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2007年11月26日

『しゃばけ』  畠中 恵

20071126-00.jpg


薬種問屋長崎屋の若だんな 一太郎と 彼を取り巻く 妖(あやかし)たち のお話しです
妖怪変化が登場するお話なのに おどろおどろしいところが無く
むしろホノボノした雰囲気があります 
幼少時から病弱で すぐに寝込んでしまうくせに どこか飄々とした性格の 若だんな
妖たちのキャラ設定も どこか憎めない 可愛らしい雰囲気です 

文章も難しいところが無く 時代背景なども特に関係なく読み進められるので 
サクサクっと読み終えました 

その分 ミステリーとしては物足りなさが..... 

最後の展開も どうかな .....と 


まぁ この本はしゃばけシリーズの最初のお話で 登場人物と背景の紹介がメインという事でしょう 
60分のテレビドラマの第一話という雰囲気です 
シリーズ合わせての作品として評価すべきでしょうね 


 
眷属(けんぞく)や付喪神(つくもがみ)という呼称が出てくると思い出すのが 陰陽師の安倍晴明 
夢枕獏の小説 『陰陽師』 で一躍有名になりましたよね 
安倍晴明は 式神を使って 様々な事件を解決していきます
しかし どちらにも人殺しなどがあるにも関わらず 小説の雰囲気はかなり違います  
主人公である安倍晴明と 長崎屋の若だんなの キャラクターの差が 大きいかな  




と ここまで書いたものの エントリーしないまま 1ヶ月ほど 非公開で放置してありました 
理由は... 何となく...物足りない... 本の内容も この文章も... です


で 先週から テレビで始まりましたね 
初回は2時間スペシャル 
いい線行ってたとは思うけど 本を越えているかと言えば それは無いな 


大店のお金持ちと 貧乏な庶民の差 
人間と妖  どっちつかずの若だんなの 奇妙なバランス 
人間と妖たちの 感覚のズレ
そうした微妙なところを テレビで表現するのは難しいのだろうか 
それとも僕が 映像から読み取れなかっただけかな? 

本のラストに満足しているとは言えないけど 
テレビよりは 数段良い と思った



ところで 
本の出だしは 足元だけをぼんやり照らす 薄暗い提灯の明かりしかない闇の場面なのだが 
昔の映画ならともかく 今のテレビでは そんな暗い闇を映すわけにはいかないようで 
あれでは 闇の怖さが なかなか伝わってこないだろう 


闇の怖さ = 妖怪の怖さ


夜も煌々と灯りがついて 闇が無くなった現代 
真の闇が拡がるのは 人の心の中
心に拡がる闇の中で 怪しく蠢く 妖怪たち 
げに恐ろしいのは 人間だ 
 

posted by aozora |15:30 | 本の話 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:『しゃばけ』  畠中 恵

「しゃばけ」は出版されたときから好きでした(最近は飽きてきた)。
シリーズで何冊か出てますが
「ぬしさまへ」の中の「空のビードロ」が好き。
えっと、売っちゃったのもありますが
「ぬしさまへ」と「ちんぷんかん」(最新刊)なら持ってます。
読みますか?

ドラマは、まぁまぁだったかな。
最後まで見れたから。
仁吉の谷原章介はカッコよかった。

posted by ブラコン2号| 2007-11-26 15:48

Re:『しゃばけ』  畠中 恵

返事遅くなって ゴメンナサイ 

うん もう1~2冊は読んでみたいな 
最終節はアレなんで また機会見て伺います

posted by 青空| 2007-11-29 00:53

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