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2015年02月19日

再び「三たて」の茹でたて

津軽ソバのような例外を除くと、ソバは茹でたてが一番に決まっていると思っていましたが、面白い話を読みました。

21年前に閉店した有楽町更科の四代目、藤村和夫さんの著書「蕎麦屋のしきたり」では、「更科蕎麦の茹でタテは、全く美味しくありません」「水が切れるまで待っていなくてはなりません」「早くメシャガりたければ種物(温かい汁もの)が無難です」「箸でほぐし、ときどきつまんでゆっくり一杯やるのが最高です」と書かれています。

更科蕎麦は、1番粉(中心部分のデンプン質が多い粉)で、しかも小麦粉をつなぎを使うので、伸びにくいソバだそうですから、こういうことが言えるようです。

事実、藪は出前をしないけど、更科は(現在は違うと思いますが)出前が主体のお店ということで、伸びにくいソバだというのは納得です。

もっとも、具体的に何分後が良いのかはっきり書いてないし、著書にも「ご自分の好みまで・・・」と書かれています。
たぶん、5分とか10分とかいうレベルでしょうし、何時間たっても美味しというはずはないし、いずれにしても、伸びてしまったソバは美味しいわけではないですから、その程度の待ち時間でしたら「茹でタテ」の範疇に入ると言えなくもないと思います。

使う粉によって、伸びるのが早い・遅いがあるのを知った点では、この本はとても勉強になりました。

わざわざ待つこともないと思いますし、「白いソバはゆっくり食べても良い」くらいに考えて良いのではないでしょうか。

1番粉+つなぎに小麦粉を2割入れた白いソバです。
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やっぱり私は黒いソバの方が好きですね。


posted by かもめ |10:52 | 料理の神髄 | コメント(2) |