2009年06月19日
地下鉄
普段、あまり乗ることのない地下鉄に、 しばらくの間、乗る機会が続いた。 たとえば、早朝。 こんな早い時間は、もっとガラガラかと思えば、 意外と混んでいたりして、それが少しオドロキだったり。 足りない睡眠を補うかのように、目を閉じているサラリーマンと、 元気いっぱいに、おしゃべりしている小学生が、 同じ空間にいることが、なんだか妙にフシギだったり。 走る走る地下鉄。 あの頃、仲間と過ごした町の駅も、 痛いくらい、胸を焦がしたあの街の駅も、 今はもう、降りることはない。 走る走る地下鉄。 隣に座る人も、目の前に立つ人も、 互いに何も知らない、遠い人・・・他人。 たぶんきっと、二度と出会うことのない人たち。 もしも偶然、どこかですれ違ったとしても、気付くことさえない。 そんなとりとめのないことを、 眠り誘う心地良い揺れに、ウトウトしながら、 窓の外の黒い景色を、ぼんやり見つめながら、 ふと思う、朝のひととき、 地下鉄の中。
posted by た |19:40 | うひ | トラックバック(0)