コンサドーレ札幌オフィシャルブログ

2006年08月30日

「聖地」厚別再考

 歴史的な試合が行なわれた地
 ある分野の熱烈なファンが彼らにとって重要な意味を持つ場所

「聖地」とはそういう意味を持つらしい。

誰が厚別を「聖地」と言い始めたかはわからない。
私ははじめからアウェーサポだし、2000年まで厚別の試合に行ったことはない。

厚別を「聖地」という呼ばれ方がされているのを知ったのは1997年だろうか?
前年からコンサは21連勝して「不敗神話」を作っている。
一方で、これと引き換えに18億円の赤字を出したことも事実である。

この「聖地」厚別という言い方、時間の経過とともに変化を感じる。
今シーズンの使われ方はこんな感じだろうか。
『浮き沈みの激しいチーム状況で、次の「聖地」厚別で負けることは許されない!』
うまく表現できないんだけど、何かおすがり宗教的な感じがする。
そこで試合をやれば、奇跡でも起こるんじゃないかという気にさせられる。

確かに「不敗神話」の頃の厚別に行った人であれば、奇跡を信じるだろう。
それにふさわしい試合もあっただろうし。
私も厚別以外の場所でそれに近い体験をさせてもらった。

ただ、今のコンサを見て、あえて「聖地」厚別の意識付けをするべきだろうか?
私も過去のエントリーで意識付けをしたことがあるが、間違っていたように思う。
思いつくままに理由をあげてみる。

1、「不敗神話」はあくまで下部リーグでのものである。
  トップリーグでの話ではない!

2、「札幌ドーム」が出来て厚別での試合が減った。
  ドームと厚別の併用時代に入った。

3、コンサ自身が運営方針を転換した。
  「五段階計画」を立ち上げて、過去と決別した。

他人の表現を借りますが、コンサは2003年を境に過去に見切りを付けました。
だから、今が本当の意味での「手作りのチーム」の育成途中です。
それは選手だけでなく、サポーターも同じこと。
「新しい歴史」作りのまだ3年目です。
特に古くからのサポーターは、それについて行けるかどうかが問われています。
離れてしまう人も多く出るかもしれません。すでに動きはありますが…

18億円の借金を直視せず、「聖地」厚別という言葉だけが一人歩きする。
当時はよかったかもしれないけど、今考えれば大きな「負の遺産」です。
今の選手にわかってもらえるんでしょうか?
わかってもらえる説明ができるんでしょうか?
説明できるのであれば、その中身を教えてほしい。

彼らには彼らのチームとしての選手としての歴史を作ってくれればいいです。
それをサポートできることのほうが楽しいと思いませんか?

posted by equip |15:15 | コンサドーレ(~09) | コメント(2) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:「聖地」厚別再考

うまく表現できないですが

歴史あるものは(たかが10年と言えど)かならず起点となるもの、原点となるものがあります
コンサドーレにとってのホームスタジアムの原点は厚別です
自分はそういう意味での聖地だと思っています

チームとしてその基点となる場所に特別な思いを抱いてほしい
闘ってほしいと思うことは 間違いではないと思います
もちろん 聖地だから今更軌跡が起きるなんてことは思っていませんけどね
ただ チームの象徴となりえる物は必要だと思いますし
現段階でそれがドームだとも思えません

じゃ なぜその聖地がアドバンテージにならないのか!って言われると
黙り込むしかありませんがね(笑)

確かに裏を見ていけば負の遺産もあるでしょうが
それは時期としての負であって
スタジアム自体にマイナスとなるものは存在しないと思います

また 今のコンサドーレの存在も
そういった負の遺産も含めた一つ一つの歴史の積み重ねの結果ですし
前を見ていくにしても 良くも悪くも過去という財産は必要なものだと思います

ついつい 熱弁になってしまいましたね
すいませんでした・・・

posted by yasu | 2006-08-31 14:05

Re:「聖地」厚別再考

>yasuさん
難しい問題でのコメント、ありがとうございます。

「歴史的な試合が行なわれた地」という意味では厚別は札幌でコンサドーレ札幌の試合が最初に行なわれたスタジアムです。
そういう意味での「聖地」というとらえ方は可能でしょう。
ですからyasuさんのおっしゃるように「原点」であるんだということには私も異論はありません。

私が気にしているのは、今、この「聖地」という言葉が変に尾ひれがついて一人歩きしているということです。

ここから先が悩む所なんですが、今の札幌の選手は厚別だけの時代の人が出戻りの池内選手だけです。あとの選手はドームとの併用の時代です。
あと、サポーターもそうで、岡田監督2年目の2000年以前とJ1時代でドームができた2001年以降のサポーターの意識の持ち方にはズレがあると思っています。
2000年以前でも岡田さんの前と後に分かれるかもしれません。

yasuさんも私も「不敗神話」を知るサポーターでしょうから、歴史の共有は簡単にできると思います。
でも、特にドームができてからサポーターになった人に対して、昔(と言っても10年もありませんが)のことをどのように伝え、共有していくのかとなるとこれという答えが出てきません。

チームの象徴がドームではないということも私は同じです(現在、コンサの事務所がありますが)。
さらに、石水さんがサッカー専用スタジアムを作るという話が聞こえてきました。
本当だとするとますます迷ってしまいます。

まとまらないんですが、要は選手・スタッフ・サポーターが「聖地」という意味を共有できるかどうかだと思います。
ただ、yasuさんのいう表と裏の両方を押さえることは大事でしょう。
特に育成途上の若い選手にどう伝えるかは大きなテーマでしょうね。

厚別で普通に勝てているのであれば、こういうことを考える機会はなかったと思いますが…

posted by equip| 2006-08-31 18:01

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