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2008年06月17日

『黒と茶の幻想』  恩田 陸

20080607-01.jpg

弘栄堂書店 地下鉄店は 7月11日で閉店 
札幌駅周辺は 大型書店が集中したから 
中途半端な規模の店は 経営が苦しかったのだろうな 

その 弘栄堂書店 地下鉄店の 恩田 陸コーナーにある 
若い女性店員さん2名で選んだ オリジナルのベストテン 

 1位  麦の海に沈む果実 
 2位  上と外 
 3位  蛇行する川のほとり  
 4位  光の帝国 ~ 常野物語 
 5位  黒と茶の幻想 
 6位  三月は深き紅の淵を 
 7位  ネバーランド 
 8位  6番目の小夜子 
 9位  ロミオとロミオは永遠に 
 10位  象と耳鳴り  


こういうランキングは 選ぶ人の好みだから 良いも悪いもないのだけど 
他の人が何を選ぶのか 結構気になるものだ 

で 『黒と茶の幻想』 です 



『三月は深き紅の淵を』 という本に 絡んでいます 

10数年前に 200冊だけ発行された 幻の本 『三月は深き紅の淵を』 
その第一部が 「黒と茶の幻想 ~ 風の話」 
4人の壮年の男女が ある島を旅しながら 
様々な謎の 謎解きをしていく というストーリーらしい


この本も 基本的な構成は同じ 
幼なじみや 学生時代の友人 40歳を目前にした 4人の男女が 屋久島を旅する 
縄文杉と 伝説の桜を 目指す旅

テーマは 「非日常」  
やはり 様々な謎の謎解きをしながら話は進むのだが 本筋は推理ではない
 
4人の名前を冠した4章からなり 各章はそれぞれがテーマ 
4人の 過去 と 日常 
4人の 謎 と 想い 
それらが 屋久島の 奥深い森の 幻想的な雰囲気の中で 
複雑に 密接に 絡まりあい 魅力的なストーリーが紡がれる
 
非日常だからこそ 漏れ出る 本音 
その中から見えてくる 真実
深まる 疑惑
全てがすっきり解決する訳ではないが それで良いと思う



文庫本ではなく 単行本で読んで欲しいような 
贅沢で 上質な 大人の作品です 




恩田陸は 素晴らしい ストーリ-テラーだと 改めて実感しました 
僕の中では 現時点で 恩田作品の一番です


 

posted by aozora |20:36 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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