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2008年04月08日

『三月は深き紅の淵を』  恩田 陸 

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「もっとすごい!! このミステリー」の 第19位 
恩田陸作品としては 唯一 ベスト40に ランクインしています 


10数年前に 200冊だけ発行された 幻の本
『三月は深き紅の淵を』 をめぐる 4つの短編からなる オムニバス 


僕が手にとっている 『三月は深き紅の淵を』 (ここでは「リアル三月」とよぶ)は
 第1章	待っている人々 
 第2章	出雲夜想曲   
 第3章	虹と雲と鳥と  
 第4章	回転木馬    
の4章構成

対して 作品の中に登場する 『三月は深き紅の淵を』 (同じく「幻の三月」とよぶ)は 
 第1部	黒と茶の幻想 (風の話) 
 第2部	冬の湖    (夜の話)
 第3部	アイネ・クライネ・ナハトムジーク (血の話)
 第4部	鳩笛     (時の話) 
の4部構成 


「リアル三月」 のそれぞれの章は 「幻の三月」 で繋がっているが 
それぞれ独立したお話しで 連作という訳ではない 
それぞれの章に登場する 「幻の三月」 は 別々の本だと思う 
各章で それくらい 違っている 

第1章は 幻の本探し 
第2章は 不明だった作者探し 
第3章は 動機探し 
第4章では 「リアル三月」 の作者である 恩田陸を思わせる人物が登場し
「麦の海に沈む果実」 に続く 理瀬の話などと共に 
その心情 思いが一人称で 重層的に綴られる
リアル恩田陸と 幻の恩田陸?


「リアル三月」 の本領は 第4章にあると思う 
正直 第1章から第3章まで読んだときには どうやって終わらせるのかな? 
またラストで裏切られるのかな? と 心配になったのだが 
第4章......  意表を衝かれた 


「幻の三月」は いつか書いてみたい という究極の作品の象徴 
作者の憧れ なのではないかな 


独特の雰囲気のある作品です 
好き嫌いが かなり分かれると思います 
僕は 結構 好きです

posted by aozora |00:19 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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