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2015年04月13日

黒田官兵衛

讃岐戦は 残念でした。
0-0のスコアレスドローも残念なら、イエローカードも残念。
この試合でも3人がもらい、ナザリトは早くも 次節 出場停止。
先日も書きましたが、今シーズンは みな 多過ぎです。


さて、黒田官兵衛。

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大河ドラマも終わって 数か月になるという このタイミングでどうかと思うのですが、
黒田官兵衛ものを5冊、続けて読みました。

吉川英治   「黒田如水」 
松本清張   「軍師の境遇」
吹上流一郎  「常勝参謀 黒田如水」
葉室麟     「風渡る」「風の軍師」 (風渡るが前篇、風の軍師が後編)
坂口安吾   「二流の人」 (青空文庫で読んだので、写真は無し)


吉川英治   「黒田如水」
御着城での評定から、三木城(別所長治)攻めまで。
黒田如水というタイトルですが、まだ官兵衛という名前だった若き日の姿を描いています。
「太閤記」の流れの中の一冊なのでしょうか、スピンオフという印象でした。
 

松本清張   「軍師の境遇」 
御着城での会議から、山崎の合戦で 明智光秀を破るまでの半生。
推理小説作家らしさを期待したけれど、そうしたものは無し。
小寺政職の娘、波津姫が官兵衛のマドンナ的存在として描かれますが、
それ以外には 特に印象に残るものはありませんでした。 


吹上流一郎  「常勝参謀 黒田如水」
天正三年、毛利につくか織田につこうか迷うシーンから、筑前移封、他界までが描かれますが、秀吉が天下を取るまでがメインです。タイトルは 黒田如水ですが、如水と名を改めて以降の小田原攻めや 朝鮮出兵、関ヶ原など、後年の描写はいたって淡白です。
この本では、御着城での重臣を集めた会議や 竹中半兵衛が信長の命に背いて松寿丸を匿った件、小寺から黒田への改姓の経緯、家康に褒められた長政に “その時左の手は何をしていた” と言ったとされる件など、官兵衛に関して一般的に信じられているエピソードに関して、本当にあった事かどうか疑問を投げかけています。
秀吉との関係、戦国時代を智略によって生き抜いた官兵衛の人間性に対する評価も 他の本とは一線を画しており、なかなか面白いです。


葉室麟  「風渡る」「風の軍師」
「風渡る」が前篇、「風の軍師」が後編で、二十歳の頃の官兵衛から 他界、葬儀までが描かれます。
如水という名は 上善如水から取ったという説がありますが、この本では スペイン語のジョスエ、預言者モーゼの後継者である ヨシュアの事だとする説を採用しており、一貫して キリシタン大名としての官兵衛を描いています。
朝鮮出兵で苦戦する中で キリシタンを弾圧する秀吉を討とうと策略を巡らし、関ヶ原の裏で 九州で挙兵したのも キリシタンの国を作るためだったというストーリーで、さすがにここまで来ると賛否両論があるでしょうけれど、かなり斬新な捉え方で、これはこれで面白いです。


坂口安吾   「二流の人」
昭和初期の浪漫やイデオロギーを感じさせる講談調の文章で、全体に大衆文学的に書かれています。
 “二流の人”とは 黒田官兵衛のこと。小田原城攻め、朝鮮出兵、関ヶ原の戦い という三話構成で、その3つの大きな事件と 官兵衛との関わりを描くことで、官兵衛の人物像を浮かび上がらせているのですが、時代が進むにつれて どんどん官兵衛(如水)の存在感が薄れていくのが ちょっと残念。
官兵衛は 好戦的な野心家、優秀な策謀家だが賭博師で、傲慢でひがみっぽく、最後まで時代の流れを掴み切れなかった二流の武将として描かれており、これはこれでなかなか面白いです。
一方、秀吉や家康、小西行長や伊達政宗など、どの武将も 案外と俗物で通俗的なキャラクターとして描かれていて、マンガチックなくらいですが、なるほどなと納得できる面もあり、この点も面白かったです。


ところで、
黒田官兵衛を描いた小説の代表作と言えば 司馬遼太郎の 「播磨灘物語」(全4冊)。
忘れていませんよ。
今日 買ってきたので、これから読みます。

posted by aozora |21:06 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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