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2008年12月18日

ありがとうでは足らない言葉。

知り合いの誰もいない札幌に来たのがほぼ6年前。

この地を離れる時、「この街が大好きだ!」と泣けるくらい頑張ろう。


そう願った。


わずか20名くらいの登録しかなかった私の携帯電話の登録件数は、いつのまにか400件以上の登録になった。

それは、1度しか連絡を取り合うことがなかった取材をしてくれた記者さんであったりとか。

しまふく寮の工事関係のものがほとんどなのだけれど。


小さい子供を公園に連れて行くのが日課で、仕事を離れていた私が札幌に来てそれだけ多くの人と話したという目安になった。


離れていった選手と大半は、連絡を取り合ったりすることもないけれど。

コンサというフォルダを開くと懐かしくなるメンツばかり。

どーしてるかな?

元気にやってるかな?

子供出来たってきいた。よかったな。とか。

しまふく寮にいたときのたわいもない会話とか。

撮った写真とか。

その時の匂いとか。

空気感とか。

一人一人たどって思い出があふれ出てくる。



誰をとってもステキなメンツなのだ。




先日、平岡くんとマーカスくん、エジを寮から見送った。

実家に帰っていく選手たちを見送って。

冬休みに遠征に行くユース9名を見送った後、



私たちもしまふく寮を卒寮してゆく。




畳み込むように過ぎてきた毎日。

そこには、たわいもない会話に笑い。

試合に勝てない不安な時間を共有し。

練習生を向いいれ、そこから新しい出会いになったり。

ほとんどの選手が来年もいるという保障がほとんどない場所で。

一緒にすごしている今をどれだけ素で過ごしてもらえるのかが私の課題だった。






しまふく寮は、みんなの家であること。







甘えたり甘えられたり。もちつもたれつ。

弱みも強さも。笑顔も涙も。

和やかも喧騒も。

しまふく寮にはある。



彼らの胃袋を料理で満たしながら、私は、彼らの存在で満たされて お腹いっぱい になった。



大半の選手は、食堂で長い時間くつろいだり。

食事が終わると部屋でくつろぎたい選手もいたり。

ブログに載せても大丈夫だろうと思う子でも、

ひっそりといたいだろうと思えばおもしろいエピソードをぐっとこらえたり。

やりばのない想いや涙をブログにぶつけてみては載せないこともしばしばで。




そうやって、しまふく寮通信を綴ってきた。


つたなくて、文法的に問題があっても。

あっこさん頭いまいちだから勘弁ね!で。綴ってきた。


何より、私の気持ちを文章に変える事で私をすっきりさせてくれたしまふく寮通信。


私の日記そのものだ。



たくさんのアクセスでいつの間にか330万アクセスになった。

怖くもあり嬉しくもあり。


札幌は、私の想像以上にたくさんの経験を与えてくれた。

今、6年を振り返りながら真っ先に思うのは、厚別競技場での「しま福」だ。


たった9回の売店とはいっても。


もっとも不安で、もっとも楽しい場所になった。


売店の営業前日には、決まって夫婦喧嘩が恒例行事。


ぴりぴりムードいっぱいだ。

だけど、終わると究極に疲れた体が気持ちよいこと。

帰りの車中は、ホンワカムードになってた。


去年の厚別競技場は、いつだってとてもいいムードだった。

いつも読んでいるブロガーさんに会えたり。

おつりを渡す時、お客様の手をわざと触らせてもらったり。

がんばってねと声をかけてもらえたら有頂天で。

売れ残った冷めてしまっているさつま揚げを家で食べるわと買って帰ってくださる方。

いそべ焼きを焼くのが思った以上に大変だったけど、いそべ焼きを楽しみに来てくれる方がいる限り俺は焼き続けると鬼寮監のいそべ焼きに燃えていた寮監。

3つの大きな寸胴の鍋が実は、微妙に味が違ってしまったり。

中華丼のあんかけが大量だと難しい事に当日気がついたり。

出来上がったルーがさらさらでやばい!と慌てて必死のパッチであくせくしたり。

お客様が暑い中でも、寒く凍える中でもたくさん並んでくださって、お怒りどころかあったかい言葉までたくさん頂いて。

いろいろ行き届かなかった事、申し訳ございませんでした。

ですが、やらせていただいてあれ程、意義のある売店をやらせて頂けた事がなにより私の励みになりました。

今年、営業に踏み切らなかった事を改めてお詫び申し上げます。


選手達との出会いや、会社の人たちとの出会い。

しまふく寮のスタッフ。サポーターの方々との交流。

ブログもしまふく本もラジオもテレビも新聞も。


ずっと続く事のない今だから、なるべくなんでも挑戦してみようとおもいながら過ぎてきた毎日。

それは、全て出会いとなって私の経験となった。



今まで、経験した事がないアクティブでアグレッシブでハードワークな毎日は、私のかけがえの無いステキな財産になった。


コンサドーレ札幌での経験は、決して忘れはしないし、挑戦することを拒まなくていいということを学べた。



選手達に言い続けた「今はずっと続くわけじゃない」という言葉を自分に繰り返してきた。

これからもそう思いながら好奇心をもって頑張っていけたらと思っている。




長い間、しまふく寮通信をご愛読下さって本当にありがとうございました。




今日で、しまふく寮通信は、終わりになります。



しまふく寮の後任は、以前キーパーでやっていた蛯沢匠吾が寮監としてやっていきます。


出る方向になるだろうという時から、彼に寮のノウハウを教えてきました。

スタッフも増やしました。

彼は、必死でいろんな事を学んでいます。


彼になら託す事が出来るとおもったのです。


まだ若くご心配もされるかもしれませんが、どうか温かく見守って欲しいと思います。

私も手探りでやってきた仕事です。彼も手探りしながら切り開きながらやっていくでしょう。





コンサドーレを愛する皆様とブログを通じて時間を共有できたこと、大変ありがたく思っております。


離れてもコンサドーレを応援していくので、場所は、変わっても一喜一憂の気持ちは、共有のままです。




皆様のご発展とご多幸を心より願っております。




感謝しています。とか ありがとうとか。どんな言葉も足りません。

最後となるブログを綴りながら、どこか実感の湧かないままで、言葉に変えられているのかと思っています。



間違いなく言える事は、




 私にとっての分岐点が札幌だったという事です。

  コンサドーレも札幌も大好きだと心から思って札幌を出ます。


  

        願った事を現実に変えることができました。



        
              








               心の底からありがとう。











posted by murano |17:54 | お知らせ | トラックバック(35)