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2008年08月26日

『街の灯』   北村 薫

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この書名になっている『街の灯』は、チャップリンの名作『街の灯』。

この作品の時代背景は 昭和7年。 
チャップリンの『街の灯』が 封切された頃だ。

映画 『街の灯』のラストシーン
眼の治ったバージニアの前を ボロボロに落ちぶれたチャップリンが通りかかる 
バージニアは笑いながら小銭を恵んでやろうと チャップリンの手を取る
その手の感触から チャップリンが自分の恩人だと気付く...

この名シーンを あのように解釈するというのは ショックだった。 
でも、人間として そういう感情が表れるのは 決して不自然ではないし、
むしろ その方が 正直な気もする。 
そんな想いを踏まえて、もう一度あの映画を観てみたいと思った。


この本を読んで一番心に残ったのは このシーンだな。
 


士族出身の社長令嬢が、謎の女性運転手 ベッキーさんの協力を得ながら いろいろな事件の謎解きをしていくというシリーズものの第一作で、この本には 3篇が収録されているのだけど、推理小説としては少々物足りなさが残りました。 
ただ、昭和初期の上流社会を舞台にしたこのシリーズの持つ雰囲気は悪くないし、ベッキーさんの正体も気になるので、この続編である『玻璃の天』は とりあえず読んでみようと思います。 

posted by aozora |20:59 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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