2016年03月16日
『小説・震災後』 福井晴敏
「こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか。」 『亡国のイージス』 や 『終戦のローレライ』 の 福井晴敏の作品で、 東日本大震災直後の 2011年6月から同年11月にかけて 週刊ポストに連載されたものです。 震災後の状況が ほぼリアルタイムで書かれており、ノンフィクションではありませんが、震災後の緊迫感、人々の不安、心の闇が 行間にあふれています。 文庫化に際し、敢えてタイトルに “小説” を冠していますが、小説という形を借りて 作者の思うところをストレートに書いているという雰囲気で、未来に向けて立ち上がろう、前を向いて進んで行こう というメッセージが 熱く伝わって来ました。 東日本大震災から5年が過ぎ、計画停電があった事、Fkushima 50 と呼ばれた 生命を賭して最悪の事態を防いだ69人の作業員がいた事など、忘れてはいけないのに 忘れてしまいそうな事を 改めて 思い出します。 解説を 石破茂が書いていて、この解説も良かったです。
posted by aozora |21:49 | 本の話 | コメント(5) | トラックバック(0)