2008年04月09日

CONSAISM clasics #39

clasics #39です。
この回と次の回は「何書いてるんだかわからないシリーズ」と勝手に名付けたい。


幼い頃から一人で何事かをしているのが好きな人間だった。

特に親が共働きだとか、一人っ子だったからとかいう理由ではない。でも引っ込み思案で臆病な、おとなしいタイプの性格だったことは間違いない。そしてそれはいまでもそうだ。自分が覚えている最初の記憶は、本を読んでいるところから始まる。一人で畳の上に腹這いになってページをめくっている自分の姿が、どこかおぼろげな記憶で保存されている。本を読むだけではない。一人でカセットテープを聴いていたり、一人でブロックで何かを黙々と作っていたりしていた。こういうことを書くと自分が暗い性格の人間であるかのように思われるが、実際そうだから仕方がない。それで今では、一人で散歩したり、一人で本を読んだり(これは変わらない)、部活や習い事も一人でできること(武道――剣道とか――なんて孤独なスポーツの極みだと思う)ばかりやってきた。人並みに野球やバスケットなんかのチームスポーツも好きだが、実際やるのは気が引ける。それで一念発起してやってみたり、学校の体育で嫌々ながらやらされたりしてみるとこれがまた案の定できない。球技なんてそもそもパスが回ってこない。下手なのをもう見抜かれてしまっているわけだ。そんなわけで、一番好きだった体育は無難に長距離走だったりする。でもやっぱり遅かったけど。

一人で何事かをするのが性に合っている、というのはスポーツやそれ以外の娯楽を見に行くときも同じことだったりする。札幌以外のフットボールの試合に限らず、野球でもバスケットでも映画でもひとりで見に行くことがよくある。面白いプレーや笑えるネタの話をしたくて「誰か誘って来てればなあ」と思うこともあるが、だいたい2,3秒すれば「ま、いいや」で済ませてしまう。そもそも面倒くさがりなところもあるのだけれど(面倒くさがりすぎ、という話もある)。そんなわけで、物心ついてからの生活というのは引っ込み思案で臆病→他人とのコミュニケーションが得意でない(もしくは人を選ぶ)という孤独ライフサイクルの悪循環をたどっている。まあこんな悪循環にはまりこむとろくな事はないので、やっぱり人と一緒に遊んだり、コミュニケーションをとる能力があるに越したことはないと思います。

さて、ここで今まで語っていることとは一つ矛盾が生じてくる。そもそもチームプレーが好きではない自分が、なぜチームプレーの上に成立するフットボールを好きになったのか、もう一つは、なんでこういう性格の自分がゴール裏で飛び跳ねたり叫んだりするようになってしまったのか、ということだ。チームプレーとしてのスポーツも突き詰めると個人のプレーに当たると思うけれど、それはそれで今ここで書きたいこととはベクトルが違う気がする。一人でいるということに違和感を感じなかった自分が、なぜ他人とのコミュニケーションを必要とする場所にわざわざ飛び込んで行って、人間関係だとか議論に時間を費やしているのだろうかと最近思うようになった。自分の中にある価値観に、何らかの転換がもたらされたと言えばそれまでなんだろうけれど、その転換のそもそもの起点はどこかと考えるとやっぱりゴール裏のことにつながる。どこかに今までの自分とは正反対の行動的な自分がいて、それがフットボールによって目覚めさせられたということなのだろうか。

と、ここまで書いてきてなんだか雲をつかみ霞を喰うような話になりつつあるし、これ以上考えていてもどうやら埒が開きそうにないのでとりあえずこの疑問はこれからも考え続けることにしてみる。厄介なことに、自分はこういった日々の生活に役に立ちそうもない、ある意味下らない疑問にはやたらと食いついて考えるので、しばらくはこのことが頭の片隅に残っていそうだ。ただ解っていることは、フットボールというスポーツには、いや、フットボールという社会的存在にはそういった自分の知らない自分を目覚めさせてくれる何かがある、ということだ。けれど人がなにがしかのタイミングで全く変わってしまうと言うことは良くある話なので、自分の場合それがたまたまフットボールだった、ということかもしれないけれど。というわけで自分を変えてみたいという人は、フットボールに限らず、大きな野望でも小さな事でも何か今までとは変わったことをやってみると良いんじゃないでしょうか、春だし、という無茶なまとめかたでこの話はとりあえずはおしまい――と。

posted by retreat |23:54 | classics | コメント(0) | トラックバック(1)

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