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2007年01月11日

祖母の死に思うこと

昨日、祖母が亡くなりました。88歳の長い人生でした。
祖母の思い出と、祖母への思いはたくさんありすぎてココに書ききれるものではありませんが、祖母の体に癌が見つかってからのことを少し書いてみたいと思います。

あれはちょうど2年前。僕の母から、当時の僕の勤め先からすぐ近くの病院に祖母が入院したとの知らせがありました。そして、母だけでは検査の結果を説明されてもわからないからと、僕が同席することになり、そこで主治医から、十二指腸に癌があるとの説明を受けたのです。しかし、手術をするには高齢であること、そして癌のある場所が非常に難しい場所であることから、抗がん剤による治療を行うことになりました。

抗がん剤治療は、1週間から10日程度入院をして治療を行い、経過が順調であれば退院をし3週間から1ヵ月自宅で普通に暮らすというもの。治療はそれなりに順調でしたが、祖母の自宅は最北の稚内。しかも祖父もまだ健在で2人で暮らしているため、退院すればやはり稚内に帰り、入院となればまた札幌に出てくることを繰り返す生活となりました。そして、その生活に2年間付き合ったのが僕の母でした。母は4人の兄の下に生まれた長女、しかも稚内に祖母の世話をできる者がいないとなれば、それは必然のことでした。夏は車で、冬は高速バスで、何度札幌‐稚内を往復したかわかりません。母の苦労も相当のものだったはずです。

そして祖母の体調が変わり始めたのは、昨年の秋からでした。次第に抗がん剤が効かなくなってきたのです。主治医からはもっと強い抗がん剤に代えたほうが良いと言われ、母と母の兄達との間では意見が別れ、当の祖母はもうこれ以上苦しい思いをしたくないと口にするようになったのです。今年のお正月はなんとか稚内に帰り新年迎えることができましたが、最後は病院にも行きたがらなかったそうです。

僕は医療関係者でもありませんし、医療に精通しているわけでもありません。ただ、1人の癌患者の身内として思ったのは、医療とは、人を生かす医療ではなく、人が生きる医療であって欲しいということです。ただベッドで呼吸をしているだけの為に、高額な医療費を費やし、本人や家族が苦しい思いをすることが本当の医療なのでしょうか。それぞれの立場があるでしょうし、僕も自分の親や妻、子供がそのような立場になったらまた考えが変わるかもしれませんが、少なくても今はそんな気持ちにさせられた祖母の死でした。

祖母が入院して間もなく、長男のランドセル姿を見せにお見舞いに行ったのがついこの間のようです。そしてこの春、次男のランドセル姿を見せにいく約束をしていたのですが・・・。
明日は祖母の通夜です。

posted by kabao |22:10 | My life my family | コメント(0) | トラックバック(0)