2012年03月25日
敗戦後の選手コメントから感じたこと
逆転負けを喫した選手のコメントから感じたことです ●岡本賢明選手(札幌) 「同点にされてからも、チャンスは作れていた。そこで決められるか、決められないかでやはり大きく違ってくる。攻撃と守備のどちらかというよりも、両方とも向上させていく必要がある。ただ、悲観する内容ではないので、いい部分はしっかり次につなげていきたい。次の試合が本当に大事になる」 やはり前節のシュートミスが精神的に引っ掛かってますね。 思いっきりのいいプレーよりも精密なプレーをしようとしているのでしょう。 1つ1つのプレーの精度を上げることは大切ですが、思いっきりのいいプレーができないと、はた目からは怖がっているように見え、自分の良さも消してしまいます。 岡本にはもっとミドルから、彼の最大の特徴でもある意表を突くようなタイミングでのシュートを期待しています。 ●内村圭宏選手(札幌) 「やはり失点の時間帯が良くなかった。去年までだったら、あそこでしっかり守れていたが、耐えきれなかった。ただ、攻撃のところでもっとチャンスを作れていれば状況は全然違ったはず。先制してからも積極的に追加点を狙っていかなければいけない。J1では無失点で勝つことはなかなか難しいと思うので、攻撃の選手としてはもっと得点を生み出さなければいけない。次に向けてまた、いい準備をしていきたい」 攻撃の選手から真っ先に出たのが守備の感想ですか。 確かに、このゲームの勝敗の分かれ目であったことは間違いありませんが、攻撃の場面でもっと行かなければならないと思うのなら「自分はこういう攻撃をしたいからもっとこういうパスをよこしてくれ!」という要求をもっとしてもいいんじゃないかと思います。 前田に合わせるばかりではなく、前田が俺に合わせろ・・・くらいの傲慢さをFWとして、もっと出してもいいんじゃないかと思います。 ●山本真希選手(札幌) 「得点の場面はトラップミスだったが、シュートで終わろうと思い切って蹴ったのが良かった。ただ、勝利につなげることができなかったのは残念。今日もたくさんのサポーターが来てくれてたので、何としても勝かった。内容面ではそんなに悪い感じもなく、チームとしていいプレーができていたと思う。でも、J1のチームは一瞬の隙を見逃さない。細かな部分を突き詰めていきたい」 山本は自分の特徴をしっかりと出し、結果を出してきているので自信は失われていないことを感じました。山本がシュートに行くためには、彼の積極的な前線に絡むプレー意識はもちろん必要ですが、彼より前の位置にいる選手がいかに相手DFをサイドやゴール前まで引っ張り、山本にいい位置で一瞬でもフリーのスペースを与えられるかということですね。 しかし、このパターンも次節はしっかり相手も研究してくることでしょうから、山本のこの動きを逆にオトリとして、前の選手にゴールを決めてほしい。 ●榊翔太選手(札幌) 「監督からは、どんどん裏に抜け出してシュートを狙えと言われた。最初のプレーが大事だと思っていたので、積極的に仕掛けたが、クロスがちょっと弱くなってしまったのが悔しい。浦和はレベルの高い選手が多く、いい経験にはなったが、やはり結果につなげていかなければいけない。もっと考えながらプレーしていく必要があるので、改善していきたい」 榊は若さを前面に出し、今のコンサドーレに一番足りなかった前への推進力と気迫を体現してくれました。 ゴールはなりませんでしたが、相手DFにとってこういう勢いのある、がむしゃらに来る選手は絶対にやりづらい相手であり、今のコンサドーレの前線に一番欠けている部分です。 一番気になったのが彼のコメントの最後にある「もっと考えながら・・・」 という言葉。考えすぎて彼の良さをみずから消してしまう・・・そう、今の岡本のような消化不良のプレーになってしまわなければいいんですが。 ●河合竜二選手(札幌) 「守備のところは、そんなに悪い内容ではなかったと思う。ただ、全部が全部、ボールを奪いにいくのではなく、ブロックを作って守るところももっと必要だった。チームとしてどう守っていくのかというところに、今日はちょっとズレがあったと思う。ただ、また試合があるので切り替えていかなければいけない。しっかりと修正して次の試合に挑みたい」 守備的には一瞬のすきをつかれてやられてはいるものの、総崩れせずに踏みとどまれているのは河合の貢献度が高いです。全体のバランスを見てしっかりチームをコントロールしようとしているあたりはさすがキャプテン。 昨日は浦和相手にパスカットからのショートカウンターがチームの狙いの一つであったんでしょうが、なんだかそればっかりでとにかく素早くボールを奪うことばかりを意識しすぎて空回りしていたようにも感じました。 相手チームにとって、同じ単調な攻撃のリズムで来られるよりも、もっと変則的なタイミングで仕掛けられる方が怖いのではないでしょうか? チームの決まり事だけを必死に守ろうとして、相手の脅威にならない攻撃を展開し続けているように感じました。 意表をつくという意味では、最後のセットプレーのホスンの上がりからのヘッドは、まさに実践できた部分です。ゴールにはつながりませんでしたが、しっかりとゴール前でシュートまで持って行けました。 ああいうリスクを冒してでも1点取りに行くという姿勢は非常に大切なことだと感じながら、個人的には昔のディドを彷彿させてくれたので懐かしさも感じました。 ところで、前田のプレーは賛否分かれるところのようです。 結果が出ていない以上、批判されても仕方ないところですが、単調になりがちなコンサドーレの攻撃の中で、私は彼のリズムを変える攻撃スタイルが相手にとって守りづらい攻撃も生み出していると思います。 彼のプレースタイルは運動量ではなく、一瞬のひらめきなのですからそういう部分を理解しないでみると、サボっているように感じる人がいるかもしれませんが、私はあれでいいと思っています。 (過去、クライトンのプレーでも賛否分かれたことがありましたが、あの時を思い出します) チームとしての約束事はあっても、ピッチ上の局面での判断は選手に委ねられています。そこでどんな判断をしてプレーするのか? 昨日の試合で結果はともかくDF以外の選手の中でそういう判断がしっかりとできているのは、前田・山本・河合・榊くらいしかいなかったように思います。 私としては、まず向上させてほしい個人のプレー精度はそのあたりです。
posted by ykk-i |05:00 | チーム強化への提言 | コメント(0) | トラックバック(0)