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2014年09月25日

【映画】  そこのみにて光輝く

今年4月に封切られた時には さほど話題とならず、モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門で 呉美保監督が 最優秀監督賞を受賞したことで 再上映されています。
先日、シアターキノで観て来ましたが、小さな館で、上映回が少ないという事もあり、満席でした。

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久々に観た 単なるエンターテイメントではない 映画らしい映画でした。




以下、ネタバレあります。





社会の底辺で 切羽詰って 喘ぎながら 必死に生きている人々を描いており、全体に トーンは暗いです。貧困の連鎖という事が言われますが、それを地で行くような 切なく やるせないシーンの連続です。
しかし、昇りくる朝日の中で 泣き笑いの表情を浮かべる千夏(池脇千鶴)、それを静かに受け止める達夫(綾野剛)、ラストシーンで救われます。

綾野剛の静かで抑えた演技が良かった。綾野剛は 陰のある役の方がハマりますね。
池脇千鶴の身体を張った演技も素晴らしい。池脇千鶴は ちょっと崩れかけた体型が役どころにぴったりとハマっていましたが、この役の為なのだとしたら その役者根性は素晴らしい、地だとしたら ちょっと残念。
この2人にも増して 千夏の弟・拓児を演じた菅田将暉が良い。チャラい中にも哀しみと家族愛を感じさせる演技が とても良かったです。
憎らしい敵役を演じる高橋和也も上手いですし、火野正平もしっかり脇を固めていました。

本当に観て良かったと思う映画でした。


函館を舞台にしていますが、おしゃれな観光スポットなどは出て来ません。
函館の裏、陰の部分が協調されている事に 反感を持つ人も多いでしょう。
しかし、ちょいの間付きのスナック(既に この意味が判らない人も 多いかもしれません)なんて、ほんの少し前まで ススキノにもありましたし、崩れそうなあばら家で生活している人だって大勢いるわけで、そうした現実を知らない人、見ようとしない人には 理解できない世界でしょうし、受け入れられない映画かもしれません。

タバコを吸うシーンや セックスシーン、暴力シーンも頻繁に出てくるので、PTAや いわゆる世間の良識派の方々からは 猛烈に批判されそうです。
だからこそのR15+指定なのでしょうけれど・・・・。



posted by aozora |21:13 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0)

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