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【国籍】日本 【生誕地】北海道 【生育地】ほぼ北海道 【居住地】札幌 【別宅】網走 【性別】おじさん 【年齢】団塊の世代 【表の顔】自由業 【裏の顔】芸術家 【体型】中肉中背ややメタボ 【性格】沈着冷静を装う小心者 【見た目】凶暴、冷徹、無愛想 【長所】好奇心旺盛 【短所】愛想がない 【表彰歴】なし 【逮捕歴】なし 【大病歴】なし 【サポーター度】中の上 【サッカー理解度】中の下 【観戦場所】アウェイ側B自由席 【所属会員】日本ヒマラヤ協会 【趣味】読書、アウトドア全般 【好きなフィールド】知床 【スポーツ歴】野球、体操、登山 【特技】どこでも寝られる 【座右の銘】あんた此の世に何しに来たの 【好きな言葉】どうにかなるさ 【好きな季節】夏 【理想の生き方】晴耕雨読、時々やる気 【好きな食べ物】納豆 【嫌いな食べ物】生牡蠣 【読書の傾向】ミステリー 【マイカー】キャンピングカー 【マイチャリ】アルプスローバー 【霊の存在】信じない 【超能力の存在】信じる 【占いの類】信じない 【UFOの存在】信じる 【神の存在】半信半疑 【やりたいこと】四国88八箇所徒歩巡礼 【その他】リンクフリーです
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2008年03月20日
「くだらない話し垂れ流し週間」ということで、今日のくだらない話しは、山好きおじさんが昔々のある夏、仲間たちと岩尾別側から羅臼岳方面に登ったときの話です。
午後の遅い時間に登山口である木下小屋の横で出発準備をしていると、近くを子牛ほどもある大きさのセントバーナード犬(以下、面倒なので「セント」と称する)がウロウロしていました。ご存じのとおり犬好きのおじさんは、え? ご存じない? いえ、おじさん大の犬好きなんですが、その犬好きのおじさんがセントに、ちょっとこっちにおいで、という念を送ると、セントは、まるで10年振りに旧知に出会ったという風情ですっ飛んできました。このセント、最近シャワーも浴びてないのか、かなり臭います。 おめえ臭せえな、とか、名前なんていうんだ? とか、おめえオスか? メスか? どれ見せてみろ、とか言いながら、頭をド突くなどしてしばらく遊んでやりましたが、いつまでもそんなことをしているわけにもいかないので、よしよし、お前もう帰れ、とセントに命じて、おじさんたちは登山道に足を踏み入れました。ところが、すっかり友達気分になっている、このバカセント(後に正真正銘のバカと判明)、おじさんたちの後をトコトコ付いてきたのです。 セントは、最初は控えめな態度で後ろを歩いていましたが、やがて、おじさんたちの横をすり抜けて先頭に立ち、時々、こっちでいいんですよね、だんな? という感じでおじさんの方をチラチラ振り返りながらドンドン先に進んで行きます。そして、先に行き過ぎて姿が見えなくなってしまいました。 チャンス。 おじさんは他のメンバーに目配せし、パーティ全員(と言っても3人だったと記憶していますが)で登山道横のブッシュに身を潜めました。数秒後、セントは呼吸も荒く、脱兎のごとく駆け下りてきました。犬は嗅覚が鋭いので、隠れていても相当汗をかいているおじさんたちに気付くだろうと思いましたが、なぜか、そのまま横を通り過ぎて駆け下りていきました。自分の体臭がきつすぎて自慢の嗅覚も麻痺しているようです。 セントのあまりの慌てぶりが可笑しくて大声で笑うと、その笑い声に気付いて、今度は必死になって駆け上がってきます。そして、おじさんたちにまとわりつくと、ああ、よかった、おじさんたちの姿が見えなくなって、ボクびっくりしちゃったよ、という顔をします。 そんなことを二度三度と繰り返すうちに本日の泊り場「弥佐吉水」に着き、おじさんたちはテントを設営しました。 テント場の周辺を走り回っているセントの荒い息がおさまらないので、おじさんがコッフェルの蓋で水を汲んできて与えると瞬く間に飲み干してしまいます。この行為がいけなかったのか、セントは、もうあなたから離れません状態になってしまい、そのうち立ち上がってじゃれついてきます。立ち上がると、ゆうに175センチ以上ある巨犬です。セントは、もう帰る気はないようです。 さあ困りました。 この巨犬に食わす飯はありません。あるのは自分たちの分だけです。さっきテントの中に進入しそうになったので、自分たちだけテントの中で隠れて食うのも不可能そうです。本人はパーティの一員になった気でいるようで、時々、夕飯まだ? という目で、おじさんを見ます。 どうする? この犬、殺る? 