スポンサーリンク

2011年11月23日

【映画】 ラピッド・ホール

親より先に死ぬのが一番の親不幸 だといいますが、その通り。
我が身に そんな状況は想像したくないけれど、この映画は 子供を事故で失った夫婦が それを乗り越えていく過程を描いた作品です。

我が子を失った喪失感から どうやって立ち直るか。
思いは同じでも、その方法や方向性は違っている。
そのすれ違いから起こる 更なる悲劇の予感。

飛び出して来た子供を轢いてしまった高校生。
彼もまた 罪の意識に苛まれている。

簡単な解決の道などありません。
そうした中で 母のアドバイスは的確です。
悲しみはいつまでも消えないが、時と共に姿を変える。
重くのしかかる大きな石が、ポケットの中の小石くらいになる。
時々忘れる事もあるくらいにね。

最後まで 何も特別な事は起こりません。
お互いの思いやりと時間だけが 解決へ到る道なのでしょう。
最後のシーン、友人や子供がいる当たり前の風景が この夫婦が前へ踏み出すための最初の一歩。
ストレートなハッピーエンドではありませんが、よい映画を見たという余韻が残りました。


ニコール・キッドマンの抑えた演技が、心の葛藤をよく表現していました。
アカデミー主演女優賞にノミネートされただけの事はありますね。


続きを読む...

posted by aozora |23:58 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0)