2011年04月29日
窓から
リビングの窓から、 ほんの少しだけ見える、お隣さんのガレージ。 そのガレージから、颯爽と自転車で飛び出して行く、 少年の姿を時々、見かけることがある。 時々といっても年に数回、偶然見かけるだけなので、 その度に、少年の成長に、変化に驚かされる。 坊主頭だったのが、ロン毛になっていたり、金髪になっていたり、 まだあどけなく幼く見えていた少年は、 いつも全速力で、いろんな階段を駆け上って行く。 もうずいぶん少年の姿を見ていないなぁと、思っていたある日の朝だった。 リビングの窓の、揺れるカーテン越し、 短く髪を切りそろえ、スーツに革の鞄を抱え、 少年は普通に現れた。 やんちゃに肩で風を切っていた少年は、いつの間にか大人の顔で、 だけど、まるで昔と同じように、颯爽と自転車で飛び出して行った。 春は始まりの季節。 しまふく寮通信2が始まった、しゅんピーが卒寮した。 春は始まりの季節。 続く悲しい出来事に、胸が張り裂けそうになっても、 下を向いてばかりはいられない。 人は傷つくたびに、強くはなれないけれど、 楽チンな人生なんてないから、 何度でも、立ち上がる。 泣きながらでも、立ち上がる。 スタート、そしてリスタート。
posted by た |15:40 | ボール | トラックバック(0)