殺って、食っちゃう? 不穏な空気が弥佐吉水に漂いました。と、上から鈴の音が… 誰か下山してきたようです。 おじさんは、某水産会社の魚肉ソーセージを手に下山者に駆け寄りました。中年女性の二人組です。セントが必死の形相でおじさんを追ってきます。巨大動物に追われてくる人影を見て中年女性二人組は、ギョッとして立ちすくみました。ワンっ。セントが啼きました。中年女性二人組は、それで巨大動物が犬だと気付いたようです。 おじさんは、これまでの経緯を中年女性二人組に話し、ソーセージを餌に登山口まで誘導して行ってほしい、と頼みました。幸い犬好きの女性だったようで、セントの巨体に臆することなく快く了解してもらえました。 セントは、これまで遊んでくれた恩を忘れ、鼻先に突き出されたソーセージに釣られて、夕暮れ迫る登山道をしっぽを振りながら下山していきました。 ああ、よかった… 弥佐吉水で泊まった翌朝、おじさんたちは羅臼平から羅臼岳本峰には登らず、三ツ峰方向へ足を進めました。古い話なので何の目的があって、そっちに向かったのかは記憶にありません。たぶん、そっちに向かう何らかの理由があったのでしょう。そうでなければ行きませんから。 話の核心は、そんなことではありません。三ツ峰方面で何らかの目的を果たして、おじさんたちは羅臼平に戻り、そこで心地良い風に吹かれながら這松を枕に昼寝などをむさぼりました。登山シーズン真っ盛り。周りには多くの登山者がいます。 さて、そろそろ下りるか。 おじさんたちは、羅臼平から涸沢に向かって下山を開始しました。涸沢の地形は、羅臼平から下ってすぐの上部が岩が露出した急斜面になっています。いたのです、そこに。 誰が? って、ヤツがですよ、ヤツがいたのです。 ヤツって? ヤツですよ、あの巨犬セント。あのセントが、鼻を地面に擦りつけるようにしてクンクン鳴き、目の前の急斜面を前に右往左往していたのです。 すぐに事情を察知しました。四つ足動物の場合、大抵の急斜面は、その四つ足を駆使して駆け上がりますが、下りとなると、つんのめるような姿勢になるので、登れたところでも下りられなくなるのです。 おじさんは、セントに声をかけました。「おい、どうした、セント」 セントが、おじさんの方を振り返りました。目が合いました。セントの記憶が急激によみがえったようです。セントの目が訴えてきます。 ああ、昨日のおじさんだ、おじさんに会えて良かった、実はボク、いま窮地に堕ちいているの、わかる? 目の前の急斜面が怖くて下りられないの、怖いよ、ボクどうしたらいいの? ねっ、ねっ、おじさん助けて。 こんなふうに訴えられたら、あなた、どうします? でしょう? それしかないでしょう。おじさん、ザックを仲間に預けて背負いましたよ、推定体重80キロのセントを。 ヤツは、当たり前のように前足を肩に掛けてきて、あろうことか、生臭い息を首筋に吹きかけるとともに、大量のヨダレを垂らしてきます。 想像してください。肩に体重80キロの巨大動物の前足がのしかかり、その前足が、あなたが頼りよ、という感じで無気力なくせに、地面に付いている後ろ足が必死に地面を蹴っている状況を。 おじさんの登山歴において、これほど危険な下山はありませんでした。必死の思いでセントを担ぎ下ろしたおじさんは、安全地帯に達して尻餅を付きました。精魂尽き果てる、というのは、こういう状態なのでしょう。 そこにいたって、セントも自分が助けられたことを理解したようです。おじさんの顔を臭い舌でペロペロ舐めてきます。腹が立ったおじさんは、ヤツの横顔にフックを喰らわしてやりましたが、ヤツは、それを愛情の表現だと勘違いしたようです。おじさんは、柔道の背負い投げの技を試みましたが、逆に体重80キロに押しつぶされてしまいました。 と、その時です、女子高生ワンゲルふうの団体が横を通過したのは。 その中の誰かが言いました。「わ~あ、かわいい、セントバーナードだ」 セントは、この言葉に機敏に反応しました。垂れていた尻尾がピンと立ちます。他のところも勃っていたかもしれません。 その後のセント? ヤツは、女子高生ワンゲルふうの団体に尻尾を千切れるように振って、後を追いかけて行きました。 後日、この犬は、近くの工事現場の飯場で防犯用に飼われている犬だということが判明しました。人なつっこい、あの犬が防犯犬とはね。 古い話です。あのセントもこの世を去って、今頃は天国で相変わらずバカをやっていることでしょう。地獄に行っている? ヤツなら地獄でもバカをやってますよ。 と、おじさんは、思うわけです。
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