2010年04月21日
『1Q84 BOOK3』 村上春樹
BOOK2で自殺したと思われていた青豆が生きていた。
となると、BOOK2の最後に現れた空気さなぎの中の青豆は何を象徴していたのだろうか。
注意! ネタバレあります。
BOOK1・2で語られたディープな世界が、BOOK3では天吾と青豆の純粋なラブストーリーに収斂する。 夜空に浮かぶ二つの月、猫の町、空気さなぎ、リトルピープル、姿の見えないエネーチケーの集金人、処女懐妊など、異次元的、観念的なエピソードは出てくるが、基本的には極めて現実的な物語が綴られる。 牛河に独立した章を与えた事で 現実感がより強調され、サスペンス小説のようだ。 という事で BOOK1・2の神秘性は薄れ、帯にある「更に深く、森の奥へ」というコピーは期待はずれ。 青豆が生きていた事から予想される結末に向かい、シンプルなストーリー展開でハッピーエンドに落ち着くのだが、僕としては正直 物足りなかった。 1Q84のBOOK4はない と思う。 残された謎は謎のままで良い。 年が明けたら1Q85だしね。
posted by aozora |23:35 | 本の話 | コメント(4) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:『1Q84 BOOK3』 村上春樹
ある意味で期待はずれ?
でも面白い!
これは恋愛小説?
だった??
今夜は半月です。
posted by 野 風| 2010-04-22 20:40
Re:『1Q84 BOOK3』 村上春樹
>野風さん
BOOK3の冒頭で青豆が聞いた声は、BOOK2の最後で天吾が空気さなぎの青豆に向かって呼びかけた声だったのでしょうか?
BOOK1&2が 僕の好きな春樹ワールドだったので、その延長で来る事を期待したのですが、ノルウェーの森方向にハンドルを切った感じがしました。
判りやすいし 面白いのは 確かなのですが、もっとディープな、それこそ「更に深く、森の奥へ」分け入って欲しかったですね。
posted by 青空| 2010-04-22 23:32
Re:『1Q84 BOOK3』 村上春樹
フカエリの体は天吾と青豆にとって、トンネルのようなものであった。だから声が聞こえ青豆が身ごもった。
『ノルウェーの森』この秋映画公開のはず読み返してみたいと思います。『3』は『ノルウェー』を思い出させる……
ハイジーも森の中から出たらしい、ハルキさんも森の奥には入らなかった。
5月5日担務予定です宜しく。
posted by 野 風| 2010-04-23 08:48
Re:『1Q84 BOOK3』 村上春樹
>野風さん
BOOK3での ふかえりのポジションはそうですね。
その後のふかえりも気になります。
しかし、牛河。
あそこで紡がれる空気さなぎは どうなるのだろう?
posted by 青空| 2010-04-23 20:23