返すよりも難しいように思います。 J1で収入を増やし,それ以上に運営費を増やさなければ,なんとかなる。。と信じて,石にかじりついてでも残留し続けるのが最初の選択肢と考えます。 減資をやるなら,考えたくはありませんが,次にまた降格するとき。 それまでに補助金頼みの運営から抜け出せるかが,その後の存続を分けるでしょう。 V3ファンドはそんなときのためにコツコツ貯めていきたいと思います。
posted by cudos |14:20 | 応援ファンド | コメント(1) | トラックバック(1)
スポンサーリンク
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/cudos/tb_ping/109
この記事に対するコメント一覧
Re:債務超過と減資と
そうなんですよね。
僕の応援ファンドも、いつか来るかもしれない減資、再建のための増資に備えて・・・という面があります。
究極的にはサポーターで基金を作って運用をしつつ、いざとなったらHFCごと買収してしまうっていうのもあっていいのでは、と思っています。
posted by ランダムウォーカー | 2007-06-21 22:40