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2014年02月18日

『くじらの彼』 『ラブコメ今昔』  有川浩

先日来の豪雪被害の最中、秩父市からの自衛隊災害派遣要請を 埼玉県知事が断ったそうで。
阪神淡路大震災の際は 村山首相が自衛隊への災害派遣要請を渋って 救助が後手に回るという事がありましたが、自衛隊に対する認識、アレルギーは 東日本大震災を経ても なお 変わっていないという事なのでしょうね。
せっかくの組織なのだから、上手く使えば良いだけの話だと思うのですが、そんなに簡単なものではないのでしょうか。
現在も 山間部を中心に通行止めや停電などの被害が続いているようですが、早く復旧すると良いですね。


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どちらも自衛隊を舞台とした短編集で、タイトルそのまま、ベタ甘でハッピーエンドなラブコメのオンパレードです。
登場人物は陸海空、階級も様々ですが、そこは自衛隊員、皆 同じような匂いを持っているのはご愛嬌でしょう。
ただ、自衛隊という特殊な世界で働いている隊員も、一人一人は本当に普通の人たちで、それぞれに個性があり、お酒を飲んで恋をして、優しい人もいれば意地の悪い人もいるという当たり前の事が、自衛隊に馴染みのない人たちには新鮮だと思います。

1年後にはすっかり忘れているような どうって事の無いストーリーばかりですが、「塩の街」「空の中」「海の底」の自衛隊三部作の番外編もあり、結構面白い。
“潜水艦から久し振りに陸に戻って来た隊員は 非常に臭い” というような自衛隊に関係するエピソードの多くは本当です。
この年齢になってこんなラブコメ読んでどうするの、と言われそうですが、気分転換の為にも こんな肩の凝らない軽い作品も良いです。



『ホット・スクランブル~緊急発進~』  高野裕美子 

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航空自衛隊ものという事で読みました。
超高性能の未来型シミュレーターがタイムマシンとなり、訓練中に30年後へタイムスリップするというアイデアは面白く、スクランブルや戦闘のシーンもそれなりに迫力があって、軽快に読み進めました。
ところが、連載中に 人気低迷で打ち切られたような 強引で唐突な終わり方。
いろいろな伏線が張られていたのに、あれもこれも全てが中途半端なままで、これほど読者を無視した作品も珍しいと、ある意味 驚きです。
夏見正隆の”スクランブル“シリーズも 結構突っ込みどころ満載ですが、これはその比ではありません。
単行本は2006年、文庫化は2013年。
尖閣列島が日中間で問題となっているというタイミングだからこそ文庫化されたのであって、そうでなければ静かに消えていた作品だと思います。



posted by aozora |23:23 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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