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2008年04月07日

『いのちのパレード』  恩田 陸 

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「不思議な、あやしい、ありそうにない話。
 しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語。」

というのは 村上春樹の 『東京奇譚集』 の帯に書かれている 『奇譚(きたん)』 の説明文 
多くの作家が 彼らなりの奇譚集を書いているが 
この 『いのちのパレード』 は 恩田陸版の奇譚集


早川書房の 異色作家短編集のような 無国籍で不思議な短編集を作りたい、という思いで書かれ 
ミステリーのような SFのような ファンタジーのような ホラーのような 
様々な色合いの 15の短編から成っています
ただ 15編の中には 面白いものもあれば 残念ながらそうでもないものまで 
これも様々 

ひとつひとつの短編のことを書くと ネタバレになってしまうため 書かないけど 
「観光旅行」「蝶遣いと春、そして夏」「夕飯は七時」「かたつむり注意報」「夜想曲」 などは 良かった

どこかで読んだことがあるな 見たことがあるなと感じる作品も 少なからずある 
過去の作家へのオマージュとして書いた場合 どうしてもそうなるのかな?


恩田陸の場合 複雑に張り巡らされた伏線で 途中まで大きく期待させるのに
それに見合ったオチ ラストが無い というのが かねてから不満なのだけど 
短編の場合 それほど期待が膨らまないため 失望も小さくて済むし
短編集なので ひとつ ふたつに裏切られても それ以外がカバーしてくれるため 
全体としてはまずまずの満足感でした  





posted by aozora |21:16 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)