2010年09月23日
【映画】 悪人
昨日、レイトショーで観て来た。 「鉄道員」や「自転車泥棒」など、昔のイタリア映画を思い出した。
生まれ育った小さな町の国道から離れられない女、家の前の海に閉じ込められている男、どうしようもない閉塞感から逃れるために誰かと出会いたいと願い、淋しさから逃れるために寄り添う悲しさ。 登場人物ひとり一人の中に、日々の生活、働くこと、親子の問題、友人関係、セックス、愛情など、様々な問題やテーマが描写される。 そこから漂ってくるのは 平凡な生活の中で部屋の隅に溜まった埃の匂い、汗の匂い、香水の匂い、ギョーザの匂い、雨の匂い、草いきれ、潮の匂い、それらがの入り混じった複雑な闇の匂い。 僕もそんな匂いの中で生活している。 いったい誰が本当の「悪人」なのか? 誰もが ちょっとしたきっかけや行き違いで悪人になる可能性を持っている。 深津絵里も良かったけれど、妻夫木聡も良かったし、樹木希林や柄本明はもちろん、岡田将生や満島ひかりも良かった。 残念だったのは 妻夫木の顔に何日経っても無精ひげが伸びなかったこと。 逃亡中には剃れないでしょう? 今朝、『義経』(司馬遼太郎著)を読み終えた。 『義経』の最後の1ページには、奇しくも 「――悪とは、なんだろう。ということを一様に考えこまざるをえなかった。」とあった。 善と悪、いつの時代にも難しいテーマなのだろう。
posted by aozora |09:56 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0)
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