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2015年01月10日

東野圭吾 で 再チャレンジ

昨日 SPAMと判定されてアップ出来なかったエントリーですが、“殺”、“死”という漢字を カタカナにしてみました。
単純な解決策ですが、無事にアップできるでしょうか・・・・・


一昨年にテレビで放送された映画 「麒麟の翼」を録画してあって、映画を観る前に原作を読もうと思っていたら、あっと言う間に1年が過ぎ、結局、原作の「麒麟の翼」を読んだのは 昨年の暮れになってから。
夏に読んだガリレオシリーズ 「聖女の救済」に続いての 東野圭吾作品でした。 

今回読んだ4作品中 3作品が 加賀恭一郎シリーズです。
同じ加賀シリーズの 「卒業」や「どちらかが彼女を殺した」、「悪意」、「嘘をもうひとつだけ」などは以前に読んでいて、特に「悪意」はとても面白かった記憶があるのですが、ずいぶん前の事なので、加賀という刑事の事などすっかり忘れていました。

東野圭吾は 読みやすいし、やはり面白いです。
ただ、面白いですが、近年の作品には 大満足というものは少ないように感じます。
多作ゆえの 限界とは思いたくありませんが、どうなのでしょう?
誕生日が 1週間違いの 同年代と言う事もあり、もっとガンバレと応援したくなります。

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「麒麟の翼」
加賀恭一郎シリーズの 第9作です。
胸を刺され、瀕シの状態で日本橋の麒麟像まで歩いて息絶えた男性。容疑者らしき男はすぐに見つかったものの、事故で意識不明。被害者がそこまで移動した理由は? 
確かに、昨今は それが招く結果を想像もせず、衝動的に人をコロす若者がいる中で、このようなサツ人事件が起きても不思議ではないと思いますが、それにしてもなぁ・・・。
息子へ 贖罪、再出発の為のメッセージを残すのも大事だけれど、あそこまで歩けたのなら 命が助かる可能性もあった訳で、自分が助かる事で 息子の友人をサツ人事件の犯人としないで済む方が 余程大事ではないのでしょうか。
不幸な事故を 間違った解決方法で処理した為に起きた 不幸の連鎖。
やりきれなさが残る小説でした。


「赤い指」
加賀恭一郎シリーズの 第7作で、直木賞受賞後の第1作。
「麒麟の翼」に 少々不満が残ったので、口直しに レビューで評価の良かった東野圭吾作品を続けて読んでみました。
つまらない理由から 幼女をアヤめてしまった一人息子を守るために 愚かな行為に走る夫婦と、その家族が抱える 隠された問題。同居する母や妻、息子ときちんと向き合おうとしなかった結果が招いた悲劇を描いています。推理小説というよりも、教育問題、家族関係、老人問題などを扱った社会派の作品でしょうか。駄目だと判っていてもやってしまう、追い詰められた中年男の心情がよく描かれていると思います。
しかし、ちょっと展開や設定に 無理があるように思います。ラスト近くの母子の愛情にはグッと来ますが、それ以前に、実の母親の状態に あまりに無関心な中年男、同じ家の中で犯行が行われていながら 気付かないふりをし続ける母親の姿勢には ちょっと納得できない部分が残ります。


「新参者」
加賀恭一郎シリーズの 第8作です。
事件に関係した謎を解明する 9つの短編から成るのですが、最初の短編が小説現代に発表されてから、最終章が発表されて完結するまでに5年を要したそうで、それらをまとめた単行本は “このミス2010” の第1位です。
それぞれの短編で主人公やトリックが異なり、それぞれにちょっといい話が絡められ、一編一編が日常の人情ミステリーという趣で、構成も含めて 面白いです。
ただ、それだけに 主たるサツ人事件の解明という点では 今一歩という印象でしょうか。
“事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探し出すのも、刑事の役目です“ という加賀刑事のセリフがありましたが、それがメインとなっている作品です。


「夜明けの街で」
加賀恭一郎シリーズではありませんし、ミステリーという程のものでもありません。推理小説の形を取った不倫小説、恋愛小説だと思います。
不倫、なんて魅惑的な響きでしょう? 昨年は昼顔 ~平日午後3時の恋人たち~ というTVドラマが話題になりましたが、男も 女も 心の底では あこがれているのでしょうね。
この作品では 軽蔑していたはずの不倫にハマってしまった平凡な中年男の心情、葛藤が リアルに描かれていて、ついつい我が身と重ねてしまい、一気に読んでしまいました。
不倫相手の秋葉が あまりにも切なく哀しい。
ラストに象徴される嫁の怖さが 全体を一気に引き締めます。
“赤い糸なんてものはないんだ。赤い糸は二人で紡いでいくものなんだ”という新谷のセリフが印象的です。


おお、アップ出来ました。
これからは SPAMと判定されたら これで行こう。

posted by aozora |23:00 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)

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