2008年07月04日

タクシー規制

先日過当競争の例にひきだしたタクシーが規制強化へ方針転換です。

タクシー参入に歯止め=法改正で規制強化へ-国交省

規制緩和が2002年。6年で転換では朝令暮改といわれても仕方のないところですが,問題が起これば役所のせいにされるんですから,まあしょうがないところなのでしょう。

タクシー業界に市場原理が働かなかったのか,あるいは働いている過程だったのかは分かりませんが,この6年(大本営発表とはいえ)景気が順調であったにもかかわらず,タクシー業界の状況が好転しなかったことは確かです。再規制の動きが出てくるのはやむを得ないところだと思います。

規制緩和の代表というと京都のMKタクシーでしょう。
実際に見たり乗ったりしたことはないですが,聞くところでは清潔,丁寧,低料金で好評とのことです。で,その好評の結果はドライバーに回っているんですかね?

wikipediaでMKタクシーの項目を見る限りは・・・予想通りと言うところでしょうか。「エムケイの離職率は同業他社のタクシー会社と比べ異常に高い。」なんて見えます。
適当に理由を付けて未経験者を集め低賃金で雇用し,見栄えをよくする講習をしてから現場へ出して,理由を付けて経費として給料からさっ引く。なんか派遣でよく見る手じゃないですかね。

ちなみに,ドライバーの給料から天引きされるのは,

  • タクシーの燃料代
  • GPS装置代価
  • カーナビ代価
  • 健康診断費用
  • タクシーの整備費用
  • 車検費用
  • タクシーの保険代
  • 諸経費
  • 車両費と称する根拠不明なエムケイの取り分
  • タクシー車両の購入費の償還費

だそうです(Wikipediaより)。もちろん,あっさりドライバーに逃げられないように,最初に借金漬けにするのも忘れてないようです。ステキ♪

規制緩和の旗手からしてこうですから,ほかは推して知るべしなのでしょう。

再規制によってマシになるかというとそれもなさそうな。まだ具体的なものにはなっていませんが,減車とか総量規制とかのようですし,あんまり変わらないかなーという感じです。仙台市が先に同じようなことをしてますが,よくなった話は聞きません。
歩合給への規制と個人タクシーの開業規制を緩和といったあたりをしないことには,結局は同じだと思います。そもそも規制以前に労働基準法に従った雇用をさせる方が先ですが。

中途半端な規制や規制緩和は誰の得にもならないっていう良い例ってかんじです。

posted by cudos |10:45 | コメント(1) | トラックバック(1)

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/cudos/tb_ping/168
この記事に対するトラックバック一覧
フェラガモ 店舗 【フェラガモ 店舗】

タクシー規制 - | コンサドーレ札幌オフィシャルブログ

続きを読む
この記事に対するコメント一覧
自由競争と価格破壊

よく大手のスーパーなどの広告に「価格破壊」とあるが,何を持って価格破壊なのか,それはちゃんとした値段を守っている
業者があるから,その値段を破って「いい商品を安く消費者に提供する」という意味に私は解釈する。

しかし,実態は破格な値段で供給して業界を独占するのが目的で,人体に有害な物質が混入された粗悪品を提供している業者も
後を絶たないのが現状の様です。

 価格を守っている企業があるからこそ,価格破壊が成り立つわけで,もし本当に価格を破壊したいのであれば,いっそのこと
0円にすればいい,0円なら最強の商いができるでしょう。
それで尚かつ,人件費,材料費,その他諸経費が出て,会社にも利益をもたらせるなら,これ以上の強い商いはありません。
 よそより安く売るのであれば何の努力もしなくても売れる事は間違いないが,これは本当の商いとは言いがたいと思うのです。
本当の「商い」とは,いい商品を安く(無理に値切ったりせず,無駄な経費を省いた値段で)仕入れて,高く売る。よそに負けない
いい商品(サービス)を提供し,それに似合った料金を頂く事。

 これは,タクシー業界でも同じ事が言えます,資本主義だから自由競争があって当然かもしれませんが,全体が同じように納
得できる利益配分があって初めて成り立つことではないでしょうか。

 しかし現状では,「一方が得をすれば,もう一方が損をする」いつもタクシー運転手が貧乏くじを引いてばかりでは自由競争
とは言わない,ただの「暴君と奴隷」の関係でしかありません。

 結局自由競争による価格破壊の末,人件費や材料費を踏み倒して夜逃げするか運転手を食い物にして,借金地獄に陥れ,給料
からの控除項目を増やして利益を確保しようとする「悪徳タクシー事業者」が横行することになるのです。

 行政も規制緩和で新規参入を自由にした結果,タクシーの台数が増え過ぎて,通常停車台数2~3台とあるタクシー乗り場に
何十台もの客待ちタクシーで溢れかえり,各地で交通停滞を巻き起こしている現状を何と見る。

 ここではタクシーは,まるで悪者扱いで,それを追い払う正義の味方は交通課のおまわりさん,追っ払っても,追っ払っても
繰り返し,繰り返し列を作るタクシー,そこまでしてタクシーを排除するのなら,なぜもっと早くに台数規制をしないのか。
 これはタクシー業界にも大きな責任があると思う,自由に参入できる体制に甘え,無造作に車両台数を増やして目先の利益を
目論んだあげくの出来事で,各社とも稼働していない車両をかかえ,無駄な税金を払っているのです。

また,タクシー業界が「構造不況業種」と言われるのには,自家用車の普及,免許の普及があります,最近大抵の家庭には1台
~2台が普通になって来た事と,夜の飲酒客の需要も運転代行業がタクシー市場を席捲している事。30年前なら,自家用車の
普及も少なく,運転免許を持っている人は貴重な存在でした。

増して「二種免許」となれば高収入を生み出す素晴らしいものでした。だが今では,誰でも簡単に手が届く免許で,希少価値も
下がって,二種免許に誇りを持つ人も減りつつあります。

   今タクシー業界は「落ちて行く生産性」の中に有り,社会の有用性,貢献度などが落ちて行きつつあるのは,逃れられない
事実かも知れません。今一度原点に戻って,タクシーを再生する必要があるのではないでしょうか。
その方法として,なにも規制緩和に反対するだけでは解決策とは言えない気もします。
 なぜなら,規制強化をして,車両台数を制限をして,同一地域同一料金が実現出来たとしても,離れた利用者を呼び戻せる
事には繋がらないからです。

 規制が強化されると経営者も規制されて,経営手腕を発揮できなくなるかも知れません,またいくら経営手腕を発揮したから
といっても500円の料金では,あまりにも能がなく横暴すぎて運転手の生活を圧迫したり,運転手のみならず利用者の生命ま
でも危険にさらす結果となり悲劇を産んでしまいます。

何か新しいサービス,利用者が喜ぶシステムを開発することが,未来のタクシー業界を創造する方法ではないでしょうか。

posted by 角野 順一 | 2008-11-28 15:53

コメントする