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2010年01月31日

【映画】 オーシャンズ

多くの時間と予算をつぎ込んで撮影しただけあって、素晴らしい映像がたくさんあります。

鰯の群れを 海中から襲い掛かるイルカと、上空から急降下して襲い掛かるカツオドリ。
波打ち際に向かう孵化したばかりの海亀を狙う海鳥。
海底の海藻をワサワサと食べるジュゴンや海亀。
折り重なって脱皮する(らしい) 数万匹の蟹の大群。
シャコとカニの戦い。
目にも止まらぬ素早さで獲物を丸呑みにする烏賊や魚たち。
海面を飛び跳ねながら泳ぐイルカの大群。
幻想的なクラゲの群れ。



ただ、この映画はドキュメンタリーを謳っているにも関わらず、過剰なほどの演出がある。



そのひとつが 音。映像の持つ迫力をより効果的にするためなのだろうけど、様々な効果音が使われて、“こんな音はしないだろう” と 時に違和感すら感じさせる。
他には 多分合成なのだろうと思われる映像。海を泳ぐイグアナに 宇宙ロケット打ち上げの映像が重ねられ、ゴミだらけの海を泳ぐアザラシが海面に顔を出すと 夕焼けに浮かぶ工場群が重ねられる。(海を泳ぐイグアナの映像は ガラパゴス諸島だよね、多分。)
CGもある。大荒れの海から ハリケーンの雲の中を通って上昇し 宇宙から地球を見下ろすシーンは CG以外には有り得ないだろうけど、こういう映画でCGを使ってしまうと、実際に撮影した映像までCGなのではないか と疑われてしまいかねない。
魚網にひっかかって苦しむマンボウや海亀、イルカのシーンに続いて、殺されたイルカの血で海が赤く染まるシーンがあって、これは多分 太地のイルカ追い込み漁を扱っているのだろうけど、扱い方はあまりに一面的で一方的。
最悪なのは 海に沈む鮫の姿。フカヒレを取るために鮫を捕まえ、ヒレと尾だけを切り取って不要になった鮫の身体を海に投棄し、泳げなくなった鮫が海底に沈んでも もがき続けるというシーンがあるのだけれど、あの鮫はロボットらしい。非常に印象的なシーンなだけに悪質だ。

エンドロールの中で 「撮影のために動物を傷付ける事はしていません」(文言は正確ではないが、こんな内容)と表示されているのだが、これは 作品中に演出があるという事を意味しているのだろう。エンドロールが始まると席を立つ人も多い状況の中で、それに気付く人が 果たしてどれくらいいるのか。


全体としては 環境破壊に警鐘を鳴らしたいという姿勢なのだろうけど、後半はあまりにもメッセージ性が強く、その為の演出は “やりすぎ”。
あのシーシェパードが関係しているのかどうかは判らないけれど、シーシェパードのプロパガンダ映画ではないか と疑うほど。
途中から“観なければ良かった”と思い始めた作品でした。



posted by aozora |08:02 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0)

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