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2016年03月01日

『ゼロの迎撃』  安生 正

前作 「生存者ゼロ」は 作者のデビュー作で、第11回このミス大賞受賞作。
北海道や札幌を舞台にしている事もあって、途中までは 面白かったのだけれど、ネタバレした時点で 興醒め、ガッカリな出来でした。


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この本は それに続く2作目で、中国の陰謀に操られた北朝鮮の精鋭部隊が 東京壊滅を狙ったテロを起こす というストーリー。
北朝鮮軍が核砲弾を入手するという展開や、米軍との集団的自衛権の問題などは なかなかタイムリーです。
敵の陽動作戦に簡単に惑わされる 平和ボケした日本、政局や保身が優先し 危機管理のできない政治家、法律上の制約から常に後手に回る自衛隊の対応、マスコミが声高に叫ぶ 報道の自由や国民の知る権利により 敵に筒抜けになる自衛隊の作戦行動 などという展開は、こうしたテーマを扱った作品では ありふれたものではあるのだけれど、この作品は 奇をてらっていない事もあってか、隣国やテロ組織が本気で攻めて来たなら 本当にこうなるかもしれないという妙なリアリティがあり、結構 怖い。
前作同様、後半の展開が今一歩で、少々アラも目に付き、ラストも ちょっと違和感を感じたのだけれど、腹を括った総理大臣の 自衛隊員に対する熱い檄 は良かったし、結局は 北朝鮮や中国による攻撃だとはせずに 正体不明のテロ組織による犯行として納めようとする日本政府の弱腰外交などは いかにもありそうで、なかなか面白かったです。


posted by aozora |20:21 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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