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2008年04月09日

『笑う警官』   佐々木譲

20080409-00.jpg


いつのコメントだったか 定かではないのだが 
野風さんが “面白かった” と書いていたように記憶していて 
先日 古本屋で見つけたので 読んでみた 

北海道在住の作家なので 以前から 読んでみようと思っていたのだが 
なかなか 手に取るチャンスが 無かった
というより 「題名に惹かれなかった」 というのが 正直な感想かな
「もっとすごい!! このミステリー」 には
『エトロフ発 緊急電』が 13位に ランクインしているが 
この手の題名の本には 何度か裏切られており 触手が伸びなかった 
警官シリーズは この数年ですよね


この 『笑う警官』 は 札幌と 北海道警察が 舞台 
Ⅰ警部事件 (拳銃のやらせ摘発、覚醒剤使用等々) と 
北海道議会でも厳しく追求された 裏金問題が ベースにある 

大まかなストーリーは
 警察が使用しているアジトで 現職美人婦警の 他殺体が発見された 
 道警は 百条委員会で証人喚問される予定の警察官を 犯人に仕立て上げ 
 見つけたら即射殺 という とんでもない指示を発令する 
 それに疑問を感じた同僚数名が 秘密裡にチームを組んで 
 その警察官の無実を証明し その命を守ろうとするのだが
 タイムリミットは 翌日の午前10時 
 時間が無い!!


『新宿鮫』の 鮫島のような スーパー刑事ではなく 
組織に振り回される しがない普通の警察官が 主役 
等身大であるため 感情移入がしやすく 共感できる部分が 大きい 

札幌が舞台で 大通やススキノ周辺に限らず 馴染みの場所が 数多く出てくるのも 
この小説の世界に すんなりと入り込める理由のひとつなのだろうけど それだけじゃない 

仲間の絆 裏切り 様々な駆け引き 
果たして 裏切り者は誰だ? 真犯人は? 
スリルとスピード 緊張感の中で 
思いがけない しかし 妙にリアルなストーリーが展開される 
 

それにしても 組織を守るためには 一警察官の生命など 問題ではない という 警察の論理 
まさか 事実ではないだろうが 
あそこなら やりかねないな と思ってしまうところが 怖い 

警察組織に限らず 防衛省や 官庁 政治家なども 同じようなものだろうけど 
昨今の 食品偽装事件などをみると 民間も 五十歩百歩か?



posted by aozora |21:49 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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