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息子がサッカーを始めたのでサッカーを観るようになり、1997年のフロンターレ戦でコンサにはまりました。自分自身は全くの素人です。観戦はSB席。ホームゲームの半分はCVSやってます。

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『隠蔽捜査』   今野 敏

2008年09月27日

20080905-00.jpg

キャリア警察官僚が主人公 という繋がりで、今回は 『隠蔽捜査』です。





'''以下、ネタバレあります。 注意!  




主人公である竜崎伸也は 東大卒のキャリアで、現在は 警察庁長官官房の総務課長。
彼にとって 大学とは東大しかない。一流私大に合格した息子を、東大へ行けと浪人させる。
彼にとって 出世することが最優先。上司の息子と付き合う娘に、この縁談は自分の出世にとっても都合が良い と平気で言い放つ。
彼にとって 仕事が何より大事。妻が家族の事を相談すると、国家の事を考えるのが俺の仕事、家庭の事はお前に任せる と突き放す。
竜崎は 父親として、夫として、最低の男だ。

彼は 自分は使命を帯びたエリート官僚だ と信じている。
彼は 目標を達成するために 能力の無い部下をばっさりと切り捨てる。
彼は 出世コースから外れた同僚を小馬鹿にする。
竜崎は エリート意識がプンプンと匂う 本当に嫌な奴だ。


しかし、警察を揺るがす連続殺人事件と 息子の不祥事という二つの事件を通して、次第に竜崎は変わってくる。

清濁あわせ呑む、長いものに巻かれる、という処世術を拒否し、周囲との軋轢、摩擦が生じることを厭わず、原理原則を貫こうとする竜崎。初めのうちは融通の利かない唐変木、変人だと敬遠したくなるのだが、読み進むにつれ、ここまで徹底すると逆に小気味良くなり、応援したくなってくる。

竜崎にとって、官僚として真面目に働き出世する事 = 国を守る事 = 家族を守る事であり、また、いかなる場合でも正義を、自分の信念を貫く事が最善 と本気で考えていることが分かってくる。それは決して建前でもきれいごとでも理想主義でもなく、彼にとっては 至極当たり前の事なのだ。

息子が不祥事を起こしたとき、そんな竜崎にも迷いが生じる。周囲の言うとおりに穏便に処理すれば 自分の出世に影響する事は無い.....悪魔の囁きだ。しかし、いろいろな打算や計算を巡らしつつも、息子の事件に正面から対処し、常と変わらずに筋を通したことで、彼に微妙な変化が生じ、父親として夫として立ち直る。この辺が この作品のポイントであり、面白いところ。
そして、警察全体を巻き込んだ事件に際しても 下手な小細工はせずに 原則を貫いて正々堂々と対応したことで 警察の危機を救う事になる。


警察小説の主人公の多くは 現場で働く刑事、警官であり、往々にしてキャリア組は自己保身に汲々とし、現場の邪魔ばかりをする鼻持ちならない奴らとして描かれる。
竜崎も鼻持ちならないという点では同類だが、少々違ったタイプである。この変わり者のキャリア官僚というキャラクターを主人公に据えたところに この小説の面白さがある。

組織の対面保持のための隠蔽工作 というのがこの作品の表題だけど、本筋は 竜崎という少々変わったエリート官僚の物語です。


post by aozora

18:36

コメント(1)

この記事に対するコメント一覧

野風

Re:『隠蔽捜査』   今野 敏

2008/09/29 21:48

東大卒のキャリアと云えば。 大沢在昌の『新宿鮫』の鮫島警部、最新作でも警部なのだろうか?テレビから本と映画になった『相棒』の杉下右京これも警部、脚本家が複数存在する。この二人は東大卒としては落ちこぼれ。佐々木譲の『検察庁から来た男』の藤川警視正は三十代ということなので、東大卒なのかもしれない? 確立は高い! ほかの作品にも東大卒のキャリア刑事が活躍しているのだろうか? 昨日の雨は北区方面では確認されず?

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