2011年11月17日
(再び?)妄想ストーリー。タイトルは、ない!
妄想が止まらないので、忘れないうちに書いておこう、と(笑)
シチュエーションというか・・・お話?
今回は「彼」、自分のイチオシさんなどで概ね変換可能となっております。
(もちろん、私の中では・・・ですけど、意外と変換できるじゃん!と)
本当に短いのだけれど・・・「12月3日。」
ピッチの上にボールを置いた彼は、ふぅっと大きな息をひとつ吐いた。 ボールに向かっていた目線を上げ、札幌ドームのスタンドを見渡す。 サポーターの声は大きなうねりとなって、彼の耳に確実に届いている。 しかし、彼には音として聞こえていない。 いや、聞こえていないわけではない。 耳に届く音を飛び越えて、心の奥で鳴っている響きにかき消されているのだ。 「遂に、ここまで来たか・・・」 誰に伝えるでもなく、ふと口をついてそんな言葉が出た。 ここに来るまで、いったいどれくらいの時間を費やしただろう。 この瞬間を迎えるまで、いったいどれくらいの人に助けられただろう。 ─── ここまで、けっしてすべてがうまくいったわけではない。 むしろ、うまくいかないことが多かった。 自分でもどうにもならない、どうしようもない歯がゆさ。 ただがむしゃらに走ったこともある。 ただ声を張り上げたこともある。 心の中のもやもやを、とにかく掻き消すために。 家族に当たったことだってあった。 いらつく気持ちを抑えられず、時には冷たい態度をとったこともあった。 それでもいつも傍にいて、見守ってくれる人がいた。 それだけがただ、ありがたかった。 チームが変わりはじめた時、同時に自分も変わりはじめていた。 劇的にプレーがよくなったわけでもない。 特別なことは何もしていなかったはずなのに。 その本当の理由は、実際のところ自分でもわからない。 ─── チームメイトが振り返り、手でボールを蹴るように促す。 その顔には、もう、厳しさはない。 笑顔に満ちて、チームメイト全員が最後の瞬間のために声を出し合っている。 気づけばみんなが、彼を見つめていた。 もう一度大きく息を吐いて、彼も笑った。 手を大きく振りあげて、チームメイトのアクションに応える。 二歩だけ後ろに下がって、ボールを思い切り、すべての思いを込めて蹴りあげた。 緩い弧を描いて、ボールが大きくタッチラインを割る。 主審の長い笛の音が、札幌ドームの中に響き渡る。 一瞬の静寂。 そして、湧き上がる歓声。 あるものは、両拳を高く突き上げる。 あるものは、近くにいた仲間と抱き合う。 あるものは、飛び跳ねて喜びを爆発させる。 彼は。 限界まで闘ったその身体は、動くことすらできなくなっていた。 跪き、拳を握りしめ、ぐっとピッチに押し付けた。 芝の感触を確かめるように、力を込める。 肩を震わせ、熱いものがこみ上げてくるのを何とか奥に押し込める。 チームメイトの叫ぶ声。 彼に覆いかぶさるように、抱き上げるように、輪が広がる。 スタンドからは、いつまでも歌が聞こえる。 これからが、本当の闘いだ… 掴んだ光の先にある、さらなる高みへ…
遅延行為?とか、細かいことは気にしないー(笑)
妄想だけど、ぜひ現実に!ね!